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レインボークラウン

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第五百二話

               第五百二話  博士に話すと
 小田切君と二匹は無事に買いものを済ませた、博士に言われたものは全てメモをしてそのメモを読みつつ買ったので買い忘れはなかった。
 だが研究所に帰ってからだ、彼等は博士にその美女のことを話すと博士にすぐにこう言われたのだった。
「その美女がまさにじゃ」
「ひょっとしてよ」
「前に話してた吸血鬼とか?」
「その通りじゃ」
 こうライゾウとタロに答えた博士だった。
「吸血鬼カーミラじゃ」
「まさか本当にいるなんてな」
「想定の範囲外だったね」
「しかも日本に来てるとかな」
「有り得ないお話だよ」
「日本は神々や妖怪が集まる国じゃ」
 博士は驚く二匹そして小田切君にあっさりとこう返した。
「宗教に寛容であるからな」
「妖怪は神様の零落した姿っていいますしね」
 小田切君は妖怪について聞いた話を博士にした。
「だからですね」
「うむ、それでじゃ」
「吸血鬼もですか」
「日本に来るのじゃよ」
「カーミラって確かオーストリアの吸血鬼でしたね」
「十九世紀当時のな」 
 当時のオーストリアは中央にかなりの領土を持っていた、ハプスブルク家の下大きな勢力を持っていたのだ。
「今は東欧になるやもな」
「そこから来た吸血鬼ですか」
「吸血鬼は東欧に多いな」
「それは有名ですね」 
 ドラキュラ伯爵もルーマニアなので東欧である。
「それで、ですか」
「カーミラも東欧じゃったか」
「それでそのカーミラが日本に来たんですか」
「カーミラは美女、美少女が好きじゃ」
 そうした嗜好の吸血鬼なのだ、所謂レズビアンである。
「日本にはどちらも多い、だから来たのやもな」
「何か思い切りやばい展開ですね」
「うむ、しかしわしには関係ない」
 博士はカーミラの来日を知って危惧を感じた小田切君にこれ以上はないまでにあっさりとした声で答えた。
「カーミラは美女、美少女が好きだからな」
「二百億歳の男性である博士にはですね」
「関係ない、ではこれから実験をするぞ」
 趣味の一つであるそれを行うというのだ。
「今日はプラナリアを切って頭を増やす実験じゃ」
「今日の実験はオーソドックスですね」
「それもまた面白いのじゃよ」
 笑顔で応えた博士だった、そして実際にプラナリアの頭を縦に二つに切ってその頭を増やしてみるのだった。


第五百二話   完


                 2017・11・26 
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