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ONEPIECE 空の王者が海を征す

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空の王者、空島への可能性を見出す

 
前書き
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「さあ着いたぞおめえら、ここがおやっさんの家だ!」

この辺りの海を縄張りとしている海賊、猿山連合のショウジョウに案内されジャヤの東にあるモンブラン・クリケットと言う男の家へと向かう二隻の船。巨大な船に従いつつ海を進んで行くとショウジョウが目的地が見えたと声を上げた。前方へと目を向けて見るとそこには凄まじい大きさの大宮殿が姿を現した、そのモンブラン・クリケットは大金持ちなのではないかとルフィとウソップが騒ぎ出すがビビが怪訝そうな声を上げる。

「待ってルフィさん、あの宮殿可笑しいわ。なんだか立体的に見えないって言うか……なんだか絵みたい」
「えっ何絵?」

船を着け、いざ陸へと降りて再びその宮殿を確認して見るとなんと巨大なベニヤ板が裏にある小さな家を隠すように立て掛けられていた。見栄っ張りなのか如何なのか解らないが、何がしたいのだろうか。次々と陸へと降りて行く一味に続いてショウジョウも部下に食事の準備をするように指示して陸へと降りる。家の中を見るように顔を覗きこませると留守なのかガランとしていた。

「おやっさんは留守か……?じゃあまた潜ってるんだろうな」
「潜ってる?ダイビングでもやってるのか、そのクリケットさんは」
「ああっちょっとな」

取り合えず帰ってくるまで待つ事になったがナミは切り株の上に置かれている一冊の本を発見した、多くの海図の参考書や物語を読んで来たナミだったがこれ程までに読み込まれながら年季が入っている本は久しく見る、何かの古文書的な物かと思ったが表紙を見ていると予想とは違い絵本だった。

「うそつきノーランド?絵本みたいだけど」
「ああ、そりゃおやっさんのだな。そいつは北の海(ノース)では有名な物語なんだぞ」
「確かに。俺も知ってるぞ」
「えっサンジ君も?でもなんで?」
「んっああ言ってなかったっけ、俺生まれは北の海なんだ。育ちは東の海(イースト)だけどな」

ロビンやチョッパーを除いて全員が東の海の出身者だと思ったナミやウソップは意外そうにサンジの言葉に耳を傾けていた。正確に言えばレウスも東の海の生まれではないので違うと言えるが……目覚めた場所が東の海の無人島だった為、その海の出身者と言っても悪くはないかもしれない。

「てめぇら一体そこで何やってやがる!?」

うそつきノーランドについての話を聞いている時海から一人の男が勢い良く上がってきた、頭に栗のような物を乗せているかなり鍛えれている身体をしている男。それは切り株を囲んでいる麦わら海賊団を見ると敵意むき出しに声を荒げる。

「お、おやっさん落ち着いてくれ!こいつらは俺が連れてきたんだ!」
「ショウジョウ、お前がか……?一体、何を……」

ショウジョウの姿と言葉を受け荒げた声をしまいながらもこちらへと歩き出すおやっさんこと、モンブラン・クリケット、が足取りはふらつき始め身体も震えさせていた。苦しげに呻き声を発するとそのまま倒れこんでしまい意識を失ってしまった。

「お、おやっさん!?大丈夫か!?」
「待ってくれ俺は医者だ!俺が見る!!」

掛けだそうとするショウジョウを抑えチョッパーが駆け寄りクリケットを抱き起こす、苦しげに息を洩らす彼を手早く診察すると直ぐに家の中へと担ぎ込み処置を始めた。ショウジョウは体格の問題で家の中に入るとスペースを取ってしまうので外から窓越しにクリケットを心配そうに見守っている。

「お、おやっさんは大丈夫なのか……?」
「……大丈夫、もう安心だ。タオルを冷やしてきて、窓は全開に!」

処置が終わり容態が安定した事を伝えるとショウジョウは安心したのか崩れ落ちるようにへたり込み安堵の息を洩らした。

「チョッパー、この人病気なのか?」
「うん、ダイバーが偶に罹る病気で潜水病っていうんだ」
「どういう事なんだその病気って?」
「あー……俺も詳しくは言えないが、一回潜ったらそれなりの時間休まないといけないんだけどそれをせずに潜ると身体が可笑しくなる病気…でいいのかなチョッパー」
「うん大体あってるぞレウス」
「なーるほど、つまり休憩不足か」

珍しくルフィも病気の事をある程度理解する事が出来た、休憩不足という答えも間違ってはいない。クリケットは十分な時間も置かずに無茶な潜り方をしているせいでこのような事になっている。しかもショウジョウの話ではこれは自病になっているらしい。普通はそんな事にはならない筈だがチョッパーは顔を険しくする、命にも関わる病気でもあるからだ。処置を進めていく中どすんどすんと大きな足音を立てながらこちらへと向かってくる影が見えた。

「お~いショウジョウお前何やってんだぁ!?まさかおやっさんに何かあったのかぁ!?」
「おうマシラじゃねえか!」
「ゲッマシラって!?」

ウソップが思わず顔を青くしながらその名前を思い出した、あのサルベージを行いそれを見学した相手であり最後には4人同時に空へと蹴り飛ばした相手である。怒りを露にし攻撃しても可笑しくない……

「こいつらはおやっさんの病気の処置をしてくれたんだ、良い奴らだぜ」
「そうなのか……!?ぅぅぅぅっお前ら良い奴らだなぁ~……!!」

のだがそんな事よりも大切なクリケットの病気の処置をし助けてくれた事への感謝が上回ったようだ、一体どれだけ彼らがこの男を慕っているのかが良く解る一幕だ。そのまま看病を続けているとクリケットは目を覚ますと煙草を吹かしながら礼を述べる。どうやら自分達を金塊狙いの奴らと思ったようだ。

「世話掛けちまったな、何にせよ身体の事ありがとよ。大分楽になった」
「一応この薬を飲んでくれ、潜水病を治せる訳じゃないけどこれである程度身体に掛かる負担を減らせる」
「すまねえな……。お前は……ああトナカイ、一瞬鹿に見えちまった」
「おおおっ!!レウス聞いたか!?俺の事一発でトナカイって解ってくれたぞ!!」

思わずチョッパーはクリケットの言葉に喜びを感じてしまった、今まで狸や鹿に間違われる事もあったので実はチョッパーも気にしていたようだがおやっさんはいとも簡単にトナカイだと見抜いた。

「んでお前ら、ショウジョウが連れてきたらしいが俺に何のようだ」
「おやっさんこいつらは空島に行きてぇって言ってるんだ。夢みたいな事を大真面目に言ったんだ」

ショウジョウが事情を説明するとクリケットは一瞬顔色を変えると、まさかまだこれ程までに夢を信じるような純粋な連中が居る事に驚きながらも複雑そうに笑った。傍からすれば伝説や御伽噺にしか登場しない空島へ行きたいとほざく若者達、侮蔑を孕み大笑いしても可笑しくないのに彼は面白そうに笑うだけだった。

「空島、か……確かに夢みたいな事を言いやがるな」
「空島はねえのかおっさん!?」
「……ある、と言っていた奴を一人だけ知っている。だがそいつは世間では伝説的な大嘘付きだ」
「大嘘付き……まさかうそつきノーランドか、あれちょっと待てよ。確かフルネームはモンブラン・ノーランド……」
「ああそうだ、俺の遠い先祖だ」

クリケットは忌々しげに語った、実在した話であるうそつきノーランド。当時国を追われたモンブラン家、だが一族はノーランドが正直者だったと言われているのでそれを信じている。そしてこのジャヤはうそつきノーランドの舞台となった島、此処に辿り着いたクリケットは海に沈んだと主張したノーランドの言葉が正しいのか嘘なのかを確かめるために此処に住んでいるとの事。

「んじゃショウジョウ達は?」
「絵本のファンだ、ノーランドの言う黄金郷はあるんだと押しかけて来て俺の手下になりやがった」
「ず、随分と簡単な繋がりだな」
「ああ。だけどな、暗い海に潜ると酷い孤独感に襲われてくる。正直あんな一途な馬鹿には救われる」

何処か照れくさそうに語るクリケット、自分の噂を聞き付けてやって来た二つの海賊団。そして先祖のいう黄金郷はきっとあると信じて部下にまでなったあの二人にはクリケットも助けられていた。たった一人で何年も海へと潜り続けていた生活に中にやってきた二人は馬鹿騒ぎしながらも自分のやる事を肯定しながら手伝った。それがどれだけ有難かったか……。

そしてルフィが空島には行けないのかと言うとノーランドが書いていたと言う400年前の航海日誌を見せてくれた。そこには空島に関する記述や空島に生息している空魚という魚に付いても書かれているだけではなくまるで空島はあって当然と言う風な書き方がされておりルフィ達は絶対にある!という希望を抱けた、無邪気にはしゃぐ彼らにクリケットは笑いながら自分の知っている空島の全てを教えてやろうと言い出した。

「言って置くが俺の情報も確実とはいえねえ、乗るか反るかはそっちで決めろ」
「おう信じる!」
「いや早いってルフィ」
「フフフッ面白れぇ小僧だ。この辺りの海では真昼だというのに突然夜が襲いかかってくる」

クリケットが語る言葉に行きなり心当たりが出来た、マシラと遭遇している時にいきなり出現した夜。そして異常な怪物……。クリケットも話が早いと言いつつ怪物に付いては省きながら夜の正体に付いて話す、それは巨大な雲の塊である積帝雲だという。

「幾ら積み上げても気流を生まない雲だなんて……偉大なる航路ならではって感じね」
「まあそういう事だ、もしも空島があるとすれば可能性は最早それしかない」
「成程……それじゃあ後は行く方法かっててめぇら一々俺を見るんじゃねえ!!!」

場所が解ったなら行けるだろ?!とキラキラと目を輝かせ天丼気味な事をするルフィとウソップにレウスも若干キレながら一発ずつパンチをお見舞いした。クリケットは一旦話を区切るように煙草を吹かす。

「此処からが本題だ。突き上げる海流(ノックアップストリーム)、こいつに乗れば空へと行く事が出来る。理論上の話だ解るな」
「それって船が吹き飛ばされる海流って事?」
「ああ。時間にして約一分間、海は空へと伸び続ける」

突き上げる海流は所謂大災害の一つとして数えられる自然現象、だがその力をあえて利用し空へと行こうという考えにナミ達は驚かされる。そしてこれは大きな賭けでもある。月にして5回の頻度で発生する突き上げる海流の上に空島がやってこなければ意味がない。だがクリケットは明日にそのチャンスがあると断言した。

「でも船の強化も必要なんじゃ……」
「その点は問題ない、マシラとショウジョウにサポートさせる。船の強化作業もしてやる」
「クリケットさん、一つ聞いて良いかな」
「んっ……?」
「なんで会って間も無い俺達に手を貸してくれるんだ?」

思わずレウスが疑問を口にした、確かに潜水病で倒れこんでしまった身を看病はしたがあくまでそれだけの話。此処までしてくれるにしてはいささか親切すぎるのではないかと思ってしまう、正直言って空島に行けるのは非常に有難いが此処までしてくれる事は自分達はしていない。その言葉にクリケットは確かになっと肯定する。

「普通には怪しむだろうな、おめえの判断は正しい。純粋にな、嬉しいんだ。お前達みたいな馬鹿に会えてな……同士とも言えるおめぇらとの出会いに感謝だ。さあ一緒に飯を食おう、力を付けとけ」
「……ああそうだな」 
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