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高価なプレゼント

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第一章

           高価なプレゼント
 文ノ里麻里子は交際相手、彼氏に学校でこんなことを言われた。
「今度の誕生日プレゼント期待していてくれよ」
「別にいいわよ」
 無欲でさばさばとしている性格の麻里子は相手に笑って返した。
「別にね」
「いや、そういうけれどさ」
「こうしたことはっていうのね」
「やっぱりさ」
 どうしてもという返事だった。
「わかるだろ、何もなしってな」
「彼氏としては」
「麻里子ちゃんだって俺の誕生日にプレゼントしてくれたじゃない」
「そんなの当然でしょ」
 麻里子は彼氏にあっさりと答えた。
「それはね」
「交際していると」
「そう、普通でしょ」
「その普通だからだよ」
「私の誕生日にプレゼントをなの」
「させてもらうよ」
 これが彼氏の返事だった。
「だからいいよね」
「別にいいのに」
 まだ言う麻里子だった。
「そんなことは」
「まあそれでもさ」
「プレゼントをなの」
「させてもらうよ、俺アルバイト頑張ってきたから」
 それで金はあるというのだ、学生としてはかなり。
「期待していてよ」
「それじゃあ」
 麻里子も頷いた、本音は変わらないがそうした。そしてその誕生日にだ。彼は麻里子にプレゼントをしたが。
 そのプレゼントを見てだ、麻里子は驚いて言った。
「嘘、こんなに?」
「そうだよ」
 ネックレスにヘアバンド、ブレスレットにブリーチだった。
「全部ね」
「どれも高かったでしょ」
 しかも四つだ、それで言うのだ。
「一万位するんじゃ、全部」
「だからバイト頑張ったから」
「お金のことはなの」
「気にしないでいいよ」
 笑って麻里子に言うのだった。
「本当にね」
「ここまでは」
「あと食べに行こうか」
「食べに?」
「そう、とっておきのとまではいかないかな」
「どんなお店なのよ」
「大阪にいたら誰でも知っているお店だよ」
 これが彼の返事だった。
「そこはね」
「誰でも?」
「そう、誰でもね」
「そのお店に今からなのね」
「行こう、それもプレゼントだよ」
「こんなにしてもらうとか」
 麻里子は受け取ったネックレスやブレスレットを見て言う、こうしたものは好きなので価値もそれなりにわかる、どれも一万はするもので学生としてはかなりの出費であることは間違いない。
 しかも食べに行くとも言われてだ、それで言ったのだ。 
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