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ドリトル先生と悩める画家

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第三幕その一

                 第三幕  今度はキャンバスで
 先生は朝御飯を食べて歯を磨いてお顔を洗ってから登校しました、皆と一緒にご自身の研究室に入ってです。
 この日はパソコンで論文を書いています、皆はその先生に尋ねました。
「昨日書きはじめた論文だよね」
「それを書いてるんだね」
「そうだよ、僕は論文は一つずつ書いていくんだ」
 複数の論文を書く様な状況でもです。
「一つの論文を書き終えてね」
「そしてそれからだよね」
「次の論文にかかるんだね」
「そして一つずつ書いて」
「そうして終わらせていくんだね」
「そうしているよ、だから今はね」
 書きながらです、先生は研究室の中に一緒にいる皆にお話します。
「美術の論文を書いているんだ」
「その論文の次の論文は?」
「書く予定あるの?」
「美術以外の学問で」
「どんな論文を書くの?」
「今度は数学の論文を書くよ」 
 理系の学問をというのです。
「そちらをね」
「ああ、数学ね」
「難しいよね」
「あれは難しいよね」
「とてもね」
「うん、ガロアの公式についてね」
 若くして決闘で命を落としたフランスの数学者です、天才と言われています。
「論文を書くんだ」
「ガロアね」
「何か数学の話はね」
「僕達よくわからないけれど」
「どうにもね」
「数学はね、教えるのが下手な先生の授業を受けたら」
 先生はこうしたこともお話しました。
「もうどうしようもないね」
「他の学問以上になんだ」
「どうしようもないんだね」
「もうわからなくなる」
「さっぱり」
「そうだよ、中には生徒さんに授業がわからないって言われても全然改善するつもりもない先生もいるからね」
 日本にはです、こうした先生として全く無能な先生もいるのです。
「お寿司屋さんが実家だからお寿司屋さんになればって言われたって笑ってた先生がね」
「それつまり先生辞めろってことだよね」
「結構以上にあからさまに言われてるね」
「教えるの下手だから辞めろって」
「転職しろって」
「そうしたことに気付かない様な人だから」
 生徒の人達にあからさまに教師不適格と言われていてもです。
「改善しないんだよ、けれど数学はわかりやすく」
「そう教えるものだね」
「人にお話するもので」
「論文もなんだ」
「そうあるべきなんだ」
「そうだよ、だから僕は今はね」
 書きつつ言うのでした。
「ガロアの公式もわかりやすく書いていくよ」
「そうしていくんだね」
「そこは先生らしいね」
「学問は楽しくわかりやすく」
「そのことに徹していくから」
「教えるのが下手なのは自分でもわかっていないからじゃないかな」
 数学、それがです。 
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