星河の覇皇
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第六十三部第二章 円卓その四十
「それを連合に馬鹿にされる道理はない」
「全く以てその通りですね」
「そしてそれをな」
「貴族のレストランにおいて言ったり」
「馬鹿にしていたな」
「やはり我々はです」
エウロパと連合は、というのだ。
「理解し合うことはないですね」
「同じ人間だがな」
それでもとだ、モンサルヴァートも言う。
「理解し合うことはな」
「出来ない」
どうにもというのだ。
「私もそれはわかる」
「マウリアに対してもそうですが」
「マウリアも独特だからな」
「はい、ですから」
「しかしだな」
「マウリアは同盟国です」
このことが第一にあった、エウロパとマウリアには。
「ですから理解し合えずともです」
「まだいいな」
「敵ではないので」
理解し合えずとも敵ではない、このことはやはり大きい。そして敵同士であるのならこれが大きく変わるのだった。
「連合とは違い」
「まさにその通りだな」
「連合に否定されますと」
「非常にな」
「怒りを感じますね」
「我々は連合を理解できず」
そしてなのあった。
「連合もだな」
「我々を理解出来ませんね」
「相互にな。何もかもが違うからな」
「誰でも話をすれば理解し合えるといいますが」
それはというのだ。
「実際は」
「そうもいかないな」
「どうにも」
こう使者に言うのだった。
「そうなってしまうな」
「左様ですね」
「だからこそ敵対しているしな」
「千年の間」
「この対立は何時まで続くか」
「わからないですね」
それはだ、どうにもというのだ。
「これからも続きますし」
「千年の間続き」
「これからもですね」
「難しい、ただ」
「ただ、ですね」
「対立はしてもな」
それでもだというのだった、モンサルヴァートは。
「衝突に至らないことはな」
「出来ますね」
「それはな」
可能だというのだ。
「それは避けたいとだな」
「侯爵もお考えです」
使者はこのこともモンサルヴァートに述べた。
「軍備は必要ですが」
「実際の戦争はか」
「避けるべきだとです」
ギルフォードのこの考えを伝えるのだった。
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