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ONEPIECE 空の王者が海を征す

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空の王者、さらば冬島

チョッパーと仲良くなったレウス、自分もナミの看病を手伝うと進言するがチョッパーはそれは認めようとしてくれなかった。理由として患者に看病をさせる訳には行かないし、まだ完全に疲れが抜け切っていないから安静している必要があった。致し方なくベットも戻って横になる事になってしまった、ご丁寧に点滴までして動かないようとチョッパーがしてしまった。

「これでよしっと、じゃあ俺は看病しに行くけど動いちゃ駄目だからな!安静にしてるんだぞ」
「はいはい。名医のチョッパー先生の言葉なら聞きますよ」
「う、うるせ~!そんな、名医だなんて言われても嬉しくねえぞ♪ふざけんなよ馬鹿♪」
「(感情が隠せないタイプみたいだな……)」

口では文句や罵倒を言って入るが嬉しさが隠しきれずにウキウキとステップを踏んだり声が高くなっているチョッパーに微笑ましい視線を送りながらしっかりと忠告どおりに布団に潜る事にした。チョッパーはそれを確認するとナミの看病へと向かおうとしたが、バダンっと強く扉を開ける音が木霊した。

「いたぞぉ肉ゥ!!」
「待てルフィだから食うなって言ってんだろ!!」
「うぉぉぉぉぉおおおまた来たぁぁぁぁあああああああ!!!!??」

大騒ぎをしながらドアを蹴破ってきたのはなんとおルフィとサンジだった、しかもチョッパーは明らかに二人に脅えたように叫びを上げながらもうダッシュをして逃げて行く。

「おおレウス起きたのか?!」
「ああ、どうやら疲れが溜まってたみたいだ」
「よしならナミさん共々力が付くトナカイ料理を……!!」
「「待てぇぇぇええええっっ!!!!」」

ナミと一応自分の為に行ってくれているのかもしれないが流石にそれだけは止めて欲しいと思って言おうとするがその前に二人はダッシュして去って行ってしまった、折角仲良くなれたチョッパーが次に会った時には仲間に調理されてましたなんて洒落にならない。だが今から追っても追い付けないし行き先も解らない、今はチョッパーの無事を信じるのと此処に戻って来た時は匿って上げる事を決めた。

「(チョッパーが仲間になってくれたら、良いのになぁ……)」

思わずそんな事を思いながら瞳を閉じる。まだ残っている疲労を癒す為に眠りに付く、完全には眠れてはいないがそれでも自分では起きていると思いながらも眠っているような状態にはなっていた。そしてそんな状態でそれなりの時間が経ったと思えた時だった、爆音が響き城全体が揺れていた。それに飛び起きるとまた爆音が響いた。

「何だ……?敵襲?悪いチョッパー起きるよ」

チョッパーに謝りつつ点滴を抜くとベットから立ち上がる、爆音がまだ続くと思ったが途中で音は途切れてしまった。兎に角状況を確認したいと部屋から出て廊下に出ると異常な寒さと周囲に降り積もっている雪に目を見開いてしまった。此処は城の中だと言うのに何故此処まで雪が積もって居るのかと疑念が積ったがそれを頭の隅に追いやると部屋に掛けてあったコートを借りて廊下を歩き始めた。

「城中雪だらけ……一部の部屋の扉は凍ってて開かない。もしかしてずっと城門でも開けてるのかこの城……?」

簡単な推測を立てながら足を進めて行くと妙に騒がしい事に気づきそちらへと足を進めて行くとコートを着ているナミを何かバケツのような何かが階段を降りている。凄まじく珍妙な光景に思わず思考が凍り付いてしまうが次の瞬間には更に凍りつく。バケツから高身長スリムな美男子……とお世辞でも言えないような男が飛び出してきた。もう訳が解らない、完全にレウスが混乱しているとそれはナミへと襲い掛かった、瞬間的にレウスは正気に戻り凍り冷たくなっている柵に乗りそのまま蹴る様にナミへと向かう。

「まずお前から食ってやるゥ!!マッハハハハ!!!」
「何しとんじゃ貴様ァァァアアア!!!!」「みっけぇえええええ!!!!」

レウスの竜化した際に左手の竜頭を振り抜き巨大な岩をも貫通する一撃が妙ちきりんな男、ワポルの頭部に炸裂し吹き飛ぼうとした時に全く別の方向から飛んできた足が頬を直撃、加速した足の打撃は高い攻撃力の一撃となってワポルに襲い掛かりそのまま石壁にめり込ませるように吹き飛ばした。その足の主は勿論ルフィであった。

「はぁはぁ……有難うレウス助かったわ……」
「大丈夫かいナミちゃん、まだ熱があるじゃないか。動いたら悪化するぞ」
「でも後三日も安静だなんて、じっとしてられない物」

疲労で倒れた自分と違ってナミの病状はれっきとした病、安静していなかれば再発してまた苦しみを味わう事になってしまう。だがナミはじっとなどしていられない、ビビは自分の国が大変な事態になっているのに自分の為にこの国に寄ってくれたのだから一刻も早く出航しアラバスタへと向かいたいのだ。その気持ちも良く解るがと渋るレウスだがそこへルフィがやって来る。

「おおレウスもう良いのか?」
「お蔭様でな、所であれなんだ?」
「ああ邪魔口だ、海賊邪魔口!!」
「何よ邪魔口って?まあいいわ、兎に角ルフィあいつ気絶してるし今の内にぶっ飛ばしちゃってよ。そうすれば、あんたがボロボロしたそのコートの弁償代、少しは安くするわよ?」
「なぁぁ!!?お前まさかこうなるって予想してたのか!?わ、解った直ぐにぶっ飛ばす!!」

「ナミちゃん……君も悪よのぉ」
「フフフ、小悪魔ナミちゃんだもん♪」
「ゴムゴムのバズゥゥゥウカアアア!!!」

後ろを見て見ると城の城壁ごと貫通して放たれたルフィのバズーカの一撃がワポルの腹部に炸裂しそのまま天高く打ち上げるかの如く、飛び去って行った。その速度はレウスの視力でも瞬時に見える圏内を越えていくほどだったとか。


敵の撃退も終了しルフィはチョッパーを仲間にすると言って追いかけて行った、それを見届けるとナミは部屋に戻れと言われビビはそれの見張りとして立たされた。自分もベットに戻ろうとするがドクトリーヌに下手に無茶な動きをしない限りベットに戻らなくても良いと言われたのでビビと共にナミを見張っている事にした。

「でもナミさん治療はしっかりと受けた方が良いわ、確かに早くは行きたいけど最高速度はナミさん元気でいるからこそ出るんだから」
「いいのよもう殆ど治ってる物、後は安静にしてればきっと大丈夫よ。それにレウスが作ってくれた奴は抗生物質でもあるみたいだし行けるでしょ」
「はぁ……俺としては君の身体を重視したいんだけどなぁ」

本人曰くもう何とも無いらしいがもしもアラバスタへの航海中に容態が悪化したら大変な事になる、ビビはこのまま治療を受ける事を進めるがナミは聞く耳持たない。そこへ新しい酒瓶を持ったドクトリーヌが入ってくる。彼女はビックホーンにてワポル達と戦った為に負傷したドルトンへと身体を向ける。

「ドルトン、武器庫の鍵は何所にあるか知ってるかい?」
「鍵、ですか?……あれは常にワポルが携帯していたので、今も同じなら恐らく」
「空の彼方、か……困ったねぇ……」

理由は解らないが武器庫になるであろう武器を何らかの為に使おうとしているのは察する事が出来た、ドクトリーヌにとって重要な事なのかもしれないと思った瞬間にナミの瞳が輝いた。懐から鍵を一つ出しながら意地の悪い笑みを浮かべながら言った。

「ドクトリーヌゥ~♪この武器庫の鍵あげるから、治療費はチャラで、加えて今すぐ退院させて♡」
「なっ!?ナミ君何故その鍵を!?」
「すったのよ、ワポルから」
「まさか、あの時に……!?」
「ご名答♪」

ワポルに襲い掛かられ圧し掛かられたあの時に鍵を奪った、なんという手癖の悪さ……そしてそれを機械を逃さずに交渉の材料とする彼女の性格にレウスは少し苦笑いするのであった。

「このアタシに条件をつき付けるとはね……!!良いだろう……。おいお前達ちょっと手伝いな力仕事だ!!」

ドクトリーヌは苦虫を噛み潰したような表情でナミから鍵を奪うように受け取りながらドルトンの身を案じる村人達を連れながら扉へと向かうが、治療費の免除しか認めないと言った。医者として退院は許せないと。ナミはそれに抗議するがそれを潰すように上から言葉がかけられた。

「良いかい子娘、あたしはこれから部屋をあける。奥の部屋にあたしのコートが入ったクローゼットがある。別に誰が盗っても困らない奴さね。そしてそこの小僧の治療は既に終わってる、だが決して抜け出すんじゃないよ!わかったね!!」

そう良い残すと今度こそ男達を連れて部屋から出て行った、ナミは肩を竦めると今の内にコートを着てレウスと一緒に逃げ出せと意訳したドクトリーヌの言葉を言う。それには全面的に同意である、素直でないと言うかなんと言うか……。と言う訳でナミはドクトリーヌのコートを一着失敬した、レウスはサイズの関係上駄目だったがドルトンが白の兵士達が使ってたいたと言う物を一着出してくれたのでそれを着る事になった。

「うるせえ!行こぉぉぉぉおおお!!!」
「……ぉぉぉぉおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!」

城を出た時、周囲に響き渡るかのような大声と嬉しさ混じりの涙声。ルフィとチョッパーの声だ、どうやらまだ勧誘を続けていたようだが上手く行ったようだ。ナミとビビと共に城門を通り過ぎるとチョッパーが此方へと走ってきた。

「レウス、俺、俺仲間になる事になった!!」
「良いのかチョッパー、来てくれるのか?」
「俺、海に出る!!」

キラキラと輝きながら嬉しそうにしているチョッパーの表情に思わず釣られて笑みがこぼれた、旅に同行しているという申し出はナミとしてもビビとしても嬉しい物だった。偉大なる航路の旅はまだまだ続いているのだから船医の確保は急務だった、それが今達成された。そしてビビとしてはこれでナミの病気に関する心配が消え去ったのだから。

「それじゃ俺準備してくる!!」

そう言って駆け出していく新しい仲間、トニ・トニー・チョッパー。正直かなり嬉しい。

「さてとチョッパーが来たら直ぐに出航するわよアラバスタへ!ビビも文句ないでしょ?」
「ええ。船医さんが一緒に来てくれるのなら」
「にしてもあのトナカイが船医か……後で食材に使用としたこと謝らねえとな」
「お前んな事してたのか……?」

いよいよこの島からも出航となる、アラバスタへと向かう途中急遽寄った島だったが結果的には寄って正解だったかもしれない。新しい仲間を得る事が出来たのだから、これでより安全に航海をする事が出来る……。そしていよいよ迫るアラバスタ、反乱を止め国を救うと言う一海賊団にしては手に余る物なのに皆の顔に戸惑いの色は見えない。ビビはそんな皆に励まされていると城が騒がしい事に気づいた。

「ねえレウスさん、城が騒がしくありません?」
「そうだな……何を騒いでるんだ?」
「全く野暮なんだから……感動の別れになるんだから静かにしてやれば良いのに」

同意しようとしたとき、チョッパーが姿を表した。が何故かソリを引きながらモーニングスターを振り回しているドクトリーヌに追われている。

「ってチョッパー追われてる!?」
「あの婆なんてもん振りましてんだよ!?危なすぎるだろ!?」
「皆ソリに乗ってぇ!!山を降りるぞぉぉ!!」


「はぁはぁ……」

息を荒げながら見下ろす景色には張られたロープの上を駆け下りて行く一匹のトナカイとそれに引かれているソリに乗った者達が見える。あのスピードならもう山を降りきった頃だろうか……チョッパー、自分の医学の全てを叩きこんだ助手。

―――そうだよトナカイだ!!でも、男だ!!!

反対する自分に強く反発したチョッパーのあの言葉、泣き虫だったトナカイがあんな言葉を言えるようになったのかと少し感動してしまった。

ならさっさとやってしまおう、あいつ(藪医者)の夢を。傍に見続けてきたチョッパーにみせてやらなければ。

「用意は良いかい、若造共!!撃ちな!!」

―――この日、冬島、元ドラム王国。雪に閉ざされ年中雪が降り続けるこの島に……鮮やかな桜が咲いた。 
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