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レーヴァティン

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第八話 神殿にてその七

「この島を統一する」
「そうするか」
「ああ、そしてだ」
「魔神のところに攻め込むか」
「何処にいるかまで探してな」
 そうしてというのだ。
「攻め込んでやるさ」
「どちらの島も群雄割拠だ」
「あちこちの国やら領主が争ってるな」
「そうした状況だと常に戦乱が起こるものだ」
「実際そうみたいだな」
 どちらの島もとだ、久志は英雄に返した。
「それで民の人達は迷惑しているみたいだな」
「戦乱で災厄を被るのは民衆だ」
「だよな、じゃあそうした人達をなくしてな」
「平和になる為にもだな」
「平和が一番だよ」
 久志は自分の考えを言い切った。
「統一したらしっかりとした政治をしないといけないにしてもな」
「そのことも大事だがだ」
「その辺りも考えていってか」
「統一していくべきだ」
「この世界の民衆の人達の為に」
「そうしていくべきだ」
 統一とそれによりもたらされる平和もだ、英雄は話した。
「絶対にな」
「そうだな、じゃあな」
「やることは決まったな」
「お互いに島統一しような」
「それぞれの島の十二人を集めてだ」
「そして下の海の魔神に攻め込むか」
「そうするとしよう」
 こう久志に言ったのだった。
「いいな」
「ああ、これでどうするかな」
「わかってきたな」
「こっちの世界でな」
 久志も答えた。
「ようやくな」
「そうだな、しかしわかったからにはだ」
「動くべきだな」
「そのわかったことに相応しくだな」
「そうだよな、じゃあな」
「動くな」
「ああ、しかし俺そういうな」
 少し苦笑いになってだ、久志は英雄にこうしたことも言った。
「統一とか王様になるとかな」
「そういうことはか」
「柄じゃないって思ってるけれどな」
「俺もだ、そうしたことはだ」
「なるってはか」
「この世界に来るまで思ってもいなかった」
 そうだったというのだ。
「部活でも威張る奴が嫌いだった」
「いるな、そんな奴」
「そんなつもりがない相手に威張っているだろとか言う奴もな」
「そう言う奴は自分がそうしたいんだろうな」
 久志もそうした人間の魂胆はわかった、透けて見えたのだ。
「やっぱりな」
「そうだろうな、自分が思うからだ」
「言うんだろうな、他人に」
「中学時代の部活でそんな奴がいた」
「嫌な奴だっただろうな」
「他人の部活の出欠を自分がそれの担当だったのを利用して出席を全部欠席に改竄したりもした。 
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