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オズのトト

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第二幕その十一

「先程お話した通り」
「そうよね、じゃあね」
「宜しくお願いします」
 こうお話してです、今回の冒険のことが決まりました。
 そのお話の後です、五人はドロシーに言いました。
「今回もですめ」
「僕達冒険に出られるんですね」
「今度はオジョさんのところですね」
「そういえばオジョさんとはあまりお話してないですし」
「いい機会でもありますね」
「ええ、そうよね」
 五人とオジョのことはこう言うドロシーでした。
「いい機会になるわね」
「そうですよね」
「何度もオズの国にお邪魔してますけれど」
「オジョさんとはお会いしても」
「これといってお話したことなくて」
「今回が、ですね」
「ええ、じゃあそのことも含めてね」
 是非にと言うのでした。
「冒険に行きましょう」
「飛行船に乗ってね」
 トトも五人に言います。
「行こうね」
「うん、前に飛行船乗ったけれど」
「それでオズの国のお空を冒険したね」
「魔法使いさん達も一緒で」
「あの時の冒険も楽しかったわ」
「その飛行船にまた乗るのね」
「そう、そしてね」
 そのうえでと言うトトでした。
「今回はムシノスケ教授とカエルマンさんが一緒だから」
「そういえばムシノスケ教授と一緒の冒険は」
 恵梨香が言います。
「これまでなかったかしら」
「あまり冒険に出ない人だからね」 
 それでというのです。
「だからね」
「私達もなのね」
「うん、冒険もね」
 それもというのです。
「はじめてなんだよ」
「そのことも楽しみね」
「そうだね、実はね」
「実は?」
「前の教授はもっと付き合いにくい人だったんだよね」
「そうよね、急に本を読みだしたり知識をひけらかす癖があって」
 ドロシーもかつてのムシノスケ教授のことをお話します。
「そうしたところあったわね」
「そうだよね」
「それがね」
「うん、その困ったところはね」
「かなり穏やかになって」
「付き合いやすい人になったね」
「そうよね、多分ね」
 何故教授の性格の困ったところが改善されたのかをです、ドロシーはトトとお話するのでした。
「ボームさんが来られてからね」
「ボームさんの知識と教養に驚いてね」
「自分より遥かに凄いのに謙虚な人がいるってわかって」
「それからだね」
「ボームさんは」
 恵梨香がこの人について言いました。
「最初に私達にオズの国のことを紹介してくれて」
「そう、私の最初の冒険をね」
 ドロシーは恵梨香のこのことからお話しました。
「そうしてくれたわね」
「そうですよね」
「そしてあの人のオズの国の知識はね」
「知らないことはですね」
「ないと言っていい位なのよ」
「そうなんですね」
 何しろオズの国の冒険を数多く皆に紹介してくれた人です、それで教授以上にオズの国にことを知っているのも当然です。
「そのボームさんとお会いして」
「教授も変わったの」
「謙虚になられたんですね」
「ボームさんはただ知識があるだけじゃないから」
「謙虚な人なんですね」
「穏やかでね」
「そうした人とお会いして」
 恵梨香もわかりました。
「教授も今みたいな方になられたんですね」
「そうよ、ボームさんはあまり王宮から出ないけれど」
「また、ですね」
「お話したらいいわ」
「わかりました、じゃあ」
「はい、機会があれば」
 恵梨香はドロシーにこくりと頷いて答えました、そうして明日からはじまる冒険について期待するのでした。 
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