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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第七章 C.D.の計略
  輝きを超えた煌き


これまでの仮面ライダーアギトは――――――



ついに柳洞寺地下大空洞、大聖杯の元へと至ったオルタ。

その力はすでにアギト最強のパワーを誇るバーニングフォームですらをも正面から弾き飛ばすまでに高まった。


勝つ手段は―――――



------------------------------------------------------------



「フッ」

「ハァッ!!」

左右から迫る剣。

右から来るのはセイバーの不可視の剣。
真横に薙がれるそれは、オルタの腹部を狙ったものだ。

左から来るのはアーチャーの双剣、その片割れ。
斜めに切り下されるそれは、オルタの首を狙ったもの。


サーヴァントの剣戟など、仮面ライダーという存在をしたとしても十二分に脅威である。
まともに受けては、おそらく無事ではすむまい。

だがそれを前にしてもなお、オルタの様子には危機感がなかった。



「せいっ」

そんな気の抜けた声とともにバックステップ、同時に思い切りセイバーの剣を蹴りあげる。
ガチィっ!!という音と火花が鳴って、かち上げられた剣がアーチャーの剣とクロスした。


そのままオルタはバク天、走る火花を残しながら着地し、そのまま両腕の装甲で二人の攻撃を捌き、流し、躱していく。


「アーチャー!!」

「ム」

ダンっ!!


掛け声とともに、セイバーが勢いよく飛び出す。
風王結界を活用したブーストダッシュ。その勢いの止まらぬまま、嵐と見間違えるほどの剣撃を張っていく。

それはまるで、セイバーの目の前に刃で形成されたドームができたかのような残像すら見せつける。
だが、それをもってしてなおオルタには届かない。


「鶴翼――――三連!!」


ならば追加だ。
そう言わんばかりの、アーチャーによる鶴翼三連。

セイバーの背後から飛び出してきた刃はオルタの背を斬り、オルタの身体が硬直する。


「んぉっ、舐めるな!!」

ガァン!!と重い金属の衝突音がして、セイバーがオルタの正面から弾き飛ばされた。
ガシャガシャと鎧を地面にぶつけながら転がり出て、足を踏ん張り即座に反転しオルタへと向かう。


そしてそれより先に、アーチャーによる三連の続きが襲ってきた。
とはいえ、一撃目がオルタの背を斬った時、すでにアーチャーはセイバーを飛び越え、その剣をオルタに向かって全力をもって振り下ろしていたのだが。


「グッン!!」

「チッ!!」

だがオルタはそれすらをも受け止める。
クロスした腕で、アーチャーの両腕を受け止めていたのだ。


がら空きになったアーチャーの腹を蹴り飛ばし、距離を獲ろうとするオルタ。
だが振り上げた足は鎖に絡め取られ、振り上げた勢いと同じほどの速さで地に付いた。


「ライダー!!」

「今です!!」


ライダーの杭剣の鎖が、まるで結界のようにオルタの周囲に展開される。
そしてその両端を握るライダーが、思い切りをそれを引き上げた。


全身を取られる。
せめて腕でガードをと思い、鎖を掴もうとするオルタだが


「させません!!」

反転していたセイバーが、刃をふるってその場にたどり着いた。
振り下ろされた剣に、アーチャー、鎖と意識の行っていたオルタは処理しきれず――――


「ウがっ!!」

衝撃に耐えきれず、後方に飛ぶ。
そこには、待ってましたとばかりに展開されていた鎖の結界。

背中から鎖の中に飛び込んでいき、気づけば一気に鎖が身体に巻き付いていく。
一端をライダーが、もう一端を投げよこされたセイバーが引き、引いてからコンマ数秒のさもなく地面に打ち込み完全に固定する。


そして放たれるアーチャーの三連撃最後の一撃。
オルタの身体をX字に切り裂きぬける、鶴翼三連のラスト。


ガクンとひざから崩れるオルタ。

だが、浅い。
鶴翼三連は本来、このような三連ではなく同時に放つ三撃だ。

威力は本来の3分の一。
そんなことはわかっている。この弓兵がそれに気づかないなんてことはない。


だから間髪おかずに次の一撃。

構えるは弓。握るは剣。
剣の刃は捩じれ曲がる。

放たれるのは、爆熱を携えた螺旋剣―――――!!!


「ガラドボルグ―――!!」


アーチャーの指から、剣が離れる。
弓の弦に押し出され、螺旋剣が飛び出していく。

だがそれを予見した一瞬先に、オルタの眼光が強く輝く。


「ヌゥン!!」


立ち上がる。直後に再びしゃがむ。
すると、締め上げていた鎖に一瞬の緩みが。

その一瞬のうちにオルタは鎖を掴み取り、手首を唸らせて思い切り振るった。


その結果はどうなるのか。
順番に見ていこう。


まず、地面に打ち込んで押さえていたセイバーとライダーがひっくり返った。

手と足の違いはあるが、杭を押さえつけていたのだからそこに全体重をかけていた。
それがいきなり引かれて掬われたのだから、ひっくり返りもしよう。

次に、オルタの手首の唸りに合わせて鎖が躍った。
ガチリと噛みつくかのように、それらはライダーの手首、セイバーの足首に巻き付き、お返しだと言わんばかりに固定されたのだ。



そして、引かれる。
オルタとアーチャーの位置、状況を鑑みて、二人が引っ張り込まれるのは一か所のみ。



「なっ!?」

「くゥッ!」

「この・・・!!!」


アーチャーの指からすでにガラドボルグは離れている。
その一瞬のうちに、オルタはここまでのことをやってのけた。

このままでは、セイバーとライダーが放たれたガラドボルグに串刺しになる。



放たれた弓は、もはや主の意識とは別に飛んでいく。
修正不可能。絶対不変。


だが、それはただの弓兵の話だ。
ここのアーチャーは人を超えた英霊。

ただ指先から刹那離れた程度で、何もできないと思うことがおこがましい。



「クッ!!」

ドギュッッ!!――――――ドォンッッ!!!





「きゃぁっ!!」

すっ飛んで行くガラドボルグ。
それは大空洞の天井に命中し、地鳴りと落石を伴って威力を知らしめる。

その振動と轟音に思わず声を上げる桜だが、凛はまっすぐにアーチャーたちの方角を見ていた。



ガラドボルグは外れた。
半分正解で、半分間違いだ。

結果としては、オルタには当たらなかった。
彼は後頭部を抉り取っていこうと背後から撃たれたそれを、上半身ごと右に傾げて回避していたのだ。


対して、サーヴァントたちは?

地面に落ちたライダーとセイバー。

ライダーは頭部から出血していた。
ガラドボルグが掠ったのか、左側頭部から流れ出た血が、彼女の透き通るような肌を真っ赤に染めていた。


だが彼女がその程度で済んだのは、まず先にセイバーのわき腹を掠めていったからだろう。
セイバーは脇腹を抑え、小さく吐血しながらも無事ではあった。

当たったのは右脇腹か。
鎧が砕け、しかも捩じり取られていったのか、スカートにスリットが荒々しく入っている。無論、そこにあった鎧は跡形もなく吹き飛んだ。



ではアーチャーは無傷だろうか。
違う。アーチャーはあの瞬間、すでに威力を纏っていたガラドボルグに手を伸ばした。

そのおかげで、ライダーは頭がまだあるし、セイバーは上下に身体が分かれていないのだ。

よって、アーチャーも負傷。右手がズタボロ状態だ。
おそらく、この戦いの内に使うことはできないだろう。


そんな彼らをよそに、オルタはバキバキと鎖を引きちぎって立ち上がっていた。



「ふ――――――ぅ・・・・・」

長い一呼吸。
そして周囲を見回して、すでに戦いにならないことを悟った。



「どうだ英霊。これが」

「「悪だ」・・・とでも、いうんじゃないだろうね?」

「いいや。これが「力」だ」


語るオルタ。
今ここに立つ自分。それを形成するのは力。

そして、自分は悪である。



「結局のところ、目的を完遂するためには人は正しくいることなどできない」



「英霊を相手に語るにしては、人間などとスケールの小さい話になったな」

「いや?同じだとも。元人間の英霊」


オルタは言う。

今は確かに英霊だ。
なるほど、その偉業は誉れ高い。
反英霊だとしても、その力は称賛されるものである。

だが、お前ら今が何であったとしても、生まれた時から人間味のないわけじゃないだろ?



「フン。生まれながらにして英雄という奴はごまんといるぞ」

「だったらなぜおまえたちは人間臭く未練を残し聖杯にすがる?」

「・・・・・・・」

「っと、話がそれる・・・・なんだっけか?最後に行きつくのは悪、ってとこか」


返答はない。
だがオルタは勝手に進めていく。


「片や、あらゆる正しい手段で人を救おうとし、人の悪意に裏切られて殺された英雄」


「片や、正しい結果を求めて手を血で染め上げ、何もかもを失った騎士の王」


「片や、手段を選ばず自らの大切なもののために戦い、結局はその大切なものすら手にかけてしまった怪物」



人は、悪意に負ける。
まるでそう言いたそうな口調で、三人を指さして語るオルタ。



正しくあろうとした、正しいことをしようとした、間違っていても正しい結果のために動いた。




間違おうとして間違った者などいない。

だが、人は――――


正しくあろうとして間違え

正しくあっても裏切られ

正しくなくとも破滅する


この三人の末路だ。



「正しくあろうとするもの。なるほど、確かにそれは素晴らしいね。だけどそれがみんなできる世界なら、とっくに世界から悪なんてものはなくなっているよ」



結果的に、この世界には悪意が多すぎる。
一人の人間に対し、敵と呼べる人間が多すぎる。

歴史をひも解いてみてもわかるだろう。
平和な時代というのは、争いの時代に比べてなんとちっぽけな時間なのか。




「だからなんです・・・・?」

「ん?」

「だから、あなたはこの世界をどうするつもりなのですか!!!」

「正しくあろうとしたセイバー。だがその結果あなたは裏切られ、その悪意は息子までをもその手で殺した―――――」

「黙れ!!!」

振られる剣。
それを軽く躱し、オルタは続ける。


「認めてしまいなよ。世界は悪であるほうが自然なんだ」

その姿にすべきなんだと。
オルタに言わせれば、善意を無理に働かせようとするから、悪意は暴れるし、それに呑まれた時の絶望も大きいんだ、ということらしい。



「正しいか間違っているかなんてのは知らないよ。でもね、今までの様々な結果を見てね?悪のほうが優ってる。これは変えがたい事実だ!!」


だから


「だから、さ!!」


この男は大聖杯に向かう。
目的は願いをかなえることではない。

ここに詰まった「この世全ての悪」という、その魔力を求めて。

願いの実現は、それからでも十分に可能だ。



「エ――――クス・・・・・」


オルタの背後で、ガチャリと立ち上がる音。そして消え入りそうな声がした。
振り返ると、セイバーが剣を振り上げて宝具を放つ準備を終えていた。


だが、脇腹を大きく負傷したこの状態で撃てるのか。
よしんば打てたとして、オルタに当たるのか。


「セイバー・・・!!」

「――――カリ・・・・ッッ!!」

「やめておいたほうがいいよ。エクスカリバーはこんな空間で撃つものじゃないし」


そう、当たる当たらないなら、間違いなく当たる。
エクスカリバーはいうなれば、極太の剣撃ビーム兵器だ。

しかし当たりはしても、この大空洞ごと地上の柳洞寺まで木端微塵だ。
この山そのものが消し飛んでもおかしくはない。


だからこそ、オルタは平穏だった。
この英霊はそこまでして撃ちはしないと。


「で・も・なぁ・・・・」

この英霊は、いざとなれば冷静に判断する。
もしもこの世界がかかってるとすれば、犠牲を覚悟してでも撃つかもしれない。


「ってことでダメだ」

「バッ、グゥッ!!」


聖剣の輝きがピークに達し、振り下ろされるのと同時にオルタの拳がセイバーのわき腹を直撃した。


痛みと衝撃にセイバーが呼気を掃き出し、その手から聖剣がすっ飛んで行く。
ガキン!!と天井に待て吹っ飛び刺さり、そこで光を伴った爆発を起こした。

その光は大空洞内を一気に照らし出し、焼き付くような閃光だった。
だが一瞬目が眩むも、威力はない。


その様子に、オルタは残念そうにつぶやく。


「あれじゃただのフラッシュだ。残念だよ、騎士王さん」

「がハッ!!」


地面に投げ捨てられるセイバー。
もはや打つ手はない。


このまま、オルタは大聖杯を手にしてしまうのだろうか?



「世界に二分された善と悪などいらない。悪一色。それが世界のあるべき姿だ」

「一色では味気ないと思わないかね・・・?」

「美しいかどうかなんてのは人間の感性だ。世界のあるべき姿に、そんなものは関係ない」




「いいや。ある」

「!!!」





オルタの言葉に反論する声。
もっぱらアーチャー、稀にセイバーだったが、この声はどれとも違う。


「アギト・・・?」

「世界のあるべき姿に、人の意思は関係ない。そんなことは、ない」


振り返ったオルタだが、アギトの姿はバーニングフォームだ。
いや「まだ」バーニングフォームだというべきか。

その装甲は少しずつ剥げていき、その下には新たなる姿が隠れている。
そして全身からは、光があふれるかのように瞬いていた。


「そうか・・・・エクスカリバーの光が、シャイニングへの呼び水となったか・・・!!」

「オルタ。この世界にいるのは、人間だ。こういうのもなんだけど、この世界は俺たちの世界だ」

「ふん・・・・それっぽいこと言うようになったじゃないか。そうさ。だからその世界をあるべき姿に戻すんだ!!」

パキッ
装甲が割れる。


「でもそのために、今までの居場所を奪われる人がいる」

「そういう世界なのだから、仕方がない。正しい世界のために、悪に染め上げなければならないんだ」


パキッ
装甲が落ちる。少しずつ、少しずつ。



「だめだ。誰の、どんな人の居場所も、誰も奪うことなんてあってはならない」

「だが奪われるのがこの世界だ!!見て見ろ!!新たな世界に希望を思って生み出された僕すら、世界の悪意にその意味を奪われた!!」

正しくあろうと思った。
その世界のほうがどれだけいいか。

でも現実は違った。
胸躍らせて旅した世界は、素晴らしいものの陰に隠れたドス黒い悪意のほうが圧倒的に多かった。


「だから俺は許さない。この世界にそうあろうとしてきた君を染めたその悪意を。そして、それを体現しようとする君を」

居場所を奪われる辛さ、苦しさを知りながら、それをやろうとしているお前は、誰よりも居場所を奪うことを許されないというのに。


パキンッ
装甲が、落ちる。


「居場所を奪われない?そんなものは夢だ!!あるわけないんだよ!!」

「たとえ、それを夢だと笑っても構わない。だけど」



―――――――どんなことがあったとしても、人の居場所を当然だと言って奪おうとするお前を、俺は決して認めない!!!


ゴォッッ!!
吹き荒れる風。この大空洞の濃い魔力を晴らしていくような、神々しい光。


輝き(シャイニング)か・・・・だがバーニングで勝てなかったというのにその姿で―――」


そう、シャイニングフォームは確かにアギト最強の姿だが、パワーにおいてはバーニングフォームのほうが高い。
それを正面から破ったオルタに、今更シャイニングではねじ伏せられるのではないか?


しかしそれは、この姿がシャイニングなら、だが


「シャイニングじゃ、ない」


割れる装甲。
その下から覗く新たな装甲。
そこから放たれる輝き。

シャイニングフォームへは、通常太陽の光を受けて移行するフォームだ。
だが、今のこの光はその輝きとは違う。

もっともっと、力強い息吹のような光の瞬き――――――!!!


「これは――――!?」

ドォッッッ!!!


気づいたときには、オルタは吹き飛ばされていた。
無意識のうちに上がっていた腕は、ガードの役にも立たず粉々に砕けていた。

パンチをしたのか?
キックを喰らったのか?

オルタにはわからなかった。
オルタの視界からアギトは一瞬も外れていない。

だがオルタはアギトの歩み寄る姿しか見ていないのだ―――――



(無挙動の攻撃?それとも速すぎて見えないだけか!?だが産む意識下であってもガードできたなら―――――)

腕が壊れたことにまだ気づかない。
それほどの一瞬のうちに、オルタの思考は回っていく。


だが


(グッ!?腕がこれか。ならば―――)

「―――ゴ破ァッッ!?」


ブチ砕かれる背中。
オルタはまだ、吹き飛ばされて宙にいるうちだったというのに。

しかもその間にも、アギトはずっと同じところに立っている。
立っているのに、なぜ自分の背後に攻撃できる!?


ドシャぁ――――・・・・・

オルタの身体が、地面に転がる。
元居た場所に、そのまま帰ってきたのだ。

セイバーたちからすれば、何が起きたかわからない。


確かに、アギトの一助になればとエクスカリバーをあの形で放った。
だが、まさかここまでとは。

聖剣を手にしたライダーが、ここまで凄まじいものだとは思わなかった――――!!!



「そうか、これが・・・アギト・・・・進化する、力か・・・!!」

「様々なものがある。悪意も善意もある。だから人の可能性はどこまでも伸びる。これはその輝き」

「はは・・・輝きじゃ、今までのシャイニングじゃないか・・・・君のそれは・・・今や・・・・」


そうこれは、輝きを超えた煌き―――――――




「ハァァァアアアアアアア!!!!」

「オオオォォォォォオオオ!!!!」


アギト、オルタの両者の足元に各々の紋章が浮かび上がる。


両者ともに最後の一撃。
特に、オルタはこの場の魔力を吸い上げての大一番だ。

だが、アギトの輝きは


(眩む・・・ッ!!だが、それでこそ!!!)

オルタは怯まない。臆さない。恐れない。



今持てる力のすべてを。
だからこそ、だからこその証明になる!!!


「ダァッ!!!」

「ハァァッッ!!!」


跳び上がる。
そして、放たれる。


両者ともにライダーキック。
空中で突き進み、そして衝突するアギトとオルタ。


「なっ!?」

だが、オルタと衝突したのはアギト本人ではなかった。


(光の残像!?しかも、こいつ――――!!)

メキィッ、と

静かにめり込む衝撃。
キックをしていたアギトは、アギトではなくその姿をした光の残像。

しかも見て分かる通り、その残像は質量を持つ。
言ってしまえば分身だ。

では、本体はどこに


(下・・・か!?)

否である。


アギトは常に進化する力。
アギトはキックを命中させた残像のそれをさらに飛び越え、オルタに向かって突っ込んできたのだ。

そして、その手には聖剣を握り締めて。



「グォォォォオ!?」

「ハッ――――アァア!!!」

ドシュゥッッ!!!


切り裂かれるオルタ。
ダンッッ!!と強く着地するアギト。

そして、その切り口からアギトの残像が中に侵入し、そのエネルギーを爆発させる。




「あ・・・あぁ・・・・僕の、負けか・・・・・」

カァッ―――!!

「ああ、やっと倒してくれた・・・・やっぱり、人の可能性は、世界は―――――」

ドォォォオオン!!!!


大空洞の天井が、炎に包まれる。
激しい炎の嵐を背に、アギトの輝きが収まっていき、消える頃にはすでに変身は解けていた。



仮面ライダーオルタ、消滅。
彼は彼の正義に基づき、この世界で散った。







to be continued
















仮面ライダーオルタ

闇の力によって生み出された「人間」
当然変身能力あり。

オーヴァーロードの狙いは「人々の悪意に負けぬ強い存在」を作ろうとし人間の情報を吸い上げ注入、抵抗力を上げようとしたが、悪意の強さに抵抗し切れず飲まれる。
最終的に本人曰く「悪意のほうが多い(強い)じゃないか」とのこと。


使用武器はなく、徒手空拳での戦闘を行う。
フォームは特になく、アギトの金の部分が黒に、逆に他が金になっているカラーリング。

必殺技は、アギトと同じくライダーキック。


弱気な口調だった彼だが、アギトとギルスを撃退し自信をつけ、さらに悪意に染まるにつれて尊大な口ぶりになっていく。

ひたすら「悪」という存在を追い続け、ついには冬木大聖杯のアヴェンジャーへと行きつく。
それを吸い上げ、オルタはついにヴェノムフォームからアヴェンジフォームへと進化を遂げた。



「あ、あの・・・僕が悪いなら、勝って見せてください・・・」

「あれ。正しいものが残るこの世界で、僕が勝ちましたよね?」

「貴様らは勝てなかった。即ち、生き残るこの力のほうが正しいことの証明!!」


「悪は弱い」ということを証明するために倒されることを望みながら、その力に振り回されてしまった存在。
彼もまた人々の悪意の被害者であるといえるのだろう。


「ああ、やっと倒してくれた・・・・やっぱり、人の可能性は―――――」


 
 

 
後書き
いやぁ、こういうのあんまりしないんですけどね!!
仮面ライダーアギト スパーキングフォーム!!


オリジナルフォームです、ええ。
輝きを超えた煌き、という奴ですね。

別案だと

栄光の輝き(グロウリーフォーム)

とか考えてたんですけど、こっちにしました。
もう絶対無敵なフォームですよ。限りなく神に近いです。


オレンジ
「呼んだ?」

呼んでねぇ。まだな。


ちなみに描写してないですけど、このアギト空飛びます。
アギトの紋章みたいな形の翼背負って、戦闘機みたいに。

流石はドラゴンライダー!!


ブドウ
「呼んだ?」

呼んでねぇ。まだだ。



にしても聖剣武器にするとかマジパネッす!!
ただ、セイバーが近くにいないとこのフォームなれないから今回限りですね。

劇場版限定みたいな!!
さすがは


メロン
「呼んだか?」

主任だ!!
・・・言わせんな!!呼んでねぇって!!


バナナ
「呼べ」

命令口調来ちゃった!!
いやだからまだいいって言ってんだろ!!いい加減にしろ!!


てことでこの辺で。
オルタの初期案を乗っけて行きますので。

初期だから!!今と違うのは大目に見て!!






さて、次回は?


「次回。バイオリンの素材どこかにないかな~っと」

ではまた次回

 
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