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星河の覇皇

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第六十三部第五章 会見の申し入れその八

「首相にも軍の指揮権を与える」
「そして内閣のコントロールを受けさせる」
「その下に置きますね」
「かつては政府と軍部は別だった」
 近代以前の国家はだ。
「そうした国家システムも多かった」
「国家元首の下にですね」
「その二つが分けられていましたね」
「しかしだ」
 近代以降の国家のことをだ、シャイターンはここで語った。
「今は違う、それでは軍が政府の統制を無視してだ」
「暴走や専横、クーデター等ですね」
「そうした事態の原因になりますね」
「だからだ、皇帝の下に首相がいてだ」
 内閣の長であるこの役職の者がだ。
「その首相が軍も指揮出来るのだ」
「そうするのですね」
「統一サハラでも」
「勿論国防相もだ」
 軍を統括そのこの大臣職もというのだ。
「首相の下にありだ」
「軍を動かす」
「それが出来ますね」
「そうなる、ただ連合やマウリアでは文民統制だが」
 内閣の者全員がだ、連合やマウリアでは文民砂割り現役武官ではない者達が就任することになっている。
「それはな」
「しませんか」
「首相であっても」
「そうだ、内閣の閣僚は首相が選び指名する」
 内閣を組閣させる権限も有するというのだ。
「それが故にだ」
「現役武官であっても有能なら」
「それならですね」
「閣僚にする」
「そうされるのですね」
「その考えだ」
 シャイターンの統一サハラの国家の、というのだ。
「武官でもいいのだ」
「優れているのなら」
「閣僚になろうとも」
「首相でもですね」
「構いませんね」
「その考えだ、エウロパでもそうだったな」
 連合だけでなくサハラの宿敵でもあるこの国もというのだ。
「あの国も現役武官が閣僚になるな」
「そうですね、軍務大臣等に」
「なりますね」
「今もそうですし」
「ブラウベルグエウロパ元帥が」
 彼のことはサハラでもよく知られている、敵ながら有能であり高潔な軍人としてその評価はかなり高いものがある。
「今もそうですし」
「だからですね」
「文民であろうとなかろうとだ」
 それに関係なく、というのだ。
「有能な者は有能だ」
「その文民統制ですが」
 フラームが長兄にいぶかしむ顔で問うてきた。
「何故連合はそれにこだわるのでしょうか」
「マウリアもだな」
「特に連合は」
「中央政府も各国もな」
「日本は文民ですが元帥の階級は与えてはいますが」
「それでもだな」
「やはり文民であります」
 文民でなければ国防相になれないのだ、その日本でも。 
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