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ドリトル先生と悩める画家

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第一幕その九

「来てもらったんだ」
「僕の説明は役に立ってるかな」
「凄くね」
「こうしたものが生まれる下地が当時の日本にあって」
「生まれたもので」
「こうして残っているんだ」
「絵のタッチもだね」 
 王子は今度は浮世絵のそれも観て先生に言いました。
「北斎や写楽もあるけれど」
「うん、どちらも独特だね」
「歌麿も」 
 見れば三人の絵もそれぞれあります、この美術館にはそうした人達の絵も飾られています。とても大事そうにそうなっています。
「これはセンスかな」
「それぞれの画家のね」
「そしてそのセンスが受け入れられる」
「それもまた当時の日本なんだ」
「成程ね」
「懐が広くて豊かだから」
「受け入れられているんだ、そして北斎はね」
 先生は北斎の絵を観ています、今度は。
「九十歳位まで生きていたけれど」
「当時では物凄い長生きだよね」
「今でもその方だね」
「そうだよね」
「けれどあと十年生きていたら本当の画家になれたって言ってたんだ」
「十年って」
 そう聞いてです、思わずこう返した王子でした。
「百歳じゃない」
「そうだよ」
「百歳まで描いでなんだ」
「本当の画家になりたかったんだ」
「とういうかそれまでは本当の画家じゃなかった」
「そう言っていたんだ」
 そうだったというのです。
「北斎はね」
「とんでもない話だね」
「そうした話も残っているんだ」 
 葛飾北斎という人にはです。
「実際に」
「そんなお話もあるんだ」
「富士山の絵で有名だけれど」
「ええと、三十六景」
「その絵でね」
「そうしたお話もあるんだね」
 王子も聞いて頷きます、そして動物達は富士山について言うのでした。
「ここの浮世絵でもあるしね」
「富士山ってよく絵とかになるよね」
「日本人って富士山好き?」
「それもかなり」
「そうだよ、富士山は特別な山なんだ」 
 先生は動物の皆に富士山のことをお話しました。
「霊山とも言われていてね」
「へえ、そうなんだ」
「そこまでの存在なの」
「ただ日本で一番高い山じゃなくて」
「そんな山なんだ」
「そうだよ、昔から歌にも歌われていてね」
 そうしてというのです。
「特別な存在なんだ」
「富士山はそうなんだね」
「日本人にとっては」
「それだけ特別な山なんだ」
「霊山って言われる位に」
「信仰の対象になっているよ」
 そこまでだというのです。 
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