| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六章 Perfect Breaker
  現る巨大戦力


いままでのあらすじ


倒せども倒せども、次々に出現するサーヴァント。
「EARTH」はそれに対し、総力を以って当たっていく。


セイバー、ランサーとがついに倒れるも、撃破に対して比例以上の損耗を強いられることになる「EARTH」。

そんな中、新たにキャスター:プレシア・テスタロッサが、二人の娘の前に姿を現した。



------------------------------------------------------------



「ごめんなさいね、二人とも。手加減をすることもできそうにないわ」

二人の上空に立つプレシアが、抵抗のためか身体を振るわせている。
娘たちに危険な男と戦わせないためにしようとする彼女だが、手加減しようと思ってもできないらしい。

令呪の縛りがそれを許さない。もしかしたら大けがをさせてしまうかもしれない。
それが、何より一番怖かった。



「アリシア・・・・」

「うん?」

「ちょっと無茶なこと考えたんだけど・・・・」

「へぇ?多分、それ私も考えたよ」

「そう?」

「とーぜん。姉妹だし♪」


少しだけ、悲しそうな顔をするプレシア。
やはり自分は、こんな形でないと娘と触れ合えないようになってしまったのか。

その彼女の元へと高度を上げながら、スバルとエリオに通信を入れる二人。
それを聞き、二人は心配しながらもその場を後にする。


プレシアの事件のことは、エリオもスバルも話に聞いている。
ならば、手出しすることなどできるはずもない。


「母さん」

「・・・なにかしら?」

「変に手加減、しないでいいよ?」

「そうそう。母さんが全力出しても、私たち二人ならよゆーよゆー♪」

「あら・・・そうかしら?」

「これでも管理局ではS+ランクなんだよ?」

「母さんなんて楽勝楽勝!!」

「だから・・・すぐに、解放してあげるから!!」

「ちょっと目を閉じてて。そうすれば、終わるからね!!」

ガシャッ!!と、二本のバルディッシュが形状を変化し、それぞれの手の中に収まっていく。

フェイトのバルディッシュ・アサルトは、魔力ワイヤーで繋がった二刀のブレード。
アリシアのバルディッシュ・ウイングは、ブースターのついた大剣。

大気を踏みしめ、仮に大地であったならジャリ、とにじり寄る体勢。


その二人の姿を見て、プレシアは笑った。
そして、身体の力を抜く。


「・・・・そうね。じゃあ・・・・少し見せてもらおうかしら?」

「「任せて!!」」

ビシャァッッ!!


瞬間、雷鳴が轟き、雷が天を奔った。

紫電の雷撃は二人の元へと走駆し、そして次第に空一面を雷で覆い尽くした。



------------------------------------------------------------



仮面ライダーWとの戦闘を終え、踵を返したスカル。
たとえ令呪ではっきりと言われたわけではなくとも、セルトマンへの戦闘の意志を持つだけで身体が軋んでくる。


倒れる翔太郎に背を向け、達者でな、と手を振りその場を去って行こうとする。

だが


『そいつはちょいと早いぜ?おやっさん!!』

「!!!」

背後からの声に、驚愕するスカル。
しかし、そこには倒れている翔太郎しかいない。

そして腰のベルトには、ジョーカーのメモリすら入っていない・・・・・


《ショルダーファング!!》

「!? ム、グッッ!!!」

その瞬間、どこからか飛来してきた刃が、スカルの背を直撃した。
だが、それでも触れた瞬間に身体を倒し、最悪の直撃を避けたのはさすがというところだ。


その後も旋回し、自分の周囲を回って攻撃してくるその謎の刃を弾き、ついに落したところで別の音声が聞こえてきた。

《アームファング!》

「『だぁらぁ!!』」

「グォッ!?」


再び背後からの声。
ここまですれば、すでにそれがガイアメモリの音声であることは解っていた。

だが、変身するべき翔太郎は目の前に倒れている。
一体これはどういうことか・・・・・


そう思考しながらも、目の前に現れた別のWに目を細める。

左側はさっきまでと同じ黒。
しかし、反対側が真っ白の姿だ。

一体この姿は・・・・・


「知らないのも無理はない。これはボクを基点として変身するW、ファングジョーカーだからね」

『俺が倒れていると思って、油断したな?おやっさん』

「翔太郎一人を倒して終わるような、僕らはそんな仮面ライダーじゃないのさ」


「・・・相棒か」


『そうさ!!俺たちは』

「ボクたちは・・・・二人で一人の仮面ライダー」

『んで、二人で一人の探偵だ!!』

「『それが、仮面ライダーW!!!』」


たとえ一人が倒れても、もう一人がいる限りは決して倒れぬ不屈の魂。

支えてくれる相棒がいるからこそ、どんな状況でも立ち上がれる。
どんな逆境でも、諦めることなどできないのだ。


それが、このWという存在。


その姿に、かつての相棒に想いを馳せる荘吉。


「そうか・・・・お前らはあの夜から、とっくに俺を越えていたんだな・・・・」

自分は相棒を持ちながら、結局は一人だった。
相棒の苦悩も何も知ることが出来ず、救うこともできずに死なせてしまった男だ。

だが、それを乗り越えて次の世代が自分に変わって街を守ってくれる。


「俺はお役御免だな」

そう帽子を深く被り、ひとりごちるスカル。

先ほどのアームファングは、荘吉の腹部に深く突き刺さっていた。
さらにもう一撃入れさえすれば、スカルは消滅するだろう。

しかし、翔太郎は彼を倒そうとしない。

「どうしたんだい翔太郎?」

『いや・・・倒さなきゃらないのはわかってんだけどよ・・・・』

「・・・・ああ、あのことかい?彼の機動力なら、もう着くころだと思うよ?」


「なにを・・・・?」

ブツブツと二人だけで会話をするW。
それに対し、まだ甘いことを言っているのかとスカルは呆れた。


「どこまでも甘い奴だ・・・・」

『いやその、お、おやっさん!?』


「お前から来ないのなら、俺から行くぞ・・・・・」

《スカル!!マキシマムドライブ!!》


ロストドライバーの腰にスカルメモリを装填し、マキシマムドライブを発動させるスカル。

胸部の肋骨の意匠が開いていき、一気に跳びあがって行く。
そして、そこから出現した骸骨のエネルギーを、右足のキックで蹴り飛ばそうと振り下ろしてくる――――!!


「いくよ翔太郎!!大丈夫だ。彼なら間に合う!!」

『ちッ!!』

ガシュンガシュンガシュン!!
《ファング!!!マキシマムドライブ!!》


スカルが蹴り込んできたエネルギーは、顎を開けてWに喰らいつこうと襲い掛かってくる。

それに向かって、Wは己のマキシマムドライブを叩き込む!!


「『ファングストライザー!!!』」

脚に付いた刃を突き出しながら、回転蹴りを放っていくW。
出現した恐竜の頭部のエネルギーが、骸骨のエネルギー体と衝突。火花を散らして二、三撃ぶつかり合う。


しかし、Wのそれは骸骨を食らいつくし、そしてその先のスカルに、Wの蹴りが炸裂した。


ザキュッッ!!という鋭い音がしてから、スカルが着地して、その後ろにWが降り立つ。

そして


「グゥガッッ!!!」

ババァンッッ!!


胸元から火花を吹き出し、ガクガクと身体が揺れるスカル。
その衝撃に変身も解け、口元から血がツー・・・と垂れ落ちていく。


一方でWも変身を解き、倒れていた翔太郎は身体の痛みにひるみながらも立ち上がり、荘吉の方へと歩み寄る。


「おやっさん!!」

「くる・・・な!!!」

しかし、それは荘吉に止められる。


「勝った奴がすべきなのは、敗者を慰めることじゃねえぜ、翔太郎」

「おやっさん・・・・」


消えゆく荘吉の身体。
このまま消えるのもいい。そう思い始めた彼だが、視界に入ってきたある物の姿に目を見開いた。


「お父さん!!!」

「・・・・亜希子・・・か?」

そこに現れたのは、十数年会っていなかった娘の亜希子だった。
そして、その横にいるのは・・・・・


「おやっさん、報告しなきゃなんねぇ」

「あなたの娘、鳴海亜希子は、すでに結婚して照井亜希子となっている」

「なに!?」

流石の荘吉も、このことには驚いたらしい。
そして、隣の男―――照井竜を睨み付け、今にも消滅してしまう身体で全力疾走して突っ込んでいった。


「あーらら・・・・」

「照井竜。覚悟を決めたまえ」


荘吉は、照井の元へと突進していき拳を握る。
亜希子は父を止めようとするが、照井が制して後ろに回される。

照井は突き出されてきた拳を片手で受け止め、その痛みに顔をわずかにしかませた。


「貴様・・・・亜希子を間違いなく幸せにできるか?」

「俺に質問をするな」

すでに荘吉の半身は消えている。
それでも凄みのある眼差しに、堂々と切り返す照井。

そして

「その質問は、答える迄もないからな」

「・・・・そうか」

そして、鳴海壮吉は消えた。
こうして、残すライダーはあと一人――――――



------------------------------------------------------------



オォオオオオオ―――――――――


「ハァッ・・・ハァッ・・・・ハァッ・・・!!!」

大地に伏せ、血を流して倒れる乾巧は、眼前に歩み寄るカイザを虚ろな眼で眺めていた。


カイザの身体もすでに火花を散らし、片腕は辛うじてつながっているレベルでぶら下がっている状態だ。
ガクガクと揺れながらも、それでも巧へと向かってくるのは、執念か。

エクシードチャージでエネルギーが左拳に溜まって行き、それを振り下ろしていく。

「消え・・・・ろ・・・・!!」

「う・・・・オ ァ!!!」

瞬間、巧は飛び上がった。
全身を灰色の体躯――――ウルフオルフェノクへと変貌させ、その爪で草加の心臓を貫いた。

右頬を掠めて行ったカイザの拳が、チリチリと肌を焼く。
少し灰になって、地面に落ちる。


「この・・・・」

「わかってる」

「・・・・・・ハ、化け物め」


最後まで憎たらしいことしか言わず、草加雅人は消滅した。
そのまま疲労でウルフオルフェノクは地面に倒れ、意識を失った。


「おいいたぞ!!」

「こっちだ!!全身ボロボロじゃねーか・・・・!!」


そして数分後。
巧は発見され、「EARTH」の医務室へと搬送されていった。



------------------------------------------------------------



「ああ、ありがとう・・・・っつぅ・・・だい~ぶ、楽になった」

「良かったぁ。クラウドさんも理樹さんも、基本的には疲労だけなので、大事がなくてよかったです」

「EARTH」(仮)の医務室。
そこで治療や治癒を受けているのは、先の戦いで消耗したメンバーたち。


すでに翼刀も帰ってきており、「EARTH」内部の話を報告していた。


「そうか、親父さんが・・・・」

「はい・・・・」

「・・・・大丈夫か?翼刀」

「・・・・・・」

蒔風の言葉に、押し黙る翼刀。
心配そうな顔をして、更に声をかけようとする蒔風。


だが、その肩をショウが掴んで止めた。


「やめとけよ」

「でも・・・・」

翼刀に聞こえ無いよう、耳元でささやくショウ。
その瞳は、悪戯そうに光っている。

「大丈夫だろ、翼刀は。見てみ?」

「・・・・?」

「あの目、怖気づいてる目じゃねぇよ」

うつむいている翼刀に、視線を移す蒔風。
良く見てみると、その瞳には確かな意思が燃え上がっていた。

なるほど、とため息をつきながら、背を椅子に掛ける蒔風。


窓の外を覗くと、夜の闇の中で、白く存在を際立たせている「EARTH」ビルが。
正確には「EARTH」ビルを包んだ大聖杯だが、やはり苦々しいものがある。


もう二日目が終わる。
このまま夜戦に突入したら、恐らく朝までは戦い通しだろう。

そのためにも、少しでも回復しておかないと―――――


ドンッッッ!!!

「なっ!?」

思考する蒔風の目の前。
「EARTH」ビルから、一つの光が打ち出された。

攻撃か!?なんだ!?とざわめき立つが、蒔風はそれが何だかはっきり見えていた。



「・・・・・また召喚されたか?」

「しかしデカい。今の衝撃なら、相当の・・・・衛星につないでくれ。あれを確認する」

蒔風の呟きに、ショウが応えて確認させる。

ほどなくしてモニターが現れ、映像を送信してきた。
それは、宇宙からの中継映像。


正確には、地球と宇宙の境界。大気圏をちょうど越えた位置。
そこに、巨大な戦艦が浮遊していた。


「あれは・・・・時空管理局の戦艦?」

「アースラと同型みたいやね・・・っていうか・・・・ヤバいで!?あれ!?」

「うぉ!?はやて、いつの間に!?てか近ッ!!」

気付けば背後からヒョコっ、と首を出していた蒔風がひっくり返って驚く。
当の本人は、そんなことはどーでもいいと言い切り、戦艦の説明を始める。


「あの戦艦は、時空管理局艦船エスティアや!!」

「エスティア?聞いたことないな?」

「そらそうやろうな。あれは二十年以上も前に落ちた戦艦や」

「ってことは、召喚されたのは艦長か、ゆかりのある人物か」

「艦長や。この場合、間違いなく」


「・・・・イヤに確証があるのな?」

「そらそうや。だって、あれは・・・・・」


「あれは、クロノ提督の父上の乗っていた船だ」

「なに?」


はやての言葉を引き継ぎ、シグナムが応える。
ゼストとの戦いを終え、腹部に包帯を巻いた、ほとんどさらしの状態でやってきた彼女は苦虫をかみつぶしたかのような表情で話す。


「艦長は、クライド・ハラオウン。我ら夜天の・・・いや、闇の書によって、あの船は落ちたのだ」

「・・・・なるほどね」

「でも、それよりもまずいのは―――――あれがアースラと同型艦、ってことや」

「つまり?」


はやての言葉に、今一つ理解が及ばない蒔風たち。
戦艦ひとつくらいなら、翼人が三人も出向けばいいと考えているのだろう。

だが、次の一言に驚愕し、モニターの映像に戦慄することになる。



「つまり・・・あれはアルカンシェルを撃てる、っちゅーことや」

バッッ!!!と、その言葉を聞いた瞬間、に蒔風が窓から身を乗り出して空を見上げた。

目を凝らすと、小さな光がきらりと光った。



「オイオイマジかよ!?」

「見ろ!!あの戦艦、チャージ始めてんぞ!!!」

冷や汗を流す蒔風と、モニターを見て叫ぶショウ。



アルカンシェルと言えば、簡単に言えば時空破断砲撃だ。
その殲滅力は、軽く大都市一つを消滅させるだけの効果を持つ。


それがもし、この「EARTH」の敷地ごときに放たれでもしたら・・・・・!!!!



「クラウド!!理樹!!あと一刀と観鈴も来い!!行くぞ、翼刀!!!」

「え?」「は?」「ちょ!?」「僕も?」「ってか俺も!?」


蒔風の言葉に、五人はキョトンとした顔をする。
この五人は、アルカンシェルの威力を知らないのだ。

しかしはやてからの簡単な説明を聞いて、流石に顔を青ざめさせ始める。


「ど、どうするんだ!?」

「話聞いてなかったのか?」

軽くうろたえる一同に、蒔風がまだ勝機はあると笑う。
そして、翼刀に肩をかけて挑みかけるように叫んだ。


「いいか?あれは時空破断砲撃だ!!!つまりだ・・・・あとは解るな!?」

「・・・・そうか!!」

「翼刀、お前が要だ。気合い入れてけ!!ショウ!!」

「ああ、俺はここに待機する。何かあったら言え」

「頼む」


そう言って、翼人五人と翼刀は外に出ていく。
モニターから察するに、アルカンシェル発射まであと2分もない。



「チクショウ・・・・なんてもの召喚しやがるんだあのクソ野郎!!」



悪態をつきながらも、六人は揃う。
そして、その翼をはためかせて立ち向かうのだ。



全てを滅する、最強の砲撃に対して。




to be continued
 
 

 
後書き

今回はなのは勢でサーヴァント召喚。
召喚されたのは、ライダー:クライド・ハラオウン

己が戦艦・エスティアと共に散った彼が、宙の先から狙い撃つ!!!


蒔風
「クロちゃん来たら、また親子対決だな?」

翼刀
「でもまずは・・・・そんな砲撃撃ち返せるのか!?」



今回の没案。
プレシアさんの対応として――――


プレシア登場。

戦おうと身構える一同

ブルーシートバサァ!!

「さあ、お話しましょう!!」

みたいな。
戦う気満々なら令呪回避というおバカな理由でひと時の団欒をテスタロッサ親子にプレゼント、という考えでした


フェイト
「それが出来たら、母さん凄すぎだよ・・・・」

アリシア
「ってゆーか、キャラ崩れてるよね?親バカ?」

それが本来の姿だと思ってる。
結局ああなったけど。


おやっさんは結婚報告。
カイザは完全にカマセと化した!!!


「代わりに俺をリタイアさせたけどな」

正直言って、設定上は通常フォームしかないカイザで瀕死にまで追い込むのは不可能に近いです。
ブラスターフォームとか、触れただけで下位のオルフェノクは消滅するんですよ?あのスーツ。

勝てるわけがない。
だがその中で、草加は乾を打倒しきりました。

流石は草加雅人、と言ったところです。
実力で追い込んで、巧にウルフオルフェノクまで引き出させたのはオーガしかいないですからね。

そう考えるとすごい。


翼刀
「次回、対抗!!アルカンシェル」

ショウ
「そして現る、新たなるライダー」

ではまた次回 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧