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~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force

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異世界へ憑依

 
前書き
こんにちは!
世の中から人類同士の戦争や武力紛争がなくなって欲しいな、と割と本気で思ってるのですが、人類の歴史は戦争の歴史と言われているくらいだから・・・難しいのでしょうね。
闘技場みたいなところで勝敗決めれば一般市民の被害が無くて良いのに、とお花畑な事を夢想する春先です。 

 
優奈の一家はS首長国の総攻撃が始まる少し前にK共和国の首都郊外までは避難できたが、あともう少しで抜けられるというところで避難民の群れに阻まれて立ち往生したそうだ。
・・・そして間もなくS首長国軍の砲爆撃が開始されて近くの空き家へ避難したのだが、その時急にあたりに閃光が走ったかと思えば、次の瞬間は暗い空間にふわふわと浮かんでいるような感覚に変わったそうだ。
「その感覚・・・俺もこっちに来るとき経験したよ。」ほぼ同じ状況だな、きっと。
「ねぇ、という事は大輔くんも・・・あっちでは死んじゃったの?」優奈はすごい悲しそうな顔で俺の顔を見てるけど、俺だって優奈が死んだんだ、と思ったらほんとうに悲しいよ・・・・。
「うん、タクシーに乗ってたら真横からダンプが突っ込んで来て・・・・その後は覚えてないから、死んだはず。実はさ、俺向こうでは・・・32歳だったんだ。」言いたくないなぁって思ってたけどどこかでバレる気がするから正直に言っちゃった。
「え?!じゃぁずいぶん年上なんだね。お兄さんって呼んだ方がいいかしら?」優奈はいたずらそうな微笑を向けてきた。
「それはやめてくれ・・・・あれ?優奈は何歳の頃からこっちにいるの?」年上かどうかはこれで決まるだろうさ。
「えっと、前の世界を思い出したのはこっちで3歳の時だよ?大輔君は違うの?」
「フフフ・・・・という事は、向こうの歳を合わせると優奈の歳って俺と同じじゃないか?」
「え?えっと、9歳プラス気づいてから23年だから・・・・・32だ・・・・。」
ほらほら俺に死角はなかった!うんうんまぁ32歳ならこの母性感はうなずけるな。
「優奈、アラサーって言葉知ってる?」
「なに?それ?」・・・・神様、女の子が首を傾げるしぐさってどうして可愛いのでしょうか?
でも「アラウンドサーティ、30歳前後の人って意味だよ。」容赦ないなぁ俺・・・。
「・・・ぶー!!大輔君デリカシーに欠ける!!」優奈はその意味に気づき、頬を膨らませてむくれた。
「あ、ごめんごめん。何だかんだで、俺と優奈の実年齢は一緒だと思ったらちょっとうれしかったんだよ!」
「なんか誤魔化しにもなってない気がするけど・・・仕方ないから許すよ。大輔君だからね・・・。」
んー、やっぱ俺ってデリカシー無いだろうし、コミュ障だし、そう言われても仕方ないのか・・・。
「でも、大輔君が覚醒した時期は、たぶんだけどね、最初に浮遊していた小惑星・・・降着ユニットだっけ?その調査の時に気を失って目覚めた後の大輔君がその前の大輔君と全然雰囲気変わってたから、そのあたりでしょ?」
「・・・ビンゴだよ!すげーな優奈!」て言うか、そんなにわかりやすかったのか・・・?
あれ?でも俺の意識が入り込む前のこの俺の意識ってどうしたんだろう?まさか俺の意識が取って代わっちゃったから・・・まさか死んだとか・・・じゃないよね?・・・・それ以前の記憶もちゃんと残ってるから、元のダイスケに重ねられただけ?だったらいいのだけど・・・。
それを今考えても仕方無いか・・・次に純夏に会った時に訊いてみよう。
「うん、なんかね、それまでの大輔君はなんかちょっとスカした感じっていうか、仕事は出来るけど薄っぺらな感じ?だったのだけど、あの時からは懐かしい大輔君の感じがしたんだよ?だから本当にそうなのか確認したくて二人きりでお話しする機会を探してたんだ。」なるほど!それで俺はストーキングを受けた訳ですね!・・・まぁでも美人のストーキングなら歓迎・・・はしないまでも、そこまで嫌な感じはしないのかな・・・。

窓外を見ると遠くに流星群が見えたので優奈に教えた。
「わぁ綺麗だね!・・・・・・・・あ、でも今までこんなこと思わなかったけど、向こうの人たちから私たちはあの輝く星か流星になった、とか言われてるんだろうなぁって思うとちょっとしんみりしちゃうね・・・。」
「うん、そうだね・・・・優奈は悲しい?向こうに帰りたい?」
「ううん、不思議だけど、そうは思わないんだ。」
「そっか・・・優奈はもう心の整理というか踏ん切りをつけているんだね・・・23年もこっちを経験したらそれくらいにはなるか。」
「そうかも知れないね・・・大輔くんは向こうに帰りたい?」ちょっと不安げな表情で優奈はそう訊いてきた。
「うーん、そうだなぁ・・・・・あまりそう思わないかなぁ。」不思議と未練とかは無いんだよな・・・。
優奈がこちらに来た時の経緯も訊いてみたが、彼女は純夏とは会っておらず、なぜこちらの体に憑依したのかもわからないそうだ。
その辺は俺やタケルちゃんとは違うみたいだ。

今のところ、どこまで話して良いか判断がつかなかったのでタケルちゃんの詳細はまだ伏せてある。
ただ、碓氷中尉や遠野中尉達と同郷らしいという事だけは艦隊上層部にはカミングアウトしていたので、その程度しか情報は無いと思うけど、いずれはタケルちゃんの同意をもらって詳細を教えようと思う。
そうしないと、うまく連携が取れないことだって出てくるかも知れないしね。
てゆうか、タケルちゃんの戸籍とかってどうなってるんだろう?
さすがに正規のものじゃないと軍にはいられないだろうから、たぶん大丈夫なんだろうけど・・・これも今度訊いてみよう。

そうそう、これを訊かないと!「そういえばさ、ラガール攻略前の作戦会議の時にさ、なんで俺が思ってる事わかったの?」いまだに不思議なんだよなー。
「ああ、それね・・・・なんて言うかわかっちゃうのよ。」
「いや、それ答えになってないし・・・。」
「ごめんね・・・でも説明がつかないんだけど、大輔君が困ってる事があるとね、頭に浮かんでくるの。」
「ひょっとして超能力みたいな?心が読めるとかなの?」やべぇ優奈さんが社霞(やしろかすみ)化してる?
「ううん、全部わかるわけじゃないけど、大輔君が特に困ってる時だけみたい。」
「ふぅん・・・まぁ正直すごく助かってるから、俺は有難いと思ってるけどね!」
「だったら良かった!これからも助けてあげるからね!」
「うん、ありがとう!」でもほんとに全部読んでないよね?えっちい事考えた時とか心読んでないよね?よね?・・・・・・・・。
「ふふふ・・・。」なぜ笑う?!・・・・・・・・・。

翌朝、微妙に疑惑を残してくれた優奈と遅くまで話し込んだせいで寝不足だったが、眠い目をこすりながら朝食をとった。
ちなみに今日はベイクケーキというパンケーキそのものにクリームとイチゴジャムの付け合せ、フルーツの盛り合わせ、ヨグールという想像通りのヨーグルト、ミルク・・・なぜかとても女子力高そうなメニューになってしまった。
朝食を終えて情報部ルームへ行きラガールでの戦闘詳報を再精査しながらタケルちゃんに戸籍の話を聞いてみたら、俺と同じラグナールシティ出身という事になっているらしい・・・。
でも、あのカミングアウトはどうなっちゃうんだろう・・・・。
と、あれこれ考えてるうちにオルキス本星からの交代部隊が到着したという連絡が入り、艦隊はオルキス本星へ向けて帰投する事になった。
交代部隊とともに工兵部隊も到着したので、ラガールの施設は徐々に再建されることになるだろう。

一応これでオルキス領内へ侵入してきたBETAは全て駆除された。
それにしても、繁殖力の向上の件といい色々と厄介な事になっているようだ。
俺は俺でこれからは少し手が空くので、ゲートのワームホール内にあると推察される外宇宙との接続ポイントの特定と調査を始めようと思う。
俺の考え(半分は勘だけど)では、ワームホールはMuv-luv世界の太陽系につながっている気がしている。
そうじゃないと最初に迷い込んできた降着ユニットが核攻撃と思われる痕跡を残しているのは不可解だからだ。
俺の予想では、月から射出された降着ユニットが監視衛星に捉えられて、米軍の戦闘衛星から発射された核ミサイルの迎撃を受けたのではないかと思っている。
まぁわからないのは、その際にどうやってワームホールが開いたか?なんだけどね。
ものすごいエネルギーを発生させて空間を歪ませるとか?・・・・でも核爆発くらいでワームホールが開く訳ないしな・・・ん~そういえば核とG元素って合わせて爆発させるとすごいエネルギーになりそうだな・・・・そういえばG元素って重力エネルギーだしな。
よし、今度実験してみよう!

「そういえばダイスケさん、碓氷中尉達が乗ってた不知火や激震なんですけど、側だけ残して魔改造したらすごく面白そうなんですけど、許可もらえませんか?」タケルちゃんが急に戦術機を改造したがって来た。
ん~、でもな・・・「タケル・・・それはオルキス政府をはじめ、日本帝国政府や国連に許可取らないとさすがにマズイだろう・・・別に鹵獲した訳じゃないしな。」
「そっか・・・・そうですよね・・・・。」タケルはちょっとうなだれた。
「そういえばタケルはXAM-3の開発とかに関わって戦術機の機能向上に積極的だったよな?」
「そうですね・・・そうした方が生存確率が格段に上がるんで、やらない手はないって思ったからっすよ?」そっか・・・タケルちゃんなりに考えてるんだな。
考えてみればスクワイエルをそのまま供与した方が早いんだろうけど、無理な科学技術の進歩は人類のパワーバランスを崩す可能性があるから避けるべきだろうしね。
「まぁ、地球に行ったらその辺も交渉議題の一つにしてもらおうな。」
「はい!是非お願いします!!」タケルちゃんは嬉しそうに返事をしてくれた。
そうこうしているうちに艦隊は出航して一路オルキス本星へ向かう。 
 

 
後書き
優奈さんが霞みたいになってきていますが、べつに大輔に「あーん」とかはしない予定です。
あれは純夏の脳をリーディングしたからで、タケルちゃんの特権だと私は思っていますので。。。 
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