星河の覇皇
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第六十三部第五章 会見の申し入れその一
会見の申し入れ
シャイターンはシンガポールも訪問して国賓として待遇を受けていた。最高の儀礼を受け最高の馳走を口にした。
その中でだ、フラームとアブーにだ。こうしたことを言った。その晩餐会の後でだ。
「我々は最高の儀礼を受けたがな」
「それは大統領としてのですね」
「国賓としての」
「そうだ、皇帝に対する儀礼ではなかった」
このことを言うのだった。
「だからだ」
「これからはですね」
「サハラを統一し」
「皇帝としてだ」
次にだ、国賓となる時はというのだ。
「儀礼を受ける」
「必ずや」
「そうなりますね」
「その通りだ」
こう弟達に言うのだった。
「その時はな」
「大統領には大統領の儀礼があり」
「皇帝には皇帝の、ですね」
「そのことは絶対のことですね」
「政治の儀礼においては」
「我々も同じだ」
サハラも、というのだ。
「相手が大統領ならばな」
「大統領として迎える」
「その儀礼で」
「そして王には王だ」
王に対する儀礼で迎えるというのだ。
「皇帝にもな」
「皇帝としてですね」
「迎えますね」
「それだけだ」
「ですね。では」
「我々は今は、ですね」
「大統領として受けるだけですね」
連合からの儀礼をだ、こう話してだった。
そのシャイターンにだ、弟達はこう問うたのだった。
「しかし、大統領と皇帝は違うにしても」
「大統領、国家元首がです」
その立場の者が、と問うのだった。
「一閣僚に会談するということは」
「こちらから申し出て」
「それは、です」
「どうかと思いますが」
「どうかではない」
それは違うとだ、シャイターンは言うのだった。
「そのことはな」
「兄上にとって重要であると思われるから」
「だからですか」
「会談をですか」
「ご自身から申し出られたのですか」
「そうだ、あえてな」
そうしたというのだ。
「私はな」
「八条長官に」
「そうされましたか」
「彼は英傑だ」
こう見ているからだというのである。
「私は彼と会ってだ」
「その資質を御覧になられたいのですね」
「ご自身の目で」
「そうだ、まずは英傑の資質だ」
それを見て知りたいとだ、実際に弟達に答えた。
そしてだ、こうも言ったのだった。
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