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Blue Sea 『空と海の境界線』

作者:03-Moonlight
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Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
  Mission16「交わる考え、思考と『例外』」

 
前書き
ある方を出させていただきました。 

 
謎のウィッチに関しては治療すれば問題ない。それでも問題は装甲空母、大鳳についてだ。
応急修理要員がいれば幸い機関部を応急修理してもらえればいいのだが、それがなければ艦娘に救援信号を出してきてもらう方がよい。

此方が動くのもよいが、照月はあらかた修復が終わったとしてもまだ動かすには心許たない。かといって単艦なのは非常に危険だ。

「そうだな……ウィッチを使って運ぶのは若干難しい気がする。前線部隊からの救援をするしかないだろう。だとすれば……」
セレンはカチカチとキーボードを打ち始め、鎮守府のシステムを利用して近辺の鎮守府を検索している。といっても利用しているシステムはセントアークのものだが。

「一番近くがノースポイントで、一番動けるのが『水雷戦隊の鬼神』が率いるところか……」
ふとセレンが呟く。
「『水雷戦隊の鬼神』?」
「ああ。提督自体は駆逐艦に対しての愛はすごいが、その分水雷戦隊の練度はノースポイント屈指の強さだと言われている。順応力もあることから、そちらに連絡を取って向かってもらった方が早い」

確かにそうだ。応急修理要員をバルクホルンが持って行って大鳳を動かせるようになったところで護衛が少ないのは明確だ。だからと言って曳航をまかせっきりにするわけにもいかない。

「バルクホルン、出撃後通信で来た指定ポイントで鬼神の艦隊と合流、その後大鳳のところまで目指す事にしろ。その方が安全性が高い。そしてもう1つ、ジェットストライカーがこちらに到達した。それを使え」
セレンは手短に説明する。

「了解……だがジェットストライカーの説明は?」
「そんな暇より応急修理要員持って早く出ろ」



「説明を大幅にカットするとは……どういう考えしてるんだ?」
私一人で格納庫まで一気に走る。
今出撃できるのは私くらいだ。一人でも平気で飛べる。

新しい機体を見つけて一気に足を滑り込ませ、魔力を機体に注ぎ込む。
ジェットストライカーながらすぐに機体が起動した。どういう原理なのだろうかは分からない。
どうしてあの問題が起こるのだろうか。いや、戦力を聞いたところ本来はあれでは十分あった、らしい。
だとすれば、空母棲姫にやられたという事だろう。応急修理要員を抱えながらMG42を2丁、肩にかけて離陸する。

新しい機能もいろいろあるとか、エイラ中尉から聞いたわけだが……レーダーたる機能を頭の中で浮かべてみる。頭の中に現在地の情報と周りの地形の情報が送り込まれる。
鮮明にわかるその情報は、同時に集合地点の情報も刷り込まれていた。

機体を加速させながら集合地点まで向かう。
その時確かに感じたのだ。鬼神という言葉に対する焦りを。



同日 ノースポイント・ニューフィールド島 第2鎮守府

……暇だ。
どういうわけか、今日は任務が少ない。定期哨戒を終えた艦娘が交代に入り、哨戒を終えた艦娘はすぐに眠りにつく。そんな中ずっと起きているが、どうにも報告がおかしいのだ。

『意味不明な形状をした偵察機を見つけた』
『謎の残骸を発見した』

こんな報告が多い。その謎の残骸についても調べてみたが何も分からなかった。
深夜ながら熟考を続ける。気分を晴らそうと窓を開けようとしたとき吹雪が目の前に来ていた。
「お茶入れましたよ」
「ありがとう……しかし、どうしてこんな妙なことが多いんだ?」
入れてくれたお茶を啜りながら呟く。
その時、PCに1つメールが届く。その時はいつもの依頼だろう。そう考えて普通に開いた。

「差出人――――――『セレン・ヘイズ』?」
声を出していってしまった。いや、セレン・ヘイズといえば軍の中でも突飛的な存在の持ち主だ。今まで軍の階級を無視できるような存在なのは数少ない。サンド島鎮守府を作ったのも彼女だとは情報筋から手に入れている。

今度の依頼は、少々異常過ぎた。
「『指定ポイントにウィッチと合流後、大破艦の救助』だと……」
今までの依頼の中でもおかしい。いや、それ以前にウィッチという単語に異常を覚えた。艦娘でもない存在。どうしてだ?どうしてこの世界に魔女たる存在がいるのだ?

すぐに鎮守府のデータベースにアクセスする。俺の権限からいえば、一応情報検索は可能だ。即座にサンド島鎮守府のデータにアクセスする。そして、提督含めすべての所属している人の情報を確認した。

「提督が14歳……艦娘はたった2隻、そしてこれは何だ……?」
提督と艦娘、そしてセレン・ヘイズの存在は確認した。そこから下、所属ウィッチに関する情報のデータベースには、自分の権限ですらアクセスは不能だった。
名前には「エイラ・イルマタル・ユーティライネン」と「サーニャ・V・リトヴャク」、そして「坂本美緒」、「宮藤芳佳」、「ペリーヌ・クロステルマン」の存在は確認された。更に2人いたが、名前欄はなく非公式にされていた。
これは権限の問題なのだろうか、はたまたセレンが仕込んだ閲覧システムの改変だろうか。

「戦力を隠し持ってる……とは言い難いな。仕方ない」
吹雪にアイコンタクトでやることを伝えるとマイクに向かって招集をかけた。
「緊急任務、以下の艦娘は集合せよ。吹雪、阿武隈、Saratoga、初風、磯風、白露、舞風。以上の艦娘はブリーフィングルームへ集合せよ」
速攻でマイクを切ると送られてきた合流ポイントの座標を打ち込み、すぐにプリントアウトを行ってブリーフィングルームへと急行する。
実際出撃するのは6人であり、舞風には代理司令官を務めてもらう。


このときまだ、吹雪にですら自分も行くことを伝えていない。


ブリーフィングルーム

「全員揃っているな。今から任務に関しての説明をする」
プロジェクターで資料と同じものを映し出し、鬼神は説明を始める。

「今回の任務は、指定ポイントでウィッチと合流し大破艦の救出――――――大破艦の位置は任務中追って依頼者から転送される。また、ウィッチに関する情報では簡単に表せば艦娘とほぼ同じ存在だと考えてくれ。唯一の相違点とすれば、航空歩兵と分類されるところか」
鬼神は簡素な説明をする。するとSaratogaが質問を鬼神にかける。
「航空歩兵ってことは、私にも着艦できる可能性があるという事ですか?」
「まあ場合によってだな。夜間だとはいえ装甲空母ならできる可能性はある。尤も、そのウィッチが着艦許可を求めるなら、だが」

ウィッチに関して知らないことだらけだ。知るべきだと考える。

「あ、忘れていたが俺も出る。この目で確かめることがあるのだからな」
「「「「「「「え?」」」」」」」

全員が驚きの声を上げる。
「ウィッチはわからない事が多い。それを自分の目で確かめなければ、危険な可能性だってある。それに、奇妙な残骸について分かることがあるかもしれん」
説明すると妙に納得したのか、舞風が手を挙げる。

「代理秘書は?」
「舞風、お前に任せる」

了解、と舞風の返事が返ってくる。返す言葉は特にはない。

「他に問題はないな。よし、舞風は代理秘書の任務を遂行、他は出撃準備」
「「「「「「「了解」」」」」」」

(さて……セレンはウィッチをどう思う、そして、あの提督はどう思う)
正体を知っている2人の事を問いたいと考えながら、出撃ドッグへと急いだ。



0200 装甲空母「大鳳」

「――――――起きてください!」
宮藤は星奈に治療魔法をかけ続ける。彼女は昏睡状態に陥っているが、それでも生命の危機が差し迫ってるに違いない。
引き続き警戒を続けるサーニャとエイラは先ほどから一切も言葉を発さず、真剣な表情を続けている。

(なぜだろう……ここまで嫌な予感がするなんて)

サーニャはそう思いながら警戒を続けていた。しかし、嫌な予感はほぼ的中、いや必然として起こった。

「……なに、この反応」
「どうしたんだ?」
突如現れた反応。無線で聞こえてた他のウィッチも反応する。

「ファーバンティから直線状に『深海棲艦』が来る!」
「何!」
その瞬間、空が赤く染まり始め、そして大鳳から5km先に静止し、それが艦を展開した。

『アラアラ……ドウヤラスコシメンドウナヨウネ』
そう呟くとその深海棲艦は三式弾を乱射、形振り構わず大鳳にもサーニャ達にも容赦なく火炎弾を放つ。
「やらせない!」
宮藤が巨大なシールドを展開し大鳳を守り抜く一方、サーニャ達はどうすればいいか迷っていた。
そもそも、防御力が高すぎてこちらの攻撃が通じないのである。攻撃を通すには装甲を貫通させなければいけないが、今の状況では不可能だ。

誰もが思っていた。この状況が絶望なのだと。




しかし、思いがけないところに『希望』が生まれていることも。







その希望は――――――




××××。






???

「――――――あの『月』は、例外って呼ばれている理由、教えろ」

セレンはある男の眼の前に立って説明を求めている。その男はあの照月を知っている。
それは知らないが、関係者でしかならないその男はこう言い放つ。

「あいつは、何もかもが例外すぎる。生まれた理由すらわかっていない。そして、彼女だけが持っている唯一の例外、それは――――――


―――――――」

「貴様――――――――――――!」

その男は忽然と消え去った。何もかも残さず、履歴すら。



0210 合流ポイント

「何だ……この焦りは、そして照月を見ていて感じてしまう『例外』という扱いがなぜ出てくるんだ……」
(バルクホルン)には確かに感じた。何か、全てが変わっていってしまうような、そんな感覚が。

『鬼神』を待っている間にも、その考えは離れない。 
 

 
後書き
それぞれが動き出す。そして世界は変わっていく。


セレンの昔話を書いてみました。最後はバルクホルンの心情も。 
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