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星河の覇皇

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第六十三部第一章 次期総統その五

「そうした考えもあるな」
「小国の方がいいと」
「確かにそうした考えもあるだろうが」
「しかし、ですね」
「現実は違う」
「国際政治はですね」
「大国であるべきだ」
 それが現実だというのだ。
「大国であれば色々と足りる」
「そして多くのことが出来ますね」
「これは何時の時代でもそうだ」
「大国が笑うということですね」
「連合の中を見ればわかる」
 その三百以上ある国々で構成されているこの国のことを言うのだった、彼等の敵である他ならぬその国である。
「大国が横暴を極めていますな」
「同じ連合の中で」
「常にいがみ合っていますね」
「醜いことですが」
「小国を虐げています」
「もっとも小国も小国で合従連衡を繰り返していますが」
 これが連合だ、連合の国々は小国だからといって泣き寝入りはしない。大国に対しては毅然と向かい合うのだ。あらゆる手段で。
「中々強かであります」
「利害を同じくする国と手を結び当たります」
「そして大国に対します」
「小国は小国で対して」
「そうなっていますね」
「そうなっているが連合はだ」
 この国はというのだ、あらためて。
「大国が強い」
「そして.サハラもですね」
「あの国もですね」
「大国が勝ち残ってきた」
「大国となった国が」
「そうだ、あの国も大国だ」
 まさにというのだ。
「大国となった国がだ」
「生き残って、ですね」
「そして、ですね」
「今に至りますね」
「結局力なのだ」
 極めてクールにだ、ギルフォードは言い切った。
「力が法律であり正義なのだ」
「大国の正義が、ですね」
「それがなのですね」
「その連合も中央政府の権限がやはり最も強い」
 確かに権限はエウロパ中央政府と比べてかなり弱いがだ。それでも連合でも中央政府が一番強い権限があるのだ。このことは事実だ。
「それ故にだ」
「中央政府が法ですね」
「連合でもまた」
「連合で一番の大国は中央政府だ」
 まさにそうなるというのだ。 
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