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ドリトル先生と悩める画家

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第十二幕その四

「そうしていったらいいよ」
「わかりました」
「そうしたら冬、そして梅雨もね」
「そうした季節でもですね」
「スランプにはなりにくいよ」
「そうですか」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「君はいつも明るくね」
「描けるんですね」
「そうだよ、ただいつも高いテンションだとね」
「疲れますか」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「休むことも必要だよ」
「よく寝ることですね」
「そうすることも大事だよ」
「わかりました、実はです」
「よく寝ているんだね」
「そうしています」
 こうしたことは忘れていないというのです。
「毎日」
「それは何よりだよ、僕もね」
「よく寝られてますね」
「そうしてるよ。毎日しっかり寝ないと」
「絵を描くどころじゃないですね」
「そう、だからね」
 だからというのです。
「僕もよく寝ているよ」
「それは僕もよく守っています」
「それは何よりだよ」
「寝ているから体調もいいですし」
「絵もだね」
「描けます、そして」
 それにというのでした。
「これから講義まで描きます」
「講義が終わってもだね」
「ここに戻って描きます」
 そうするというのです。
「今日も」
「あれっ、それってこれまで通りじゃないの?」
「そうだよね」
「太田さんスランプの時もずっと描いてたよ」
「あちこち回ってもいて」
「そうしていたから」
 その時のことを思い出すのでした。
「そう考えるとね」
「これまで通りよね」
「何も変わらないじゃない」
「スランプの時も」
「いや、違うよ」
 先生はいぶかしむ皆にお話しました。
「そこはね」
「あれっ、違うの?」
「一緒じゃないの?」
「これまでとね」
「そこは」
「気分の問題だよ」
 それだというのです。
「そこは」
「太田さんのだね」
「太田さんの気分の問題なんだ」
「気持ちは沈んでいるか上向いているか」
「それの」
「これまでの太田君はスランプで描いて色々巡っていてもね」
 それでもというのです。
「気持ちが晴れていなかったんだ」
「けれど今はなんだ」
「気持ちが晴れて動いているから」
「そこが違うから」
「だからだね」
「これまでとは違うんだ」
「同じことをしていても気分が違うとね」
 スランプかそれを脱出出来た時はというのです。 
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