| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十三部第五章 会見の申し入れその十

「彼の方がな」
「まさか、そこまでは」
「そこまではないかと」
「幾ら何でも兄上程には」
「政治家の資質は」
「いや、私は政治家である軍人でありだ」
 そして、というのだ。
「そのどちらもサハラを治め繁栄させられると確信している。だが」
「政治家としてはですか」
「あの方の方が上ですか」
「国防省、連合軍を立ち上げ瞬く間にあそこまでの組織にしてだ」
 シャイターンはこのことから八条を見ている、そして言うのだ。
「エウロパ戦役にも勝ち国防体制や様々なシステムを整えている」
「そうしたことを見るとですか」
「兄上以上の御仁ですか」
「政治家としては」
「そうだと仰るのですね」
「私でもあそこまで短期間にあそこまで出来ることはだ」
 とても、という口調での言葉だった。
「無理だ」
「左様ですか」
「無理だと仰いますか」
「そして兄上以上の政治力がある」
「そう仰るのですね」
「知力、統率力もな」
 この二つにおいてもというのだ。
「あの長官殿の教養は相当に高いな」
「連合でも一流の学者達と互角に話せる。
「それだけの教養がありますね」
「それに頭の回転も早いです」
「そのことも見れば」
「知力もだ」 
 シャイターンはまた言った。
「私以上だ」
「そこまでの方ですか」
「あの御仁は」
「戦場に出ることはない」
 元軍人でもだ、連合は戦場に出るのは軍人だけだ。文民であるのなら戦場に出ることは決してないのだ。
「だから戦場においてはな」
「兄上の方がですね」
「上ですね」
「そうだ、そちらでは私の方が上だ」 
 文句なしに、という口調での言葉だった。
「戦争においてはな。しかし政治家としてはな」
「兄上よりも上でありますか」
「そうなのですか」
「連合の英雄だ」
 そう言っていい者だというのだ。
 そしてだ、その彼とだというのだ。
「英雄として会おう」
「連合の英雄とサハラの英雄が」
「地球で会うことになりますか」
「もう一人の英雄だが」
 ここでだ、シャイターンは脳裏に青い色を連想した。そのうえでの言葉だった。
「彼もだ」
「八条長官とですか」
「会われますか、あの方も」
「必ず会う、既に予定も入れているらしいしな」
 そこまで話が進んでいるのなら、だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧