ヘタリア学園

第八十八話　　ＴＩＣＫＥＴ　ＴＯ　ＬＯＶＥ
　ロシアは何とか準備を終えました。あとはそわそわとドイツに行くことを楽しみにしています。
「ドイツってどんなところなんだろうかな」
　考えていることは実に素朴で子供っぽいです。
「楽しみだなあ」
「頑張って下さいね」
　リトアニアはそんなロシアを応援します。ところが心の中では。
(やった・・・・・・)
　とても喜んでいます。
(やっと明日はこの人から解放されるよ)
　それを心から喜んでいたのです。しかしそうは問屋が卸しません。
「えっ！？」
　今のリトアニアの口での言葉を聞いてロシアは怪訝な顔になるのでした。
「リトアニアも明日ドイツに行くんじゃないの？」
「えーーー、嫌ですよ」
　リトアニアは同行を言われてすぐに嫌そうな顔になりました。
「何かドイツって怖そうじゃないですか」
　それも理由ですが何よりも。学園一怖いこの人から解放されたかったのです。それでこう言ったのですが。
「それに明日はベラルーシとデートしようかなあって」
　これは半分冗談でしたが。それに対するロシアの返しはまさにロシアと言うべきとても怖いものでした。
「よかったね。京発のシベリア行き席空いてるって」
「行かせて下さい・・・・・・」
　こう言われてはどうしようもありません。涙を流しながら答えるリトアニアでした。本当にロシアは怖いです。


第八十八話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００８・３・７