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儚き想い、されど永遠の想い

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123部分:第十話 映画館の中でその十三


第十話 映画館の中でその十三

「あの方もそのことを憂いておられます」
「そうだったんだ」
「そのことは御存知なかったのですか」
「はじめて聞いたね」
 思慮の中にだ。気付いたものも見せている顔だった。
 その顔になってだ。義正は話すのである。
「そうだったんだ」
「ですから。旦那様がこのことを伊上先生に話されることはです」
「いいことだね」
「必ずやお力になってくれます」
 そうだというのである。
「ですからそれは是非共されるべきです」
「わかったよ。それじゃあね」
「いい御判断です」
 微笑んでだ。主のその考えを褒めるのだった。
「そうされるべきです」
「では」
 こう話してだった。義正はだ。
 顔を晴れやかにさせた。そうしてであった。
 彼はだ。あらためて話すのだった。
「喧嘩ばかりしていても何もならないね」
「特に我々はです」
「じゃあそうしよう」
「伊上先生と直接お話されるのですね」
 義正への確認だった。
「旦那様が御自身で」
「うん、そうするよ」
「本当によいことです。そしてそのことがです」
「僕と彼女を幸せにするだけでなくて」
「両家や。その周りの人達もです」
「幸せになるんだね」
「はい」
 佐藤は笑顔で義正の言葉に頷いた。そうしてだ。
 義正にだ。こんなことも話した。
「一つの幸福はその幸福だけでは終わらないのです」
「一つの幸福だけじゃない」
「そうです。幸福は幸福を呼び」 
「幸福が幸福を」
「そしてさらに幸福を作り出していくのです」
 そうだというのである。
「それが幸福なのです」
「じゃあ僕が幸福になれば」
「他の多くの方も幸福になります」
「では僕は」
「幸せになって下さい」
 佐藤は主に話した。
「是非共」
「うん、それじゃあ」 
 こうした話をした。そうしてだった。
 義正は次にどう動くのかを決めたのだ。そしてだ。
 そのことをだ。真理に話すのだった。
 二人で密かにだ。あのマジックで会ってだった。向かい合って話すのだった。
 その場には珈琲がある。そして今日の音楽はだ。
 ベートーベンだった。その曲は。
「この重厚な感じの曲は」
「運命です」
 その曲だというのだ。義正が真理に話す。
「一度聴いたら忘れらない。そんな曲ですね」
「ですね。この曲は」
「ベートーベンはこうした作曲家なのです」
「印象的な曲を作曲する」
「そうした人です」
「こうした曲ははじめて聴きました」
 真理はそのだ。運命を聴きながら話すのだった。
 そしてそのうえでだ。彼女は義正に話した。
「強い曲ですね」
「そうですね。忘れられないまでに強く」
「はい、とても」
「それでこの曲を聴きながらですが」
 義正は言葉を出していく。その言葉はだ。
 
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