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オズのジュリア=ジャム

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第十幕その八

「ふやけないで食べられるのよ」
「だから今回の旅では海の幸は控えていこうとですね」 
 ナターシャはジュリアに言われたことを思い出していました。
「お話して実際にそうしていたんですね」
「そうよ、ここで一杯色々なものを食べられるからね」
 まさにそれ故にというのです。
「あえて出さなかったの」
「そして今からですね」
 恵梨香はお店で売られている活きのいい蛸を見ています。
「その海の幸達もですね」
「食べられるわよ」
「勿論たこ焼きもあるからね」
 モジャボロも蛸を見て言います。
「楽しみにしていてね」
「はい、たこ焼き美味しいですよね」
「日本に来てから食べましたけれど」
「あんな食べ方もあるんですね」
「オズの国にもたこ焼きはあってね」
 そしてというのです。
「この国でも食べられるんだ」
「あれも美味しいのよね」
「そうだよね」
 モジャボロはジュリアともお話をしました。
「シンプルだけれどね」
「それだけに味わい深いのよ」
「味が深いっていうか」
 ここでモジャボロが言ったことはといいますと。
「独特なね」
「面白い味よね」
「本当にね」
「癖になる味よね」
「蛸はずっとね」
 それこそとです、モジャボロが言ったことはといいますと。
「食べられるなんて思っていなかったよ」
「そうよね」
「アメリカじゃ食べなかったからね」
「ずっとね」
 それこそというのです。
「お肉は食べてもね」
「海の幸も食べても」
「蛸まではね」
「そうそう、日系人の人が来るまではね」
 アメリカにです。
「蛸を食べることもね」
「なかったから」
「とてもだったよ」
「烏賊にしても食べるなんて想像さえしていなかったわ」
「全く以てね」
「けれど食べてみたら美味しくて」
 そして、です。
「特にたこ焼きはね」
「面白くて独特の味で」
「幾らでも食べられて」
「癖になるね」
「本当にね」
 実際にというのです、そしてです。
 ジュリアはにこにことしてそうしてこう言ったのでした。
「まずは女王さんにお会いして」
「そしてですね」
「そうよ、もうお昼だから」
 それだからというのです。
「皆で食べましょう」
「はい、それじゃあ」
「まずは王宮にね」
 大路を進んでいくとです、その先に一際大きな建物がありました。白い岩で造られていてでした。そのうえで。
 珊瑚や海の様々な宝石に真珠、奇麗な貝殻達でみらびやかに飾られた宮殿が見えてきました。左右対称の形でベルサイユ宮殿みたいな宮殿ですが。
 五人はその宮殿を観てです、思わず目を瞠りました。
「凄いね」
「うん、とんでもなく奇麗だよ」
「海にこんな奇麗な宮殿があるなんて」
「やっぱりオズの国は違うわ」
「海にまでこんな宮殿があるのね」
「そうよ、それがオズの国なのよ」
 ジュリアも五人にお話します。 
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