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星河の覇皇

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第六十三部第五章 会見の申し入れその三

「私はな」
「そうなのですね」
「そうだ、学ぶことは一時のことでなくだ」
「一生のことですね」
「私はそう考えている」
「人は一生学ぶものですね」
「そういうことだ、学ぶことを止めたならばだ」
 その時はどうなるかもだ、シャイターンは言うのだった。
「終わりだからな」
「それで、ですね」
「終わりですね」
「そうだ、そこまでだ」
 こう弟達に言うのだった。
「止まってしまう、政治家は進歩しないとだ」
「それで終わりですね」
「先に進まない政治家は」
「そうでしかない」
 こう言い捨てたのだった。
「何の進歩も発展もしない政治家もいるがな」
「中にはですね」
「そうした政治家もいますね」
「サハラにもいますが」
「連合にも」 
 つまりどの国にもそうした政治家はいる、ただ批判の為の批判をするだけで何も学ぼうとしない政治家がだ。
 それでだ、シャイターンも言うのだ。
「民主政治の下でも専制政治の下でもだ」
「学ぼうともせずですね」
「ただ不平を言うだけ、利を貪るだけの政治家がですね」
「いますね」
「本当に何処にでも」
「そうした政治家は害だ」
 それ以外の何者でもないというのだ。
「政治家だけに限らないがな」
「進歩しない、しようとしない者は」
「それだけで」
「無能な怠け者という言葉があるが」
 働き者と怠け者を有能か無能かで四別した例えだ、ドイツの軍人だったゼークトが最初に言ったことだと言われている。
「これとは別にな」
「進歩しようとしない者はですか」
「害なのですね」
「無能な怠け者とはまた違う」
 進歩しようとせず批判の為の批判しかない者はというのだ。
「無駄飯食いでもない」
「害ですね」
「そうでしかないですね」
「そうだ」
 つまり無駄飯食いより酷いというのだ。
「無能な働き者とあるがな」
「兄上がいつも仰っている様に」
「まだ救いがあるのですね」
「その分野で無能でも別の分野では違う」
 人には向き不向きがある、それでその向いている分野にその努力を向ければいいというのだ、無能な働き者は。
「そうすればいいからな」
「だから、ですね」
「無能な働き者はまだいい」
「更正させればいい」
「それだけで済むから」
「無能な怠け者もだ」
 俗に無能な働き者より上とされている者はだ。 
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