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夢幻水滸伝

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第八話 東へその十三

「わかった、ほな関ヶ原に入ったらな」
「布陣でか」
「騎馬隊対策の布陣敷くわ」
「具体的にはどうするねん、あれか?」
 中里はここでこの戦の名前を出した。
「長篠のな」
「信長さんのあれやな」
「ああ、柵作ってそれで騎馬隊防いで戦った」
「鉄砲で撃ったな」
 有名な三段撃ちは実際にやったかどうかは不明である、最近では当時の黒色火薬では視界がすぐに遮られるので無理ではという説も有力だ。
「それいくんか?」
「有名過ぎて向こうも対策立ててくるわ」
 そうしてくるとだ、芥川は中里にすぐに言った。
「それに向こう魔法も持ってるんやで」
「向こうもやな」
「そや、それでや」
「魔法で柵でも攻撃されたら」
「火の魔法で燃やしたり風で切り裂いたりしてな」
「柵壊してか」
「鉄砲撃つ合間に来られたら終わりや」
 それでというのだ。
「そうなるな」
「そういえば向こうも空船あるしな」
「こっちよりずっと少ないけどな」
「空からも攻めてくるしか」
「そっちは何でもなるけどな」
 空船についてはだ、芥川は普通に言った。
「別に」
「こっちの方が空船は多いしな」
「そうか」
「やっぱり問題は地上の敵、特に何といってもな」
「騎馬隊やな」
「連中になるわ」
「それでその騎馬隊はどうするねん」
「まあ見ておくんや、世の中無敵の存在はない」
 笑ってだ、芥川は怪訝な顔になっている中里に言い切ってみせた。
「騎馬隊もな」
「関ヶ原で用意してか」
「ああ、勝つで」
「鉄砲隊はこっちの方が多いけどな」
 中里はこのことから言った。
「それを使うのはわかるけどな」
「半分正解やな」
「半分かいな」
「ああ、けれどもう一つあるわ」
「もう一つ?」
「そや、それはや」
 それは何かというと。
「関ヶ原でわかるわ」
「余計にわからんわ」
「まあ見ておくんや、まあ空船もあるし」
 こちらの方が数が多いそれもいうのだ。
「敵もそこへの対策は講じてるにしても」
「空船も使うか」
「飛べる連中もな」
「そっちは向こうの数が多い分不利やろな」
「それもわかってる、まあ空でもや」
 そこでもというのだ。
「勝つで」
「策あるんやな」
「ああ、とにかく倍の戦力でもな」
「やり方はあるんやな」
「そういうこっちゃ、あと神星の力は存分に使う」
 このこともだ、芥川は話に出した。 
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