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マイ「艦これ」(みほちん)

作者:白飛騨
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第54話<各人各様>

 
前書き
パーティが始まり、様々な思惑が交錯する。やがて司令は一人で外へ出るのだった。
 

 
「司令っ! 許せますか!」

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マイ「艦これ」「みほちん」
:54話<各人各様>(改)
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 舞鶴がその黒髪の艦娘に近づくと彼女は避けるように食堂から出ていった。
一瞬、固まったような舞鶴も当然、直ぐに追いかけていく。

「……何だ、あれは?」
まるでカップルのケンカだ。

 でも食堂にいる、ほとんどの艦娘や参謀たちは全然、気付いていない。

「まぁ、もともと存在感の薄い舞鶴だから」
仕方が無いな。

 これは果たして美保鎮守府にとって幸いなのか不幸なのか? よく分からない。
ただ、あの黒髪の艦娘は美保の所属らしいから無下に放置も出来ないかな?

 彼らの行動が気になる。祥高さんに相談しようか。
 しかし今日はパーティだ。雰囲気は壊したくないし、乾杯直後に基地司令が中座するのも気が引ける。

 ふと会場を見ると呉のおじさんはモミジ饅頭とか、お菓子の類を、お店が開けるくらい大量に持ってきている。一体何処にそんな大量の饅頭が隠されていたんだ? 呉おじさんは補給艦か……謎だ。

 艦娘たち……特に駆逐艦娘が一斉に、お菓子に群がっている。女子は甘いものには目が無い。聞けば呉には孫娘が居るらしい。一種の「おじいちゃん」的感覚かも知れない。

 一方の神戸は夕方早々に厨房に入って自分でカリーとかパスタを調理したらしい。神戸って実は料理作るの上手かったんだ。その土地柄かハイカラな人が多いのだろう。

 そして比叡が、すっごく恨めしそうな目をしている。その彼女がズンズンとこっちに来るぞ。おい……目つきが鋭いって。

「司令っ! 許せますか!」
すごい剣幕、たじろぐ私。

「……な、何が?」

 比叡はビュッと神戸を指差して言った。
「あの若い参謀さんは、なんで料理が上手なんですかっ!」
「知るかっ! そんなの」

だが比叡は、かなり膨れている。
「おい、こんなことに対抗意識を燃やしてどうすんだ?」

私の言うことは比叡は無視。

 でも、あの神戸は育ちが良さそうだ。きっと彼が生まれた環境とか背景も、あるのだろう。

 今度は、その神戸の料理に赤城さんが急接近している。ニコニコしながら、あぁ、赤城さん大皿を全部取ったらダメだって……まさに破竹(駆逐)の勢い。

「あ、そうか」
 祥高さんが前に言っていた『大喰らいの艦船』ってゼッタイ赤城さんのことだな。なんか私が知っている以前よりも食べる量が増えてないかな?
 彼女が日ごろから言っている「慢心は敵だ」って言う言葉が空しいぞ赤城さん! 少しは遠慮ってものはないのか?

 振り向くと、相変わらず呉はやさしいジイジになってるし。
鳳翔さんは美味そうなパスタのレシピを神戸から聞き出そうとして必死にメモって居る。

 今日は各人各様、不思議な鎮守府だな。

 しかし、さっき外に出た舞鶴が気になる。そろそろ会場も落ち着いてきたから私も索敵してみるか?

「ちょっと風に当たってくる」
私は祥高さんに断りを入れてウッドデッキへと向かった。

 デッキで飲食している艦娘たちの向こうに、ちょうど夜の海が見える。美保湾には、くっきりと月が出ていた。

「月光か」
 索敵には、うってつけの夜だ。
 
 

 
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/

最新情報はTwitter
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PS:「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。  
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