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プロポーションの秘密

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第二章

「一日見てみる?」
「そうね、ここはね」
「そうしてみましょう」
「あのスタイルには絶対に秘密あるし」
「ここは見てみましょう」
「陽奈ちゃんの一日」
 こう話してだ、皆で陽奈の暮らしを見ることにした。それで陽奈本人に直接申し出たのだった。
「陽奈ちゃんのスタイルの秘密知りたいから」
「一日一緒にいさせて」
「陽奈ちゃんのお家にお邪魔させてもらって」
「パジャマパーティーもしてね」
 これも目的だった。
「一緒にお風呂も入って」
「それでお喋りもして」
「そのうえでね」
「見させてね」
「また私のスタイルなの」
 陽奈はここでも困った顔で笑って言った。
「だから本当にね」
「何もないの?」
「本当に」
「別に変なことは」
 あくまでこう言う陽奈だった、だが友人達の申し出を断ることなく彼女達を自分の家に招待した。皆お泊りグッズに着替えを持って陽奈の家に行くと。
 そこは古いお寺だった、しかも敷地面積はかなりのものだ。その寺の門のところに来て友人達は唖然となった。
「凄いわね」
「お寺だったの」
「陽奈ちゃんのお家って」
「そうだったの」
「御免、言ってなかったわね」 
 陽奈はその友人達を迎えてこう言った。
「私のお家のことは」
「いや、お寺の娘さんってね」
「ちょっと考えてなかったから」
「びっくりしてるの」
「しかも大きなお寺だし」
「禅宗のお寺でね」
 陽奈は宗派のことも話した。
「お兄ちゃんが継ぐけれど」
「陽奈ちゃんもなの」
「禅宗の修行とかしてるの」
「まあ少しは」
「そういえば部活も」
 ここで友人の一人が言った。
「剣道部だけれど」
「禅宗の修行の一環かしら」
「そうかしら」
「お父さんが好きで」
 陽奈の父がというのだ。
「禅宗の修行にもなるって言ってて」
「ああ、やっぱり」
「それでなのね」
「陽奈ちゃんも剣道してるの」
「そうなの」
「そうだったの、じゃあ入ってね」 
 陽奈は友人達を礼儀正しく迎え入れた、こうして友人達は陽奈の一日を見ることになったがそれは彼女達が全く予想していないものだった。
 まず自分達が起きたというか起こされた時間にびっくりした。
「三時半!?」
「まだ夜じゃない」
「やっと新聞配達の人が来る時間よ」
「夜じゃない」
「うちは禅宗だから」
 起こした陽奈が言ってきた、見れば陽奈の顔はすっきりしていてこの時間に起きることに慣れている感じだ。
「それでなの」
「こんなに早いの」
「お寺とかは朝早いのは知ってたけれど」
「こんなに早いなんて」
「びっくりよ」
「じゃあ今からね」
 陽奈はにこりと笑って友人達に話した。
「座禅組んでお経も詠んでね」
「うわ、まさにお寺」
「この時間に起きて修行なんて」
「もの凄いわね」
 皆驚くばかりだった、そして実際にだった。 
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