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ドリトル先生と悩める画家

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第四幕その二

「そうそうないから、ましてね」
「まして?」
「幾つもの学問の論文を書いてるよね」
「僕の興味がある学問は多いからね」
「そうしたこともね」
「ないんだね」
「普通はいないよ、博士号を幾つ持っているのか」
 他の人が驚く位持っています。
「そんな人もそういないし、先生は学問の天才だね」
「天才かな、僕は」
「万能選手というか、これでね」
 王子はこのことは苦笑いと一緒に言いました。
「恋愛について少しだけでも素養があれば」
「王子もそのお話するんだ」
「するよ、いい人がいるんじゃない?」
 さりげなく日笠さんのお話もします。
「その人とね」
「結婚をっていうんだね」
「したら?先生ならいい家庭築けるよ」
「だから僕はお友達と家族には神様のご加護があってもね」
「恋愛にはだね」
「ないからね」
 全くの無縁だというのです。
「だからね」
「結婚はっていうんだね」
「もてないからね、生まれてから」
「ふうん、気付いてないだけじゃないの?」
 王子もわかっています、このことは。
「子供の頃から」
「いやいや、本当にそうだよ」
「実はいつも誰かに好かれていたとか」
「ないない、絶対にないよ」
 心からです、先生はこう考えています。
「僕が女の子、女の人からもててるって」
「絶対に?」
「ないよ、昔からね」
「そうかな、まあ気付いたらね」
 王子はまた日笠さんのことをさりげなく言いました。
「先生も動いてね」
「だからそんなことは絶対にないのに」
「あるかも知れないから」
 こう言う王子でした、そんなお話をしてです。
 先生は論文を書くのでした、それが一段落してでした。王子のところに来て先生も紅茶を飲むのですが。
 その先生にです、動物の皆が言ってきました。
「ああ、今日もだね」
「ウィンナーティー飲むのね」
 チープサイドの家族が最初に言いました。
「この前も飲んでたし」
「結構気に入ったみたいね」
「生クリームも紅茶も合うのね」
 ガブガブも言います。
「その組み合わせも」
「考えてみれば生クリームもミルクだし」 
 トートーはこのことから考えました。
「ミルクティーになるね」
「そういえばそうね、ウィンナーティーもミルクティーね」
 ポリネシアはトートーのその言葉に頷きました。
「そうなるわね」
「そう思うと先生が好きなのも当然かな」 
 老馬は先生がミルクティーが一番のお気に入りのお茶であることから言いました。
「ミルクティーになるのなら」
「そうだね、ミルクティーならね」
 ジップも言います。 
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