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ようこそ夢見学園へ

作者:寒元毬藻
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第Ⅴ章 尼子ちゃんの真実

俺は、幣 陵駕。今、夢見学園初の中間考査に慌てている。国語は現代文に古文、さらには中国語も入っている。
数学では、関数に、乗除演算等も含まれる。5%2=ってやつだ。
英語は謎の用語で(プログラミング用語等)で、理科はあるものを別の物体にかえる薬の仕組みについて。社会ではゲーム機の歴史であった。夢見学園ならではの範囲である。当然、俺は、なにもできなかった。そう、落ち込んで、靴を履いていると、後ろから
「今日もホールの裏に来て♥」
と、いう聞き覚えのある声が聞こえた。それは、尼子ちゃんであった。俺は、照れ臭そうにしながら、返事をした。そして、ホールの裏にいった。


「やっぱり思うんだけど、あなたやっぱし、私のこと大大大好きでしょ!」
と、尼子ちゃんは言ってきた。俺は、大声で
「ハッ!チゲーに決まってるだろ!」
と、言った。しかし、尼子ちゃんはそれを信じる様子はなく、話を進めていった。
「私のこと、どーせおとなくしてボケーッとしてるやつだと思ってるでしょ?」
ここで、うなずいたら、尼子ちゃんはショック受けてしまうと思って、俺は、格好をつけて
「思ってねーよ」
と、言った。しかし、それも尼子ちゃんは信じず、
「嘘だ。かっこつけんな!」
と、言われてしまった。逃げ先を失った俺は、
「思っています。」
と、言うはめになった。すると、尼子ちゃんは笑顔で
「やっぱりそうだと思ったんだ~。じゃー、見せてあげるから体育館に来てね。」
と、言って俺を体育館に連れていった。
体育館に入ると、1つバスケットボールが落ちていた。それを尼子ちゃんは拾って壁に向けて投げた。すると、なんということでしょう。ボールが跳ね返って、見事真後ろのかごに入ったではありませんか。俺は、言葉を失った。そんな、俺をみて尼子ちゃんは
「あと、いつもおとなしくしてるのは、あいつ(善光)めんどいから。」
と、言った。その後、俺を追い込むようにして、
「もう、私のこと甘くみれないわね♥
顔や身長で人はわからないってことねw」
と、言った。俺は、しばらく硬直してしまったのだった。


次の日。俺は、どのように生きていけば良いのかわからなくなったような顔で歩いていた。すると、正良がいつものように
「よー陵駕!上手くやっているか?」
と、訪ねた。俺は、別に。と、言ってその場を去ろうとしたとき、野本先生が
「なんか隠してますね!」
と、俺の心を読んだよな発言をしてきたので、俺は、慌てて
「ちょっとテスト勉強が難しくてよぉ」
お、言った。しかし、誰も聞く耳を持たず、
「また尼子のことか~~告白すれば?」
「それな」
と、二人は勝手に話を薦めだした。俺は、
「勝手に決めるなー!」
と、叫んだ。しかし、友達告白くらいならしてみようかな?という気分になった。と、いうことで、昼休みに友達告白に挑戦することを決心した。


昼休み。柱の裏で、タイミングを見計らっていた。すると、それに尼子ちゃんは気がつき、
「何見てるの?陵駕くん?」
と、声をかけてきた。俺は、慌てて
「な・何もしてねーよ!」
と、言った。野本先生と正良は嫌らしい目で俺のことを見ていた。そして、尼子ちゃんは言った。
「どーせ、私のこと見てたんでしょ?」
俺は、違う・・・と、必死に言うしかなかった。しかし、尼子ちゃんの暴走は止まらず、
「どーせ、あなたのしたいことはお見通し。どーせ告白やらどんなやら~」
と、言ってきた。俺は、敵わない相手だと認識した。すると、尼子ちゃんは
「どーせ私とお友だちになりたいんでしょ!」
と、言ってきた。実際そうだったが、そう!なんて、言ったら気持ち悪がられるかもしれないと思い、
「ナワケナイヨー」
と、言った。しかし、尼子ちゃんは聞く耳を持たず、去っていった。尼子ちゃんは俺を馬鹿にしているようだった。しかし、俺は呼吸困難になっていたため、気がつく程の余裕がなかった。


寮へ帰ると、一通の手紙が届いていた。その手紙には
「明日は休業日♥だからAM.9:00に講堂の裏に来てね♥貴方のだーいすきな人より♥」
と、書かれていた。俺は、行こうか行かないか迷っていた。すると、三仏先輩が寄ってきてこう言った。
「恋の悩みなら俺に任せろ。」
そういって、化館に教えてないとっておきなやつを教えようとしてくれた。しかし、名前を言えと言われた。言うのは恥ずかしかったけど三仏先輩は素晴らしい先輩だったので、立石尼子ちゃんが好きだということを正直に伝えた。三仏先輩の顔は真面目な顔から笑い顔に変わり、
「あ~あのチビ!障害もってるやつね。」と、言ってきた。俺は、腹をたてて
「それはどういうことだ(怒)」
と、先輩に怒りつけた。その様子をみて先輩は真面目な顔に戻し、
「知らなかったのか。あいつがもってたこと。好きなのに。」
と、言ってきた。俺は、先輩から説明を受けた。尼子ちゃんは小人症という病気を持っていて、小人症とは成長ホルモンの分泌不足が関係しているらしい。俺は、信じたくなかった。しかし、身長は130cmも超えてるのか超えてないのかわからないくらいで、幼い顔であった。信じるしかないのかもしれない。


次の日。どうも、昨日先輩が言ってたことが衝撃的過ぎて頭の中で渦を巻いていた。しかし、尼子ちゃんに誘われていたので一応行くことにした。尼子ちゃんより早くくることができた。その間もずっとどう対応すれば良いのか考えていた。すると、尼子ちゃんはやって来た。尼子ちゃんは俺からみて右側を結っていた。また、雰囲気が違って可愛いなぁと、思った。
「で、今回貴方を呼んだ理由なんだけど、昨日友達がどうたらこうたら言ってたけど正直の話。私・・・」
俺は、もう、別れを言われるのだと思った。しかし、尼子ちゃんは笑顔で
「ずっと友達だと思ってたよ♥」
と、言ってくれた。俺は、今まで心にまとわりついていたセメントで固く固められてきたものが割れてなくなったかのような気分になった。そんな、俺に尼子ちゃんはいつも、隠していることを言ってほしいと、お願いしてきた。俺は、正直に謝りながら、一目惚れしてしまったことを伝えた。すると、尼子ちゃんは俺の前で涙を流した。凄く嬉しかったらしい。何故、嬉しかったのか。それは、いつも尼子ちゃんは、小さいことでいじめられていた。死にたいくらい辛かったらしい。しかし、この俺、陵駕だけはひどいことをせず、本気で尼子を愛してくれた。それが、嬉しかったらしい。尼子ちゃんはハグでもキスでも彼女でもなんでもすると言ってきた。俺は、断ってしまったが、友達になってほしいということだけを伝えた。尼子ちゃんは快く友達になってくれた。俺は、今、一番幸せだなぁと思うのであった。

 
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