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オズのトト

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第二幕その九

「私オズの国に来られてよかったわ」
「そしてこの国に住めて」
「本当によかったわ」
「運命ですね」
 ここで恵梨香がドロシーに言いました、彼女のすぐ隣に来て。これまではドrシーとトトが先頭にいて五人がその後ろにいましたが五人はその距離を一気に詰めてドロシー達の隣に来ました。
「それは」
「あっ、そう言ってくれるの」
「はい」
「そう、運命なのね」
「ドロシーさんにとって」
「ううん、そう言われると」
 ドロシーも恵梨香のお話を聞いて言いました。
「そうかも知れないわね」
「そうですよね」
「ええ、考えてみると私がね」
「ドロシーさんが?」
「若しオズの国に来なかったら」
 その時はというのです。
「皆もオズの国のことを知らなかったわよね」
「そうなんですよね」
「若しドロシーさんが竜巻に運ばれないで」
「波にさらわれたりモジャボロさんと出会わなかったり」
「そうしてオズの国に来られなかったら」
「そうなっていたら」
「ボームさんも知ることが出来なかったわ」
 オズの国の物語をです。
「あの人が言われるには」
「そう思うと不思議ですね」
「まさに運命ですね」
「ドロシーさんがオズの国に来られたのは」
「オズの神々のお導き」
「そうなんですね」
「そうだと思うわ、私もね」 
 走りつつもしみじみと思うドロシーでした。
「本当にね」
「そうだね、僕もこうしてドロシーとずっとオズの国にいられるのも」
 トトも思いました、それも心から。
「それもね」
「運命よね」
「そうだよね」
「他の皆もね」
 外の世界からオズの国に来た人皆がというのです。
「オズの国に来たのは運命で」
「私達もですね」
「そうだと思うわ、じゃあその運命つまりは神々のお導きにね」
「感謝ですね」
「そうしましょう」
 心からというのです、そしてでした。
 五人はエメラルドの都をじっくりと走って楽しみました、そしてです。 
 その後で紅茶とチョコレートのシュークリーム、チョコレートケーキ、チョコレートそのものの三段セットのティーセットを楽しんでいるとジュリアが来てドロシーにこう言ったのでした。
「あの、オジョから連絡が来まして」
「あの子から?」
「はい、マンチキンの国まで来て欲しいって」
 そう言ってきたというのです。
「今しがたオズマ姫に携帯で」
「何かあったのかしら」
「あの子が住んでいる場所の山が大変なことになっているとか」
「それでなの」
「何とかして欲しいと」
「一体何があったの?」 
 ドロシーはジュリアに具体的なことを尋ねました。
「一体」
「はい、鳥が異常に多くやって来てです」
「鳥さん達が」
「それでそこまで森に住んでいる生きもの立とトラブルになっているとか」
「それでその解決になのね」
「どうかお願いしたいと、ですが」
「今都で手が空いているのは」
 ドロシーはここまで聞いてわかりました。
「つまりは」
「ドロシーさん達だけなので」
「私達がなのね」
「はい、オズマ姫が言われました」
「わかったわ」
 ここまで聞いてです、ドロシーは言いました。 
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