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『Discursive』

作者:零那
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『Door』



走り廻って疲れ果て倒れ込んだ。其処に在ったドア。小さくて真っ暗な部屋の隅っこに君は居た。怯えるように膝抱えて...

君の横に座った僕に何の反応も示さない。此の空間に、同じ空間に居る筈なのに、何故かそうとは思えない。冷えた躰が虚無感を増す。

時間の流れが解らず、君が生きてるかすら自信は無い。僕が立ち上がると、君が服を握った。『行かないで』掠れた声を振り絞る君。

今迄とは違う君が其処に居た。本当に僕に気付いてなかったんだ。今気付いたんだ...。

今から、此処から泣きたいだけ泣こうか。そしたら、ほんの少し顔上げて立ってみよう。とりあえず自然と足が赴く方へ踏み出そう。ドア開けよう?一緒に、ね?


 
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