ログインしてください。

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十三部第一章 次期総統その八

「連合軍も然りだ」
「我等が罪を犯していないからですか」
「捕虜には何もしなかった」
「その待遇は悪いものではなかった」
「そうだったのですね」
「連中は野蛮で残虐だが法律に根拠を求める」
 エウロパは認めていないが連合もまた文明国である、それで法律を重んじそれに従って行動するのである。
「あの国もまたな」
「そして、ですね」
「法律に基づいて動き」
「我々にも手を出さなかった」
「一般市民にも」
「そのことも認める」
 連合軍が一般市民を一切攻撃しなかったことをだ、軍事施設であっても一般市民がいるのならば攻撃を一時中止して退避させた程だ。
「とはいっても野蛮で下品な連中だが」
「数だけの」
「そしてものを持っているだけの」
「しかも混血している」
 このことも言うのだった。
「全ての人種がな」
「複雑にですね」
「混血し合っていますね」
「階級も何もなく」
「混沌とさえしているまでに」
「血は守るものだ」
 貴族としての言葉だ、貴族は血筋によって貴族となる。だからこそギルフォードもこのことを強く言うのである。
「貴族は貴族でありだ」
「平民は平民ですね」
「棲み分けられるべきでもありますね」
「同じ法律は適用される」
 もっと言えば同じ罪を犯しても貴族の方が処罰は重い。このこともまたノブレス=オブリージュの一つとして意識されているのだ。
「しかしだ」
「階級は存在しており」
「職業分化や社会秩序も形成していますし」
「必要なものです」
「世の中にとって」
「平民は平民のことを考えてだ」
 そして、というのだ。
「貴族はその平民を守る」
「貴族が平民を傷付ければ厳罰に処されますし」
「セクハラもその対象です」
「自由戀愛も認められはいますし」
「むしろ平民の方が気楽ですらあります」
 様々な義務とされている事柄があるからだ。
「彼等はよく我々を腐敗した特権階級を言いますが」
「それは連合の者達が我々をわかっていないからです」
「知らないが故にです」
「そう言っているだけでしょう」
「その通りだ、連合はエウロパのことを知らない」
 それこそ何一つとして、というのだ。
「しかしだ、我々はだ」
「連合のことを知っていてですね」
「そうして、ですね」
「彼等を越える」
「そうしますね」
「そうだ、それでだ」
 だからだというのだ。
「あの国のことを理解もしたうえでだ」
「復興、そして発展ですね」
「敵も知ったうえで」
「野蛮だが法律は守り数と国力は持っている」
 それが連合だというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧