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星河の覇皇

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第六十二部第五章 当選その四十五

「技術もな」
「それもだな」
「エウロパを凌駕しないと駄目か」
「追い抜かされずに」
「このまま発展していくべきか」
「大航海時代から帝国主義時代、そして二度の大戦まで」
 つまり白人支配の時代だ、連合ではエウロパ人の先祖達が好き放題に振舞っていた暗黒時代となっている。
「何故奴等が我々を支配してきたか」
「技術だったな」
「それがあったからな」
「特に産業革命からだ」
 それより以前の鉄砲や大砲もそうだが特にこれが大きいというのだ。
「蒸気や鉄道、そして電気等でな」
「奴等は圧倒的な技術力があったからな」
「それで俺達を支配してきた」
「人口では劣っていても技術があった」
「だから技術もだな」
「俺達には必要だな」
「奴等以上のな」
 つまりエウロパ以上の、というのだ。
「それが必要だ」
「だからだな」
「より発展しない駄目か、技術も」
「これまで以上に」
「現状に胡座をかかずに」
「立ち止まったら終わりだ」
 最早その時点で、というのだ。
「停滞は衰退と同じだ」
「大航海時代から大戦までの俺達がそうだった様にな」
「中南米の帝国もだったな」
 アステカ帝国やインカ帝国である、豊かな国力を持っていたが軍事技術が劣っていた為にスペインに滅ぼされたと言っていいだろうか。
「技術も必要か」
「奴等以上のそれが」
「現状に胡座をかかず」
「それに満足せず」
「今以上にな」
「強くしていくことだな」
「これまで以上に」
 こう言ってだ、そしてだった。
 彼等はだ、こう言うのだった。
「発展だな」
「エウロパに対抗する為にもな」
「豊かになっていくか」
「さらに」
 見ている者は見ていた、エウロパの復興と発展を。それは殆どの者が気付いていなかったがわかる者はわかっていた、その国の未来を。


第六十二部   完


                         2014・8・22 
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