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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その十七

「こちらも」
「連合軍はシステムで戦う軍隊というが」
「その通りです」
 まさにというのだ。
「私もそれを想定してです」
「連合軍を創設していったか」
「左様です」
「名将は不要か」
「不要です」
 はっきりと言い切ったのだった、このことについて。、
「私はそう考えています」
「名将を必要としない軍隊か」
「はい、連合軍は」
「それは異様に思えるが」
「いえ、異様ではありません」
 キロモトのその問いにだ、八条はここでも確かな声で言い切ってみせた。そこには絶対の自信さえあった。
「それは」
「異様ではないのか」
「そうです、名将ここでは軍事的天才ですが」
「天才はいらないのか」
「天才が出て来ることもまた運かと」
「確かにな、それはな」
 そのことはとだ、キロモトもわかった。
「一つの分野にその分野の天才が現れる」
「それはまさに僥倖です」
「僥倖に頼るよりはか」
「的確です、ですから教育に力を入れ」
 将兵達へのそれをだ。
「そうしてです」
「優れた将兵を育てるのか」
「平均点の将兵を持つことです」
「それが君の考える軍隊か」
「一人の天才より百人の凡人です」
 こうも言う八条だった。
「普通の軍人がシステムに沿って戦い」
「数と補給が万全なうえでだな」
「そして重装備に囲まれてです」
 そうした幾つもの要素を以てというのだ。
「戦う、それがです」
「連合軍か」
「そうです」
「システムか」
「システムは名将に勝ります」
 補給や整備、戦術戦略に至るあらゆる制度はというのだ。
「あらゆる事態を想定して考えられているそれに沿って戦えば」
「それで、だな」
「勝てます」
 そうだというのだ。
「連合軍は」
「そうした考えからか」
「私は連合軍は名将は不要と考えています」
 ここでもはっきりと言ったのだった。
「それよりもです」
「システムがあり、か」
「システムに沿って戦いです」
「勝つことか」
「名将は確かに存在すれば強いですが」
「そうは出ない」
「そして名将といえども一人では勝てません」
 こうも言うのだった。
「それよりもです」
「百人の凡将か」
「百点より六十五点です」
 これ位の点数でいいというのだ、点数にすると。 
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