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ONEPIECE 空の王者が海を征す

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空の王者、住人から話を聞く

苦労と命懸けをして漸く到達した伝説や御伽噺だけの存在とされていた空島へと到達した麦わら海賊団、一面広がる雲の海に触れる事が出来る雲が地盤となっている空の島。全てが自分たちの世界と異なっている世界に胸を躍らせながらまるで楽園のような場所に皆の気は思わず緩んでしまいながらもその楽園を堪能していた。それも当然といえる。此処には自分達を追い首を狙う賞金稼ぎや海軍の存在も無い為に自由に活動が出来るのだから。

「キャッ!もうレウスさんったら反撃!」
「ワプッ!?やったなぁそらこれで如何だテールショック!」
「ちょっちょキャア!?レウスアンタ尻尾で水を撒き上げるなんて卑怯よ!!」
「2対1なんだから多めに見てよそらどんどん行くぞ!」

普段は自由奔放な麦わら海賊団のメンバーのブレーキ役となっているナミやレウスもテンション高く、空島のビーチでビビと共に水かけをしたりして遊んだりしている。良く考えて見ればこうやって遊ぶのも初めてな事なのかもしれない、故か青海でも出来る事でも酷く楽しく思える。

「よ~しならこれでどうよ、行くわよビビ!」
「はい!」
「「いっせ~の、せえ!!!」」
「ギャアッ!!?ちょまっ……!?バ、バケツでローテーションで掛け続けるのは流石に、卑怯すぎるでしょう!!?あああああ止めてぇぇっ~!!!」
「ナミさんにビビちゃん!!俺も参加するぜえ!!この野郎羨ましすぎるんだよオラ喰らえレウスゥゥゥゥッ!!!」
「ギャアアアアア!!!やめろお前らゴボゴボゴボゴボ!!!」

そこへ美女二人相手を独占しつつ遊んでいるレウスを嫉んだサンジまで参加しレウスは圧倒的な不利に陥る。バケツ二つを持ったナミとビビ、そして持ち前の足技で水のような雲を撒き上げてレウスへと掛けていくサンジと圧倒的な手数の違いと圧倒的な水量にもう何も出来ずに降参の意を示すしかないレウスはそのまま砂浜に打ち上げられた魚のように倒れこみながらぜえぜえと荒い息を吐き続け、勝った3人はハイタッチをしながら喜ぶのであった。

「さあ二人とも空島の花ですよ♪折角の楽園みたいなところなんだから楽しまなきゃ♡」
「ありがとサンジ君♪如何?」
「有難うサンジさん、こんな感じかな?」
「お似合いですぜお二人とも!!さあてロビンちゃんにも渡してこなくちゃ~♡」

花を差した二人に目をハートにしながら今度はロビンに花を渡す為に駆け出していく、途中倒れこんでいるレウスを強く踏みつけながら。

「グフゥ!?サンジあの野郎ワザと強く踏みやがったな……覚えてやがれあのグル眉……あいつ何時か殺す……俺のブレスで焼き殺してやる……」
「まあまあレウス落ち着きなさいって、流石のアンタでも3対1じゃ勝てないみたいね♪」
「ゲホゲホ……相手に勝たせないようにしたのはどこの、ゲホッ!誰だよ……」

漸く立ち上がるレウスだが二人に対しての嫌悪感や怒り等は全くない、遊びだったのだからこの程度で怒る訳が無いという認識。但しサンジはあからさまな悪意と故意による行動だった為許さん。そんなことを思いながら立ち上がると不意に耳障りの良い音が聞こえてくる。

「んっ…ハープの音?」
「もしかしてまた敵!?」
「あっあそこに人がいます!」

指差す先にいたのは翼を生やしている女性が肩に狐のような動物を乗せながらハープを華麗に奏でている光景だった。優雅に美しくハープを奏でる光景と容姿も相まってまるで天使のような姿に見える、そしてその女性はこちらに笑いかけながらへそっと言葉を漏らした。

「へそっ?へそって何だ?」
「へそはへそだろ」
「挨拶、なのか?」

酷く独特な挨拶に戸惑いながら挨拶を済ませる一同。

「ようこそスカイピアのエンジェルビーチへ、私はコニス。こちらは雲狐のスーといいます。何かお困りでした力にならせて下さい」
「えっと私はナミ、さっき此処に来たんだけど知りたい事が一杯あるの!此処は私達にとって不思議な事だらけで……あっちゃんと入国の為の手続きはしたんだけどこの手帳でOKかしら?」
「えっとはい大丈夫です、改めてようこそスカイピアへ」
「おい、なんかこっちに来るぞ?」
「ああ、あれは父です」

ゾロが雲海の向こう側から何が迫ってくるのを見つけ警戒するがコニスはそれは父だと告げるとそこから父と言う男が挨拶をしてくる。がコニスの父であるパガヤが乗っているのは小船ほどのサイズだが自力で雲海の上を進んでいるのようにも見える、風を帆で受けるのではなく自ら推力を発生させて進んでいるように感じられる。その船はウェイバーというらしくそのままこちらへと迫って来るが止まらないのかそのまま浜に乗り上げ木に激突しそうになったのをレウスが間一髪で受け止め無理矢理停止させる。

「こ、これはすいません。お手数をおかけしてしまいまして、すいません……!」
「いえ、お気になさらず」
「父上魚は取れました?」
「ええ大漁です。そうだ、このお礼に皆さんこれから私たちの家でお食事は如何でしょうか?空の幸をご馳走いたします」

空の幸と言う言葉にルフィやサンジは興奮しながらぜひともお願いすると叫んでいる。空の食材を持ちいた料理というのはかなり興味深いのかサンジは特に興奮しているがナミはそんな中そっとウェイバーに近づきながら如何してこれが海の上を走っていたのかと聞く。

「まあ、(ダイヤル)をご存知無いのですか?」
(ダイヤル)……?なんだそりゃ。俺達は直接この空にやってきたから、そう言った知識は0なんだ」
「そうなんですかそれはすいません。では我が家へどうぞ、お食事にしながらご説明致しましょう」

その厚意に甘える事にして一同はパガヤとコニスの家へと御呼ばれする事にした。その途中でこの空島に存在する雲の種類に付いての説明を受けた。この空には船で進めるような<海雲>とその上に浮かぶ歩ける<島雲>が存在しているらしい、この雲は地上に存在する海楼石という好物に含まれる粒子が空に上がり水分を得た時、その時の密度によってこの二つの雲のいずれかになると言う。そして着いた家ではパガヤとサンジが調理に入りその間にコニスが(ダイヤル)についての解説を始めてくれた。まず一つの貝をルフィへと手渡した。

「何だこれ?貝殻か」
「はい、それに向かって何か話して見てください」
「よし。う~ん、ウソップのあほ~!!」
「いやなんでなんでな~んで俺だよ!?」
「フフフッ、それじゃあその貝の殻頂を押して見てください」

貝殻に向かって何故かウソップへの罵倒が放たれるとルフィは言われるがままにその貝殻の天辺を押して見た。すると……。

『う~ん、ウソップのあほ~!!』
「うわウソップが貝に馬鹿にされた!?」
「いやお前の声じゃねえか!?」
「凄い!音を記憶したんですね!?」
「これが、貝か」

コニス曰く貝には様々な種類などがあり今ルフィが使ったのは音を記録、再生する習性があるというトーンダイヤルだという。

「面白~い!!もしかしてウェイバーもそれで!?」
「はい、トーンダイヤルではなく此方ですが」

棚の上に置かれていた貝を手に取りそれを窓の近くに掛けられている風鈴へと向けながら殻頂を押す、すると貝殻から風が吐き出され風鈴が耳障りが良い音を鳴らした。こちらの貝は風を貯え自在に排出する事が出来ると言うブレスダイヤル、これを船尾に取り付ける事で軽い船ならば動かす事が出来ると言う。

「成程、風を受けるんじゃなくて自分で風を起こすから自由に動けるのね。面白~い!!私ウェイバー欲しいわ!!」
「あれでもナミさん、俺たちもう持ってるんじゃないか?」
「あらお持ちなんですかウェイバー?」
「……?あっルフィさん達が海中から拾ってきた中にそんな物がありましたね!」

そう、海中へ沈んだ船のサルベージ。それを行った際に拾ってきた様々な物の中にかなり古く壊れていると思われるウェイバーのようなものがあった。今思えばあれがウェイバーなんだと理解するが200年以上昔の物だからもう動かないでしょ?とナミが言うがコニスはそれを否定した。

「基本的には貝は死骸を利用しますので、それ自体が壊れていないのであれば大丈夫だと思います。お食事の後父に見てもらいましょうか、父はダイヤルシップのエンジニアでもあるんです」
「わぁ助かる!!是非お願いするわ!!」 
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