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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1809話

 
前書き
荒垣が桐条美鶴を呼ぶ時の呼び方が「美鶴」ではなく「桐条」だったので、これまでの話でその辺りを修正しました。 

 
 影時間が終わり、地上に幾つもある店には明かりが戻る。
 勿論日中に比べれば大分人の数は少ないが、それでも道を歩いている者は多い。
 棺から人に戻った事にも気が付かないその様子は、まさに幸せ以外のなにものでもないだろう。
 ……まぁ、普通に考えて自分が棺になっていたなんて事は、とてもではないが考えたくないだろうし。
 ともあれ、現在俺はポロニアンモールにあるビルの屋上にいた。
 盛り場……って表現が正しいのかどうかは分からないが、それでもここはこの辺り一帯で一番栄えている場所だ。
 遊ぶ場所もそれなりにある為、まだ人の姿はある。
 少なくても巌戸台に比べれば多いと言ってもいい。
 だが……それはあくまでも居酒屋、クラブ、風俗といったような店があるからであり、書店やスポーツ店、花屋、喫茶店といったように、日中に開いている店は当然のように閉まっている。
 ……そう、それは例えばアクセサリーを売っているBe blue Vも同様にだ。
 いつもであれば、タルタロスの探索を終えた後は疲れて寝たりするんだが、今日はゆかりが体調不良――怪我や病気ではく、月のもの――の為にタルタロスには挑めない。
 それは今日だけではなく、数日は無理だという話だから、その時間を有効利用しない訳にはいかないだろう。
 そんな訳で、今日という暇な時間を最大限に利用すべく、俺はBe blue Vに向かう事にした。
 勿論こうした時間に行く以上、普通に店に訪れる訳じゃない。
 いや、そもそも閉まってるんだから、普通に買い物は出来ないだろう。
 一応念のために顔を隠すマスクや手袋といったものを身につけ、影に沈み込んでいく。
 そうして姿を現せば、そこは既にBe blue Vの店内だった。
 いや、正確には手だけを影の中から出している状況というのが正しい。
 防犯ベルの類があるのかもしれないが、扉とかには全く触れず……それこそ直接店内に入ってきた俺には全く意味がない。
 一応誰かが来た時の為に気配遮断も使う。
 そして空間倉庫からスライムを伸ばし、店の中を調査していく。
 重量に反応したり、熱に反応したりといった防犯設備の類はないらしい。
 防犯カメラは……あるにはあるが、スライムで覆っても動作音の類は聞こえてこないのを考えると、防犯カメラが動いているのは店が開いているだけか。
 まぁ、防犯カメラだって動かすのには電気代とかそういうのが必要になるしな。
 店の経営を思えば、経費削減はやむを得ない……といったところか。
 ああ、でもこの店は桐条グループと繋がりがあるって話だったし、そっちから援助されていてもおかしくはないな。
 マジックアイテムのアクセサリーの類があるのであれば、影時間とかペルソナとか、その辺から得た技術で独自の防犯体制を敷いている可能性は十分にある。
 そんな心配を抱くも、何かあったらすぐに逃げる事が出来るし……何より、俺の情報――いわゆる指紋とかそういうの――はこの世界にない。
 それどころか、戸籍を探しても俺の場合はない以上、そう簡単に捕まる筈もない。
 ともあれ、スライムで調べたところ特に何か危険な仕掛けの類は存在していなかった。
 その事に満足し、同時に店の中にあるマジックアイテムの類がどこにあるのかも調べると、そこで初めて完全に影の外に出る。
 店で普通に出している品……ショーケースの中に入っているアクセサリーに、マジックアイテムの類はない。
 マジックアイテムがあるのは、店の奥……それも、鍵が掛かっている部屋の中だ。
 この辺りは警戒していたのだろうが、残念ながら幾ら鍵を掛けてもスライムから逃げる事は出来ない。
 そしてスライムがどこに俺の求めている物があるのかを発見すれば、俺も容易にそれを入手出来る。

「ここか。……出来れば、どうやってマジックアイテムを作ってるのかとか、知りたいところなんだけどな」

 実際、この店の店主が桐条グループとの繋がりでマジックアイテムを作るだけの技術を持っているのなら、影時間云々抜きで仲良くなっておきたいと思う。
 もしくは、桐条グループで作ったマジックアイテムの類をここに運び込んできているのかもしれないが。
 その辺りは、俺がすぐに分かる事ではない。
 ……まぁ、荒垣辺りに聞けば分かるかもしれないが、そうなると桐条グループに色々と知られる危険があるしな。
 ともあれ、俺としてはマジックアイテムを得る事が出来れば、それで十分だ。
 鍵の掛かってる部屋の中に、影を使って入る。
 そうして入った場所には、予想通りに幾つかのアクセサリーがあった。
 指輪が二つに腕輪……いや、ブレスレットか? それが5つ。
 残念ながらと言うべきか、ここにあるのはそれぞれが1つずつだけだ。
 出来れば何個か予備が欲しかったんだが。
 そうすれば、ゆかりや荒垣に装備させたのがいざ壊されてもホワイトスターにいる面子への土産として使えたんだし。
 そのことを残念に思いながらも、取りあえず目的の物を入手出来たんだし……と考え、その指輪と腕輪を空間倉庫の中に収納していく。
 勿論このまま帰れば、それは店に対して損害を与えただけになる。
 そうなれば、当然のように誰が盗みに入ったのかを調べるだろう。
 ここで取り扱っていたのがマジックアイテムである以上、警察に頼ったりは出来ないだろうが……いや、桐条グループなら警察と繋がりがあってもおかしくはないのか?
 それでも、普通の宝石店――ここはアクセサリーー屋だが――に対する操作のようには出来ない……と思う。
 もしくは、警察じゃなくて桐条グループから専門の人員を寄越す可能性もあるのか?
 そうなると、感謝の気持ちとして何かを置いていくのは向こうに手掛かりを与える事にもなりかねないが、だからと言ってただ盗んでいくのはちょっとな。
 これが敵対している相手だったら、話は別なんだが……この店で働いているのは、あくまでも普通の人が大半の筈だ。
 桐条グループとの繋がりがある時点で、普通とは言わないのかもしれないが。
 ともあれ、この店で作ったマジックアイテムを貰っていくんだから、相応の謝礼はする必要がある。
 そう判断し、俺が空間倉庫から取り出したのは金の延べ棒。
 言うまでもなく、この世界で入手したものではなく……以前どこぞのテロリストか何かのアジトを襲撃した時に奪った代物だ。
 このアクセサリーを作るのにどのくらいの費用が掛かったのかは分からないが、この金の延べ棒がそれを下回るという事はないだろう。
 本来なら金の延べ棒よりは価値が低い宝石を置いていきたいところなのだが、アパートを借りる時に宝石で支払うという方法を使っている以上、そこから俺に足がつく危険もある。
 ……金の延べ棒と宝石で、どう違うのかと言われれば微妙だが。
 ともあれ、金の延べ棒を置くとそのまま影に沈み、アパートに戻る。

「さて……このアクセサリーがどんな能力を持ってるのか……」

 幸いだったのは、これは店で売られているマジックアイテムのアクセサリーだったという事だ。
 つまり、このマジックアイテムは装着した人物に何らかの力を与えるという事になる。
 その点、タルタロスで入手する宝石とは違う。
 タルタロスの宝石は、味方に対しての補助や回復なのか、それとも敵に対しての攻撃や能力を下げるのか……その辺りの事情を全く知る事が出来ない。
 その辺りの心配がないだけ、これは問題がない。
 そんな訳で、まず最初に指輪を1つ嵌めてみる。
 右手の人差し指に指輪を嵌めるが……

「うん?」

 特にこれといって何がある訳でもない。
 どうなっている? 魔力の類がある以上、マジックアイテムに違いはないと思うんだが。
 一応念の為に自分のステータスを覗いてみるが、特に何も数値に変化はない。
 ……本当にどうなっている?
 首を傾げて身体を動かしてみるが、相変わらず特に何か変化があったという感じはしない。
 疑問を抱きつつ、指輪を外す……も、やっぱり何の変化もない。
 本当に、この指輪は何なんだ? マジックアイテムなんだよな?
 多分マジックアイテムだというのは間違いないと思うんだが、それだけに余計疑問を抱きつつ、テーブルの上に置く。
 そうして次に空間倉庫から取り出したのは、こちらもまた指輪。
 指輪は2個あったので、最初の1個が外れだった以上、出来ればこっちは当たりであって欲しい。
 そう思い……ふと、もしかしたら最初の指は、実はマジックアイテムとして失敗作の指輪だったのでは? と思ってしまう。
 俺に何も変化がなかった以上、その可能性というのは必ずしもゼロではないだろう。
 そんな風に考えながら、もう1つの指輪を嵌めると……

「へぇ」

 いきなりの自分の変化に、思わず声を出す。
 実際、最初の指輪は特にこれといった変化はなかったのだが、この2つ目の指輪はすぐに実感出来る効果があった為だ。
 俺から発せられている魔力が、上がるという変化が。
 一応確認のために自分のステータスを表示すると、SPが1555となっている。
 現在の俺のSPは1415だったのを考えると、140くらい上がっている計算となる。
 つまり、1割。
 ……恐らく、この指輪は使用者の魔力の最大値を1割上げてくれるのだろう。
 この手の何割上げるというアイテムは、元となる数値が大きければ大きい程、その効果は如実になる。
 そもそも、SP140というのは普通ならそれだけで1人前の魔法使いと言えるだけの数値だ。
 加速の消費SPが4……最も高い消費SPを誇る愛ですら48なのを考えると、その愛ですら3回使えるだけの数値なのだから。
 確認のために指輪を外すと、やはり予想通りにSPの数値が1415まで戻った。
 これで決まり、か。
 けど、そうなればもう1つの指輪は……体力、いわゆるHPとかを上げるタイプの代物か?
 勿論それはそれでいいのだが、俺が装備して何の効果も実感出来なかった……ってのは何でだ?
 そう考え、すぐにステータスを見て納得する。
 俺の能力は、良くも悪くもこのステータスに表示されている。
 つまり、俺のステータスにHPという数値が存在しない以上、HPを上げるマジックアイテムを装備しても効果は出ない……といったところか。
 勿論純粋にこっちの指輪が壊れている可能性もあるが……壊れているマジックアイテムを、壊れていない物と一緒に保管しておくというのも、おかしな話だろう。
 ただ……ぶっちゃけ、魔力が上がる指輪は俺が使っても意味がないんだよな。
 俺のスキルには、SPブーストというのがあり、そのスキルはSP回復やSPアップ、消費SPを下げる集中力という能力が混ざっているものだ。
 つまり、そもそも普通に戦っている時点でSPを使い切るという事はまずないと言ってもいい。
 勿論、T-LINKシステムを使ったニーズヘッグで念動力を使ってグレイプニルの糸とかそういうのを使えば、SP消費は激しいが……幸いにもと言うべきか、この世界での戦いは生身の戦いだ。
 そうである以上、俺のSPの心配はする必要がない。
 となると、この指輪は……ペルソナのイオがガルを使う、ゆかりに渡した方がいいだろう。
 ゆかりにとって、ガルの使用回数というのは非常に大きな意味を持つ。
 ……もっとも、恐らくだが装備している者の魔力を1割上げるという効力を持つこの指輪は、今のゆかりにとってはあまり大きな意味を持たないだろうが。
 ゆかりはまだ戦いに身を投じたばかりだ。
 当然ペルソナのレベルとかも、低い筈だろうし。
 ともあれ、これはゆかりが使うとして……他の腕輪はどんな感じだ?
 腕輪の数は、全部で5つ。
 それぞれがどんな効果を発揮するのか。
 指輪は2つだっただけに、腕輪の方はもっと多種多様な効果がある事を期待して、その中の1つを腕に嵌める。
 ……うん? これも効果がないな。
 ステータスを確認しても、特に何かが上がっている訳ではない。
 俺のステータスに対応していない奴なのだろう。
 これは、単純にステータスに対応してないから、実際には能力が上がっても表示されないだけなのか、それともステータスに対応していないから、そもそも効果がないのか。
 その辺り、具体的にどうなるのか……ともあれ、他の腕輪を付けてみれば分かるか。
 そう判断し、次の腕輪を付けるも、こちらも反応なし。
 ……次。
 そして次に付けた腕輪で、ようやく反応があった。
 それは、ステータスの防御の欄。
 そこの数値が315から325に上がっていたのだ。
 なるほど、これは防御力を上げる奴か。
 けど、10……いや、普通に考えれば、10でも凄いんだろうけど。
 そもそも、俺のステータスに対応しているから10上がっただけで、実際にこの世界の人間が使えばどうなるのかは分からないしな。
 その後、残り2つも試すも数値は変わらず……結局俺が使って効果があるのは、防御力を上げる奴だけだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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