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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第七章 C.D.の計略
  闘牙とは

前回の仮面ライダーキバは―――


バイオリンの素材探しで綾女ヶ丘を訪れる渡。

出会ったのは「11eyes」の駆とゆか。



その三人の前に、赤い夜を携えた男「仮面ライダー闘牙」が現れる。
強力なパワーを持つ闘牙の能力の前に危機を迎える三人だが、彼を追ってきた名護啓介・仮面ライダーイクサの活躍でなんとかその場を脱したのだった。


そして、彼が語る、彼の正体とは?



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名護啓介が説明を始める。


事の起こりは、まだ世界が結合もしていないころにまでさかのぼるらしい。


あの男――――どうやら人間態では「あかさきこうや」と名乗っているらしい。
漢字で書くと「赤嵜紅矢」だ。


ともかく、その赤嵜はレジェンドルガだ。

個体名はマンティコアレジェンドルガ。
確かに、あの怪人態の姿と神話の怪物の姿は一致する。



奴は以前にレジェンドルガの王―――すなわちアークレジェンドルガが目覚めた際に同時に復活した個体だ。


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「あれ?じゃあなんでの時・・・・」

「慌てずに聞きなさい。奴は動きたくても動けなかった。それだけのこと」

「動けなかった?」



そう。
赤嵜が封じられていた場所は、八方が岩に囲まれた洞穴。

だがレジェンドルガならその程度は突破できるのでは?



「いや、できない。あいつは紛い物・・・・ファンガイアからレジェンドルガになった男だからだ」

「・・・・えっと?」

「君も覚えているだろう。ファンガイアをとらえ、下僕にしたレジェンドルガを」

「あ、確かに」


確かに、そんなやつはいた。
そもそも、一人一人が強力な力を有するレジェンドルガの繁殖方法がそういった他種族を取り込んで、塗りつぶすかのように増えていくものだ。

だったら、もはやそれは普通のレジェンドルガではないのだろうか。


確かに、赤嵜は真っ当なマンティコアレジェンドルガだ。
ただ、タイミングが非常に悪かった。


彼がレジェンドルガに種族替えされたのは、太古の戦においてダークキバがウェイクアップ3「キングスワールドエンド」を発動させる直前だったのだ。

それによってレジェンドルガ族はほぼ全滅。
他のレジェンドルガが遺跡などに身を隠して王の復活を夢見ての眠りについたのに対し、こいつがただの洞穴に閉じ込められていたのはそのせいだ。


そして、そんな状態で封印された男は封印の中で弱体化していった。
数年前にアークが蘇り、その周辺にいたレジェンドルガ族が復活した際、彼もまたそのエリア内にいたためよみがえったのだが、その肉体はドロドロに崩れており、もはや低級ファンガイア族にも劣るほど弱体化していたのだ。

洞穴を閉じる、岩すらも砕けぬほどに。


だが数か月前、何の原因かは不明だがそれが外に出た。
その弱体化した生物は、エネルギーを求めてさまよい始める。


「それを追っていたのが私、名護啓介というわけだ」

「じゃあ名護さんはあいつの復活を知ってて?」

「いや、違う。渡君、ここ数か月間にわたって世間を騒がせている「ファンガイア殺し」の事件は知っているだろう」

「あ、はい。人間を襲おうとしたところを、逆に何かに襲われて・・・ってまさか」

「その通り。あれは奴の「捕食行動」だったんだ。ファンガイアの能力も残っていたのでしょう。それで多くのファンガイアのライフエナジーを吸い上げ、ようやく先週、肉体を取り戻した、というわけです」


「あ、あのう・・・・」

「ん?」



一通り、名護の説明はわかった。
要はファンガイア上がりのレジェンドルガが、同じように装甲を作り出して襲い掛かってきたというわけだ。


だとしても

「あの、なんでゆかが狙われてたんですか?」

ファンガイアだとかレジェンドルガだとかの話においてけぼりの駆とゆかが、頭に?を浮かべてそんなことを聞いてきた。



「むぅ・・・」

「それはわかりません「わかるぞ」ですが安心しなさい「いやあの」この名護啓介「ちょっと?」がここにいる「だからさ」つまりこれは、神の加護にも等しい」

「は、はぁ・・・・」

「えっと・・・・」

「キバット?」


「何ですか。人の言葉は遮るものではないと、科学の先生に習わなかったのですか」

「いや、俺学校とか行ってねぇし」

「あとそれ教えるの科学の先生じゃないと思う・・・・」

「いや、そんなことより・・・知ってるって?」


「ああ、あいつがおたくさんらを狙う理由っての、たぶんあれだ」


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封印の奇石

そう呼ばれているものが、キャッスルドランの中にある。
見た目ははただの装飾品か何かの置き石だが、実は世界中のレジェンドルガの肉体を封じているキーアイテムだったりする。


解放されれば、アークの際にはエリア外で復活できなかったレジェンドルガが、世界中で同時多発的に復活することになる。


「でもこいつがめちゃくちゃ硬くてな。で、それを砕こうとしてんじゃないか?ってこと」

「なるほど。同じ魔石なら・・・ってこと?」

「絶対に壊れないって言われる虚無の魔石。それをまとめれば不老不死ともいえる力に、同族も復活させることができるということか」



奴の目的はわかった。
その出所も。

あとはあの強力な敵を倒すだけ。

いつも通りだが、その強さはいつも通りではない。




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喫茶店のテラス。
日射しはまだあるが、この時期の夜は幾分か過ごしやすい。太陽が沈みつつある今の時間なら、なおさらだ。


まだ空は明るいものの、これから暗くなる様子を見せる時間帯。
男は喫茶店のテラスに腰掛けていた。

コーヒーを一杯。
その飲む姿は、あまりにも様になっている。



その男・・・赤嵜紅矢は考える。

あれがキバ。
そして自分を追ってきたあの男。


男の方とはあれを含めて2度。
キバに至っては一回の交戦であったが、実にためになった。


彼にとってみれば、人間は当然のこと、キバですら敵にならないはずだった。


もしも彼の思いを飾らずに言うのであれば「え、負けるってことあるの?」である。


それは彼がライオンファンガイアだったころからすでに持っていた思い。
そもそもレジェンドルガ族になったのも彼の計算の内。比較的種族が近いマンティコアという個体を選んだのも彼の思い通りだ。


彼の人生には成功しかない。
しかもそれは、彼の全力にも満たない力で、圧倒的な差をつけての絶対的なナンバー1。


彼は思う。

あのタイミングでなければ、自分がアークに代わってレジェンドルガの王になり、ファンガイアを滅ぼして世界の頂点に立つはずだった。

それだけに許さないのだ。
ファンガイアという一族を。その王族の鎧をまとうキバを。

うまくいくところだった自分のサクセスストーリーを邪魔した奴らが。



大通りに面したこの店のテラスからは、街を歩く人間の姿がよく見える。

エネルギー源としてはファンガイアに劣るが、ファンガイアは滅ぼすと決めた以上一体たりとも残さない。
その肉片の一片たりとも、その血の一滴であろうともだ。


だから次点のこいつらにする。
目に見える。ファンガイアを滅ぼし、人間牧場を建設しレジェンドルガ族の食糧源にするのだ。

ファンガイアは敵ではなく、人間など空気よりも抵抗にならない。


「・・・と、思ってたんだが」

なかなかどうして、手ごたえがある。





とは考えるモノの、実際に実力は圧倒的だ。

イクサの全力は、逃走のための目晦まし程度。
キバの一撃は、全身に重みを感じた程度だ。

だとしても、彼からすればそれは大きな抵抗だった。



“まさか煙くらいには邪魔くらいだと思っていたのが、紙箱くらいには感じるとは”



だがだとすれば、それは「可能性」だ。
それはつぶさなければならない。たとえ数パーセントだとしても、その未来の可能性の存在は認めない。

「使うか・・・」

基礎能力だけではない。
その鎧の機能全てを使おう。

十分ではなく、万全で叩き潰そう。



そして、魔石を手にするのだ。
それが決まった未来。運命ともいえる。


「覆らないさ・・・ん?」


ふと、数人のグループが目についた。

男一人、女三人。
男一人というのが妙に羨ましいが、如何せん空気は友人のそれだ。


そしてそのグループは、彼の標的の4人だった。


「さて。目の前にあれば――――仕方がない」

律儀に会計を済ませ、店を出る。


ちょうどこちらに向かって歩いてくる。


その前に立ち、男は――――――――




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「あ、もしもし先輩ですか?今仮面ライダーの・・・はい、キバの人といるんですけど、今綾女ヶ丘にヤバい奴が・・・え?おーい?」

ブツッ!


ツー―――ツー――――


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炎上する大通り。


炎の結界のように、円形に燃え盛る業火。
そこに本物の結界が張られ、ドーム状にここを封鎖する。
更には鎖が飛び交い、一人の男を縛り上げて周囲の建物に伸びる。

ピンと張られた鎖は、男の身体を宙に上げて拘束していた。



その眼下には先ほどの4人が。

炎を手にする少年
ナイフを手にする、服だけが少し焦げている少女。
傍らに天使のような存在を携える少女。
剣を手に、札を構える少女。


四人とも、彼を油断なく見上げて近づく。



携帯はいまだに一人の少女の手の中に。
だが通じないのは壊れているからではなく。



「さて一気に四つ、手に入れようか・・・・!!」

男の発した瘴気によって展開される、赤い夜に閉じ込められたからだった。




to be continued




とりあえず闘牙/赤嵜紅矢さんの初期設定!!!

ドーン!!


仮面ライダー闘牙

変身者は赤嵜紅矢(あかさき こうや)
種族はレジェンドルガ。個別名称はマンティコアレジェンドルガ。

遥か太古、ファンガイアであった彼だが、半ば強引な形でレジェンドルガとなる。

ファンガイアだったころはライオンファンガイア。レジェンドルガに捕まり、マンティコアレジェンドルガとして生まれ変わる。
ちなみに、先代キングのチェックメイトフォー一員であったライオンファンガイアは彼の子孫である

赤嵜の名は、現代で活動するための偽名。
以前、レジェンドルガの王・アークが復活する際に復活。

しかし封印されたタイミングが悪かったのか、元がファンガイアだったためか、下級ファンガイアにも劣るほど弱体化していた。
そこから這い出すのと、元のレジェンドルガにまで戻るのにライフエナジーを吸い上げるのに時間がかかっていた(ちなみにその姿はたびたび目撃さえていたが、人を襲うファンガイアのほうが襲われている人間より高エネルギーなので、結果的に人間を助けているようにみられ「一般ファンガイアの協力」と思われていた(一応犯罪(殺ファンガイア)は犯罪だが))


崩壊した紅魔城から資料を引っ張り出して製造したのが闘牙の鎧。
変身に他種族モンスターを必要とせず、自らの欠片(ステンドグラス)をセットして砕くことで変身する。


目的は、当代キングの証であるキバの鎧、そして先代のものであるダークキバの鎧の破壊である。
それが終われば、ファンガイア一族の粛清。そして人間牧場の建設とレジェンドルガ族の復活を目論む。

世界中の遺跡には未だレジェンドルガが眠っており、アークの復活の際に意識レベル(魂)の復活は完了している。
あとは体を開放するだけの状態で、世界各地で眠っている状態。

ただし、肉体の封印を解くにはキャッスルドラン内部に侵入し「封印の奇石」を破壊しかねればならない。キバやダークキバという「王の証」である鎧の破壊を優先しているのはそのため。
(アーク時のレジェンドルガ復活は、彼の近くにいたため)



「封印の奇石」は特別な魔石でできており、破壊は困難。
また、闘牙は自身がファンガイアの出であることを嫌い、同時におそれていた。それはレジェンドルガ族を復活させた後の、自分の身を案じてのこと。

故に、破壊できるそれ以上の魔石であり、なおかつ不老不死になれる「虚無の魔石」―――その欠片を持つ少年少女を狙ったのだ。
キバが綾女ヶ丘に来ていたことは偶然だったが、いずれ倒す相手として戦闘を仕掛けた。

この戦いの結果、人類にも強力な力の持ち主がいることを認識し考えを改め、傲慢だった自信が隙のないものへとなる。



必殺技はない。ただしこれは彼の最初の意識の問題。
ウェイクアップはあるものの、自分が出たのだから勝利は確実だと自負しているからだ(いわば自分自身が必殺技というようなもの)

ただし、この考えは先述の通りキバとの初戦で改められることとなり、油断なくウェイクアップを使用するようになる。

使用するのはただ一つ。
「闘牙蹂躙」と名付けた、爪上のエネルギーを纏っての猛ラッシュ。

そして敵を壁、若しくは地面に押し付けた後に口内から放つエネルギー砲で至近距離からぶち抜く。


人間を支配するという認識では冠木(マンティス)と同じだが、奴隷と食料とで用途が異なる。
もしも二人が出会ったとしても共闘するつもりではないので、先に成功すればよし。もし先を越されても、そのあとで殺して丸々いただき、くらいに考えている。


「人は邪魔だ。無駄に数だけのさばって、ライフエナジーも貧弱と来ている」

「だがファンガイアが滅びた後、重要な食糧源となる」

「滅ぼしはしない。生きながらえ、産んで増えろ。貴様らの矮小な命の上に、我らレジェンドルガが立ち上がる!!」


両者とも自分に絶対の自信があるため、後になろうが先になろうが、結局は自分の勝利だと信じている。
それは盲信ではなく、確かな実力に裏付けられた事実なのだ。



「未来だと?次の世代にだと?短い命の、貧弱な種族の考えそうなことだ!!」




 
 

 
後書き

才能天才ヤロウってことで!!!
優雅に紳士、だけど悪みたいなキャッチコピーでどう?




襲われたのは無論あの四人。
さて、ひとまず対抗したみたいですけどこの男のことだから――――



名護
「俺についてきなさい」


「こっちだ!!」


「え、ちょっ!?」


間に合えみんな!!


ゆか
「次回。大激突!!闘牙VSキバ!!」



ではまた次回 
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