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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第七章 C.D.の計略
  12月/大晦日


『テンドウ・マイ・フレンド』

デデーン『全員、アウトー』


「ひでぇ」

テレビから流れる毎年年末恒例行事の番組の再放送を見ながら、蒔風がケタケタと笑っていた。
ヴィヴィオと一緒にこたつに入り、なんとなしに眺めていたのだがやはり面白い。


「もー!舜君、いいからいろいろ手伝ってよ!!」

「ダメだぁー。こたつの魔力と、膝の上のヴィヴィオが寝ちゃってうーごーけーなーいーのーだー」

すでに時間はお昼過ぎ。
後は年越しそばを食べるだけにしたいがため、水回りの掃除を終わらせたいなのは。

しかし、肝心のこの二人はこんな調子である。
なのはがかわいそうである。


「舜く~ん?」

「あー、おけおけ。今何とか身体をずらすから・・・・っと」

「やっと出てきてくれた~」

「おう。で?何する?」

「洗濯物の取り込んで畳んで~。お布団とかも干しちゃってるからよろしく~」

「りょーかい」

「後はお風呂掃除。それからレイジングハートとクリスのメンテナンスもね」

「とか言いながら何でなのははこたつにイン?」


「あぁ~だめだ~。こたつの魔力に捕まったぁ~」

「・・・・・ブーメランか」

「♪~」

「わぁーったよ、やるよ。あとごめん」

「よろしい」ムフー


攻守交替。
今度は蒔風が主夫の番。


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「絶対に笑ってはいけない仮面ライダー24時!?」

「ああ。今回は、お話をいただいてな。どういうものか、今からやってみることにした」

「でも・・・みんな素顔で?」

「いや、変身してだ」


《変身!!》


『・・・・・・』


「ちょ、これみんな笑ったか判断できないですよ!!」

「一人を除いてな」

デデーン《ライダーマン、アウトー》

「これ俺すごく不利ダッ!?」


「変身はなしだな」

「最初に気付きましょうよ・・・・」


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「ふんふんふ~ん♪」

「やっぱ楽しそうだよな、お前」

「そう?そう見える?んふふ~」

翼刀と唯子の家。
そのキッチンで、唯子がニマニマと笑って翼刀を眺めていた。

正確にはキッチンで作業中の翼刀を、吹き抜けでつながってるリビングから唯子が眺めている状況だ。

キッチンの翼刀は、三角巾にエプロン着用で、ずらりと並んだボウルや器具を駆使してチャカチャカかきまぜたり、こねまわしたりしていた。
それを眺める唯子は、顎に手を当て、肘で支えながらその翼刀を眺めている。


はたから見ると、唯子の顔のだらしなさは「それでいいのか女子」と言われてしまいそうなものだが。

「ってか年越しそばのほうは準備出来てんのか?」

「だいじょーぶだいじょーぶ!茹でるだけだから!!」

「職人が聞いたら文句言いたくなるだろうな、その言葉」

作業を続けながら、翼刀がぼやく。
何はともあれ、楽しい年越しにしたい。



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「変身を解いて、バスに乗ったはいいが・・・・」

「これ、どこに向かってるんでしょうね?」

「ていうか最終的にやっぱり五人・・・・」

「最初に全員揃った意味とはいったい・・・・」

「ほらそこ、ぼやかないで!!点呼取るから返事してねー」

書類パラパラ


「本郷さん」

「はい」

「山本さん」

「オレだ」

「五代さん」

「あ、はいはい!」

「城戸さん」

「あい」

「たっくん」

「おい」


「初めましての人もいますね!僕、クリーニング店経営の菊池啓太郎です!!たっくんの友達です!!」

「おい司会、たっくんやめろ」

「えっとですね。これから皆さんに向かってもらうのは」

「聞けよ!!」


「向かってもらっているのは、ショッカー秘密アジト跡地・・・だそうです!!」

「えっ」

「えっ」

「えっ」

「あっはっは!懐かしいな!!」

「「「えっ!?」」」

デデーン《本郷、アウトー》

「おや、笑ってはいけないんだったな」

「てか軽い・・・」

「40年以上もたてば、つらい話も笑い話にできる。ま、自分に関しての物だけだがね」

「おぉう・・・含蓄のある・・・・」

「ってかおしおきの人は・・・・」


「うっす!!本郷さん、胸・・・じゃなくて、尻を借ります!!」

「おお如月君・・・というかフォーゼ?」

「ライダー電気ショッーク!!」スパーン!!

「ヴオ゛ウッ!?」

「失礼しゃすた!!」


「い、意外と淡白に去っていったな・・・あいつ」

「な、なかなか厳しい・・・・一撃だったな・・・・」



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「もーいーくつねーるーとー。おーしょーおーがーつー♪」

「明日なんだから、もう何度も寝ないでしょ?」

「ほーむーらぁ~。こういうのは雰囲気なんだよ雰囲気!!」

「そんな子供みたいなこと」


ガチャ

「ただいま~」

「あ、マミさんたちお帰り~」

「ったく、なんで今日までにそば買っとかなかったんだよ!!」

「しょうがないよ~。間に合ったんだからいいでしょ?」

「まあそうだけどよ・・・・う~さぶさぶ」

「あ、杏子ちゃんずるい!!私もこたつ入る~!!」






「・・・・もーいーくつねーるーとー」

「はあ、佐倉さん、あなたまで」

「おーしょーおーがーつー♪」


「ぅ・・・」

「ほらほらほむら~。まどかも歌いだしたけど~?」



(まあこうなったら乗るしかないねぇ・・・・)

(くっ!美樹さんのドヤ顔がムカつく・・・・!!)



「お、お正月には~」

「凧あげて~」

「コーマを回して」

「コマサンダー!!!」

「何でよ!!なんでそこでコマサンダーなのよ!!!」



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「さて、ショッカー元アジトについたな」

「ふう」

「あれから何度も妨害にあったな」

「一条さんが飛び出してきたときはビビりましたもん」




「まあ終わったことだし。振り返ると思い出し笑いを」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・ごだーい」

「プっ」

デデーン《城戸、アウトー》


「巧お前何やってんだイダァッッ!!」

「フフッ」

デデーン《本郷、アウトー》

「し、しまウがぁっ!!」



「き、城戸を笑わせるのはよそうか・・・」

「あの人、いちいちリアクション大きすぎるから・・・フゥーふぅー」深呼吸



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「これが地球の年越しですか?シンク」

「そうだよ。お寺に行って、鐘を突くんだ。姫様やエクレは初めてだし、寒いから気を付けてね」

「ふむ。こちらの風習のようだな」

「お寺というのはあれですな~。風月庵と同じ感じがするでござるな」

「あそこらへん、日本の風習っぽいもんね」


「ベッキー。どうして鐘を突くのですか?」

「え、えっとね・・・・確か、煩悩が108あって、それを鐘の音で祓う・・・だったような」

「なんだ。自分の世界の風習もわかってないのか?」

「うぅ~。だって国ごとで違うし!!」

「しかしベッキーはこの国の人間だろう?」

「そうだけど~」

「あはは。このままだと、エクレや姫様のほうが、こっちの風習に詳しくなりそうだね!!」



「ガレットの姉弟は、ナナミ殿のいるロンドンでござるか」

「あっちも楽しくやってるといいね~」


~~~~~

「ほらみんな!!外の明かりがきれいだよ!!花火とかもあるよ!!」

「ま、待ってくれ・・・」

「さ、さすがに紅茶を飲みすぎたのじゃ・・・・」

「もう!!これくらいでへばっちゃって!!外で何か食べるんだから!!」

「「メシか!!」」

「うん!!(ここでは比較的)おいしいお店を紹介するね!!」

「「(ナナミおすすめのとっても)おいしいお店か!!」」


~~~~~


ピリリリリリ
ピリリリリリ
ピリリリリリ

ガチャ

「はい、イズミですけど」

『し、シンクか・・・?』

「ガウル?そっちはロンドンだっけ?」

『・・・・吐く』

「えっ」

『うb』

ピッ


「どうしたの?」

「あ、ベッキー。ロンドンから、ガウルの・・・・」

「・・・・ああ。わかったわ」

「うん」

「シンクー!行きましょうです~」

「おっけー!」


------------------------------------------------------------



「な、なんてこったぁ・・・・」

「バカ真人。お前のせいで撞木(鐘を突く丸太)を吊っていた縄が千切れて折れてしまったじゃないか」

「俺じゃないですー!謙吾だって一緒に突いたろーが!お前のせいだっつーの!!」

「ほぅ。つまりあの頑丈で普通は千切れそうもない縄を千切ったのは、お前の筋肉ではなく、俺の筋肉ということでいいのだな?」

「あぁん!?お前の筋肉でそんなことができるわけねーだろーが!!俺の筋肉さんがやったんだよ!!」

「じゃあお前のせいだな」

「あ?・・・・・あっ!!ちょっと待て!!そうじゃない!!謙吾お前ずっりーぞ!!」




「ふむ、年越しまであと三時間。まだ住職も誰も気づいていないようだな」

「わふ。それまでに何とかしないとですねっ」

「う~ん・・・・何か代わりの木があればなぁ」

「のこぎりがあれば、はるちんそこらの木をバッサリといけますヨ!!」

「っていうか・・・全員私に引っ付くなぁ~・・・・」

「「「「だって鈴ちゃん(くん/さん)あったかいし」」」」

「うにゃぁ~!!」



「恭介。どうする?直す?」

「理樹の力で直してもいいと思うなら、それでも俺はいいけどな」

「うーん・・・でもそれだと真人の反省にならないし」

「そうだな・・・」

「あ、そうだ。じゃあさ」


~~~~~



「さっぶ」

「こらキョン!!そんな情けないこと言わないの!!」

「てか何で・・・・年越しまで2時間半もあるのに鐘突かなきゃならんのだ」

「バカねーキョン。あんた、今まで鐘突きに来たことある?」

「ない。お前は?」

「だからこそ、私たちは今まで生きてきた何年間分の煩悩を払わないといけないの!!」

「あ、無視しやがったなコノヤロー。っていうかそれ何千回叩く気だよ」

「我々の年齢がすでに20近く。かけることの108なので、2160回ですね」

「計算するな」

「でも安心なさい。それだけ積もり積もったものを払えば、今までにないそ清々しい気持ちで新年を迎えることができるはずよ!!」

「だからって、鐘があるところに侵入するなんていいんですかぁ?」

「この敷地の管理人は、他の客に気を取られている。侵入は容易」

「そ、そういうこといってるんじゃないですよぉ・・・・」

「こっちよ!!」

ガサガサ、バッ!!


「到着!!」

「はあ、来ちまった・・・か・・・・」

「お、キョンたちじゃねーか」

「い、井ノ原・・・真人が・・・・」

△ ━
↑ ↑
鐘 真人

「なぜか半裸で全身を伸ばして吊るされて撞木になってるーーー!?」


「真人ー。つらくなったら頭と拳でローテーションして打つんだよー」

「任せとけ!!」


「・・・・キョン」

「なんだ」

「煩悩って・・・なんだろうね」

「とりあえず目の前で吊るされてるあいつのことだ」

「そっかぁ・・・・・」



------------------------------------------------------------



「シロウ・・・・・」

「だめだ」

「し、シロウ!!」

「ダメだセイバー。そばは夜まで待て」

「うぐぐ・・・・で、では今用意しているのは!?」

「これはおせちだからダメ。明日」

「こ、これだけ煌びやかな食材、食品を前に、お預けだというのですか、マスター!!!」

「お預け」

「グズン」



------------------------------------------------------------



「ではライダーの皆さん、パトロールの時間です」

「外か・・・・」

「何があるかわからないから怖い・・・・」

現在罰ゲーム(フォーゼ電気ショックスパーン)数

本郷:3回
山本:4回
五代:3回
城戸:15回
巧:4回

~~~~~


「というかこんな田舎を歩かされて何かあるのか・・・?」

「大根もらいましたよ!!」

「ぶほっ・・・・ご、五代さん!!」

《城戸、アウトー》

「フレンドリーすぎるだろ・・・・」


「見てくださいみなさん!!あそこに変な商店が!!」

「む?なになに・・・・?」

「見えるんですか?」

「この距離ならな。あれは・・・・」




「ふんふんふ~ん」

「おうゴラ!!」

「テメェ誰に断わって店出してんだ!!」

「コレクッテモイイカナ?」

「は?俺はなんかここで店開けって、昨日言われて依頼されただけで」

「これでも喰らえ!!」

「は?なんだこの穀物みたいなの」

「コレクッテモイイカナ?」

カー!カー!

「うわ、なんだこのカラス!!すげえ多い!!てかいたい!!た、タス、助け・・・・ばあちゃーん!!!」





「・・・・・マヨネーズ屋さんがやられた」

「え!?」

「っていうかあれって・・・・え!?」


「おばあちゃんがいっていた・・・・結合はいつも突然だって、な」



------------------------------------------------------------



「ふう・・・もう年の瀬ですね」

「ああ。だから公務も」

「それはそれです聖上」

「うぐ・・・・」

「そういうのであれば、もっと早くから本気を出して取り組むべきでしたと私は何度も何度もご忠告をですね」

「わかった。わかったからもうやめてくれ・・・・」



「まったく。公務に全く使えないオボロまで投下しているのです。意地でも今年中に終わらせていただかなければなりません」

「やべぇよ・・・・ベナウィ。この書類わかんねぇ・・・・」

「ああ、そちらは経理のほうでしたか。すみません。ではこちらを。引き算さえできれば大丈夫な書類なので。時に」

「なんだ?」

「100引くことの33は?」

「77!!」

「・・・・・お茶くみをお願いします」




「は、早く終わらせてゆっくりしたいものだ・・・・」


<あはははは、面白いねー!!

<こたつ・・・ぬくぬく・・・

「べ、ベナウィ!!せめて向こうの音が聞こえないように」

「こうすれば早く終わらせたくなるでしょう?」

「ぬ・・・ぬぅぁあぁあああ!!」ガリガリガリ!!!

「スピード0.13倍増し。何とか終わりそうですね」

「これでッ!!元日ぐらいはのんびりッ・・・・」

「いえ。各国への挨拶回りもありますので、即座に移動することになります」


「エルルゥー!!アルルゥー!!助けてくれぇー!!!」



------------------------------------------------------------


『さあ、カウントダウンに入りますよー!!!』

『ゲストの「EARTH」副局長さんも一緒に!!!』

『3!』『2!!』『1!!!』

『ショータイム!!!』


《ハッピー、ニューイヤァァアアアアアアアアアア!!!》



「翼刀!!新年あけましておめでとう!!」

「おめでとう。んで唯子」

「はい!!」ピシィ!!

「誕生日おめでとう!!」

「わーい!!!」


to be continued
 
 

 
後書き


・・・・・あれ!?
お、お前らいつの間に結合してたの!?

みたいな大晦日話。
大晦日というより、元日前夜みたいな感じですね。


そして明かされる唯子の誕生日。


ちなみにほかの主要キャラの誕生日をたった今、てきとーに考えました。
聞いてください。

蒔風舜、ショウ
・8月6日

鉄翼刀
・9月13日

綺堂唯子
・1月1日

アリス
・4月28日(ということにしている)


・10月18日(ということにしている)

長岡ユキ
・4月1日


今考えたから「やべえイベントとやってない!!」っていうのもある。
でも私は謝らない。

過去に誕生日の話題ってありましたっけ?
もしそれとずれてたら、お知らせください。お願いします(訳:今から全話探すのめんどくさい)

アリスの誕生日だけは、理由があって選びました。
さて、何の日でしょうね?

ちなみにロンドンの年越しに関しては、ウィキ以上の知識はないので完全に知ったかです。
後は「紅茶」と「メシ●ズ」という定番ネタで攻めました。

もし違ったら教えてください。
よろしくネー。






てなわけで次回は元日。
元旦って言っちゃいそうになるけど、それは「初日の出」って意味なんだよ!!

蒔風
「祝日を答えよ、って時に元旦と言ってしまう罠」



ではまた次回 
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