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演劇やってたら魔王になっちゃいました!

作者:ユウスケ
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5話 魔王のお家に訪問 前

アロウン視点

「猪の神獣が出た?」

「ええ、でもすぐに消えたらしいわ……神と共に…ね」

エリカを部屋に招きいれ、どうしたのかと聞くとイタリアの上空に
神獣が現れたのを鉢合わせたガウルという赤銅黒十字の騎士が電話で報告してきたらしい。
よし、逃げよう!神となんか関わってたまるか!
そう、決心した時だった。

ピンポーン!

「あら?こんな時にお客様?」

インターホンの音が訪問者の存在を告げる。
おいおい、こんな時になんだよ。
俺はこれから持てる限りの金を持って逃げようとしてんだよ?
空気読めよ。
突然の来訪者に軽い苛立ちを覚えつつ、客の顔を見に一階の玄関にエリカと
共に向かう。

「あら、お客様はどうしたのアリアンナ?」

「お客様はどうやらルクレチア様に用があったようなので現在居間でルクレチア様と
会談しております。」

階段を降り終ると、アリアンナが居間がある廊下の曲がり角から姿を現した。
アリアンナの姿を見たエリカが声を掛け客はどうしたのかと質問し、
答えるアリアンナ。
どうやら客は俺にではなくルクレチアに用があるらしい。
だったら、俺はさっさと国外逃亡を……

「あと、お客様と一緒にガウルさんが来ています。」

「ガウルが?まつろわぬ神の情報でも掴んだのかしら?
…まあいいわ、アロウン早く行きましょ」

しようとしたらガッチリと腕をホールドされました。
おっぱいが気持ちぃ……。
エリカの強い暗示にかかった俺は、ホールドされたまま居間に入った。
本当は逃げ出したかったのだが暗示のせいではしかたがない。
逃亡はお客の相手が終わってからにしよう。
決して、腕にある二つのお饅頭の感触を長く楽しみたいなんて思っていない。
思っていないと言ったら、思っていないんだ!!



草薙 護堂視点


猪が竜巻のようなものに飲まれて消えた後。
俺は筋肉隆々の漢、ガウルのおっさんと再会した。

「おい、小僧。魔道書の届け先はルクレチアで間違いないんだろうな?」

「あ…ああ、間違いない。ちゃんとメモ用紙に書いてあるし……」

再開した俺達はお互いに自己紹介をして、石版もしくはおっさん曰く魔道書
の届け先を聞いて来たので答えたら、嘘は許さないぞと言う表情で俺に
確認をする。
それに対して俺は、爺さんから貰ったメモ用紙を確認して間違いが無い事を
伝えるが……。

「何てこった。よりにもよって……」

おっさんは凄……いや、とてつもなく嫌な顔をしている。
ルクレチアさんと知り合いなのだろうか?
そんな疑問を抱いているとおっさんはこれから戦争に行くような決死の表情になった。

「……小僧。俺が届け先まで案内してやる」

「いいけど……何で?」

ついさっきまで渡せと言っていたおっさんだったが、急に意見を180度変えて
俺に協力すると言ってきた。
協力はありがたいと思うが、おっさんの態度が変わったことに疑問が尽きない。
だから俺は、理由を聞いてみた。

「状況が状況だ、行きながら話すが問題ないな?」

「…わかった」

……。







「まず、俺の所属している魔術結社、赤銅黒十字の上司がそこに居るからと言うのが理由の
一つだ」

「上司?」

あれから俺はおっさんの車に乗せてもらい目的地に向かっている。
その中で、おっさんが俺に協力する理由を話してくれる。

「そう、上司には現状を報告しといたが、今後どうすればいいのか指示を貰いにいく」

「そうか……でもなんであんなに嫌そうな顔をしてたんだよ。その上司が苦手なのか?」

そうだとしたら少し怖い。
あの非常識な猪に立ち向かって行った、おっさんが怖がるような上司…
どうしても世紀末に出てくる拳の王みたいな漢しか想像できない。

「いや、べつに上司は怖くねーよ、むしろ美人で目の保養になる。」

よかった。どうやら世紀末覇者の上司ではなさそうだ。
正直とても安心した。

「だがな、その上司の傍にいる男はとんでもなくヤバイ」

「ヤバイって……何者なんだよその男?」

おっさんは俺をミラー越しに俺を見て、ゆっくりと口を開いた。

「カンピオーネ。人類最強の大魔王様だよ」

拝啓、お母様に何所にいるかわからない、ろくでなしのお父様。
どうやら俺は、神様?の次に大魔王に会うことになりそうです……。

「ほら、見えてきたぞ小僧。あれが魔王の根城だ」

車が一軒の屋敷の前に止まり、おっさんが屋敷に指をさして
教えてくれるが……。

「何所が魔王の根城だよ、どうみても普通の屋敷にしか見えないぞ。
後、おっさん!俺は小僧じゃなくて草薙 護堂だ!」

「俺はまだ20代だ!おっさん言うな!!」



20代!!?


 
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