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歌集「春雪花」

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 夜も深し

  未だ望めぬ

   暁の

 届かぬ君の

   想いに沈みし



 真夜中を過ぎても、朝になるには時がある…。

 恋しくて…会いたくて…叶わぬと知りつつも手を伸ばす…。

 決して届かない想い…この淋しさと哀しみは夜の闇に溶けて…


 私も闇に…搦め捕られて…。



 若草に

  落つる日溜まり

   懐かしき

 残るは痛む

    君との思い出



 春の陽射しに、様々な草花が顔を出す。

 繁縷、土筆、蓬、紫苑、白詰草…それらは競うように日を浴びて、春を謳歌するように地を染める…。

 そんな春の日溜まりは、実に多くの思い出を過らせる…。


 しかし、最後に残るのは…彼との思い出。

 何とも虚しいばかりだ…こんな麗らかな春の日に、溜め息しか出ないとは…。



 
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