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遊戯王ARC-V 千変万化

作者:ユキアン
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第9話


「ドローソースはこれで十分だろう。とにかく掘りまくってキーカードを用意しないと。あ~、【融合】は2枚で【置換融合】を1枚突っ込んで、【融合回収】は1枚あれば、いや、2枚積むか?本番のことも考えると【マスク・チェンジ】は入れたくないんだよな。【ミラクル・フュージョン】は3枚、モンスターは全部ピンでいいか」

前夜祭のエキシビジョンに向けてデッキの調整を急ぐ。まさか連れられたその日が前夜祭とかスケジュール詰めすぎだよ。Dホイールの練習もしておきたいのに、それに加えてアクションデュエルの要素を加えた【クロス・オーバー・アクセル】を使用するだなんて。

「とりあえずメインの40枚っと。EXは下手にエクシーズを入れるよりも融合オンリーでいいよな。この15枚でいいよね」

用意したデッキをケースに収める。丁度いいタイミングでノックされる。

「どうぞ」

「失礼します。スーツとヘルメットです。サイズは合っているはずです。市販の物をサイズ調整しただけですので、微調整が必要なら直ぐにできます」

「ありがとう、助かるよ。すぐに着替えるからちょっとだけ待ってね」

一流のマジシャンでもあるオレにとって早着替えは必須スキルでもある。10秒で着替え終え、練習用のコースに案内してもらう。Dホイールに搭乗し、簡単な操作のレクチャーを受けてからデッキをセットして走り出す。意外と安定しているけど、思った通りには動かせない。無理な走りはできそうにない。【スカルライダー】に乗ってのデュエルの方が楽かな。

無理矢理時間を作ってもらったので練習に時間を執れなかったけど、無様な姿を晒さずにすむ。一度控室に戻り、ソファーに寝転がって本番までの時間を潰す。

「そろそろお時間です」

「うあっ?ああ、もうそんな時間?」

ソファーから飛び起きて伸びをして体を簡単に解す。

「うっし、行こうか」

移動中、何度も案内の少年がチラチラとオレのことを見てきていた。

「どうかしたのかい?」

「あっ、いえ、その、榊遊矢さんは、他の地区でのチャンピオンなんですよね?」

「そうだよ。まあ、正確にはチャンピオン代理ってのが正しいかな。本来のチャンピオンが行方不明で、ちゃんとデュエルで勝ったわけじゃないからね」

「でも、変わらなかったんですよね」

「どういうことだい?」

「キングは、変わってしまった。コモンズのスラムで育った彼はキングになり巨万の富を得てから僕達を見下すようになってしまった。ずっと、応援していたのに。カードがなければくれてやる。お前にふさわしいカードをなって、このカードを」

「【調律の魔術師】じゃないか。効果は微妙に違うけど」

案内の少年が見せてくれたのは【調律の魔術師】単体では使い難さ抜群だけど、ちゃんと見れば優秀だ。低レベルチューナーで闇属性で魔法使い族、サポートカードは豊富で攻撃力も低いので落とし穴系列のカードに引っ掛かりにくい。何より可愛い。キングも中々良いセンスを持っている。

「良いカードじゃないか」

「っ!?貴方までそんなことを言うんですか!!」

案内の少年が激怒するが、デュエリストとしてのレベルが低いんだろうな。デュエル語もほとんど扱えないんだろう。オレは直接会って、そういう風に言われて渡されたわけじゃないけど、キングが言いたかったことは完璧に分かるもの。

「レベル1、闇属性、魔法使い族、攻撃力400、チューナー。サポートカードは豊富で相手の除去から逃れやすい。良いカードだ。効果は癖が強いけど、逆に言えば、使いこなせればデュエリストとしての腕が上がっているという証拠にもなる。キングはこう言いたかったんだろう。これを使いこなして伸し上がって来いって。与えられるんじゃない、自ら勝ち取れって」

「そんな簡単に言わないで下さい!!僕らにはカードを買うことすら難しいのに。それなのにどうやって勝ち取れって、あいた!?」

不平不満しか口に出さない少年にでこぴんを御見舞する。

「キングだってコモンズのスラム出身だったんだろう。皆が諦めていく中で、頑張って、それこそ死に物狂いで、カードを拾い集めた。最初は寄せ集めだったろうさ。それでも少しでも相性の良いカードを、コンボが出来るカードを探して、考えて、勝って、負けて、勝ちの方が多くなって、勝ち続けて、そしてキングになった。君はキング以上に努力をしたと言えるかい?」

「それは、でも貴方は」

「1年」

「えっ?」

「父さんから貰ったデッキじゃなく、初めて自分のデッキを作って、初めて勝つまでにかかった時間。オレは負け続けたさ。大人だけでなく同年代にも負け続けた。それでも、オレは、オレが作りたかったデッキで勝てるまで諦めなかった。この世に不必要なカードなんて存在しない。そう証明したかった。オレは、キングの気持ちが分かるよ。彼は待っているんだ。最底辺から自分は頂点まで上り詰めた。オレに続けと、彼はずっと待っているんだ。だけど、君みたいに努力することを、登ることを止めてしまう皆を見てがっかりして、それでもここまで来いと何度でも訴える。次の世代は育っていっているんだ。5年かかろうが10年かかろうがキングは、ジャックは待ち続けているんだ」

メモ帳に孤児院の住所を書き込んで渡す。

「ここ数日オレがお世話になっていた孤児院の住所だ。そこに孤児院の皆で拾って作ったデッキを置いてきた。子供達にはデュエルで大事なことを教えた。行ってみると良い。そして、今日のデュエルを見て、ジャック・アトラスに向き合ってみるんだ」

「キングに、向き合う」

それから少年は【調律の魔術師】をもう一度見て、懐にしまい込む。少年が案内を再開してDホイールが置いてある場所に連れられる。

「なっ、違うDホイールだって!?」

「どうかされましたか?」

「今日のデュエル用のデッキ、練習に使ったDホイールに装着したままだ」

少年が青い顔をして頭を慌てて下げる。

「あっ、説明をし忘れていました。申し訳ありません!!」

「取りに行って間に合うかい?」

「いえ、もう10分で試合が。取りに行けば20分はかかります」

「そうか。ならば5分でデッキをでっち上げる!!」

急いで控室に戻りサイドデッキと余っているカードを広げて必要なカードを取捨選択して素早くデッキを組み立てる。下手なコンボを考えている暇はない。この大会のことも考えて試合ではなく大会を1つのステージに仕立て上げるマイクパフォーマンスも適当に組み立てる。

「君はデッキを取ってきてくれるかい。試合まではマイクパフォーマンスで繋げるから、観戦はできるはずさ」

「ですが」

「なぁ~に、こういう逆境で燃え上がらずにどうするのさ。それにデッキは仕上がった。君も急いで」

55枚のレギュレーションも確認し終えてDホイールが置いてある場所まで戻ってデッキを装填する。司会のメリッサさんの紹介と共にアクセルを全開にして会場に飛び出す。スタート位置に着いた後、キングの紹介が始まり、1輪のDホイールに乗って颯爽と現れる。

「キングは1人、このオレだ!!」

う~ん、格好いいな。そしてやっぱり口下手みたいだ。理解してくれる人がいないのが原因だろう。こういう人に限ってデュエルでは饒舌なんだよな。そんなことを思いながら、キングを挑発する。

「キングの座はどうでもいいけど、ピエロは1人、このオレだ!!」

会場の張り詰めていた空気がオレの台詞で変な笑いの空間に早変わり。キングへの注目が全部オレに集まった。

「ふん、自分で笑い者になりにきたか」

「ピエロは観客を笑わせるのが仕事さ。だけどな、サーカスでは一番重要な役割を持った配役でもある。こうやって日常から非日常への案内人で、夢を見せる大切な役割だ。笑われてるわけじゃない。オレが笑わせたんだ。貴方なら、オレが言いたいことが分かるはずさ」

「お前」

「皆と一緒に楽しむ。それがオレのデュエルだ」

「くっ、くははははは、良いぞ!!お前となら最高のデュエルが出来る!!」

「オレもそう思う。だけど、今日は前菜だ。オレの一端を見せるだけ」

キングにだけ聞こえる小声から会場中に伝わるぐらいの大声に変える。

「本日はフレンドシップカップにお招き頂きありがとうございます。この度はこのシティとオレの住む舞網の間での友好関係の構築のためにはるばるやってきました、舞網地区チャンピオン、プロデュエリスト、次世代ルーキーを集めたチーム、ランサーズのエース榊遊矢です!!今日はエキシビジョンという形で、一足お先にキングであるジャック・アトラス氏とのデュエルを行わさせて頂き、感謝しています。明日のフレンドシップでもそうですが、我々ランサーズはそれぞれがとある『テーマ』を表現するデッキを用意してきています。何故かと言いますと、我々舞網地区のデュエリストは人気も重要だからです。強さだけでなく、『テーマ』にプライドを乗せる。それがどういった魅力を発揮するか、お楽しみ下さい。そして、オレのテーマは『HERO』、他のメンバーは『忍者』や『魔王』や『ブラック経営者』なんてのもいます」

ブラック経営者(DDD)』に会場がまた笑い出す。コストは踏み倒すわ、そっちから契約を破棄しているのに違約金をとるわ、独占しようとするわ、圧迫面接までする最低企業だよ。まあ、国営企業なのに保険に入っていなかったのか、怪獣が5頭ほど暴れて倒産したけど。

「さあ、それでは『HERO』の序章、仲間の制止を振り切り、別の宇宙からやってきた孤独な『HERO』の戦い」

マイクパフォーマンスを終えてメリッサさんに手を振って進行を促す。

「今日は本気ではないということか。行政評議会にでも言われたか」

「それもあるけど、ちょっと不手際もあってね。本来用意したデッキではないのは確かだ。だけど、気を抜けば一瞬で葬ってやるぞ!!」

「良い気迫だ!!来い!!」

「それでは、【クロス・オーバー・アクセル】セット、ライディングデュエル」

「「アクセラレーション!!」」

アクセルを全開にするが、フルチューンを施されているキングのDホイールに引き離されないようにするので限界だ。

「先行はオレだ。貴様のデッキのテーマが『HERO』だと言うのなら、オレのデッキのテーマは『魂』!!オレはチューナーモンスター【レッド・リゾネーター】を召喚。『レッド』モンスターの召喚に成功した時、手札から攻撃力を半分にして【レッド・ウルフ】は特殊召喚できる。レベル6【レッド・ウルフ】に、レベル2【レッド・リゾネーター】をチューニング!!王者の咆哮、今、天地を揺るがす!!唯一無二なる覇者の力、その身に刻むがいい!!シンクロ召喚!!我が魂!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK3000

現れたのはオレの持つレッド・デーモンズの亜種。キングと共に激戦を潜り抜け、その力を増しているのが感じられる。これがキングの魂。たとえ傷つこうとも、雄々しく、傷跡すらも誇りだと言わんばかりに見せつけてくれる。これを見て、キングが、ジャックが言いたいことを完全に理解する。オレの想像は合っていた。オレはここまで傷ついたが、ここまで来れた。次はお前達の番だと。

「ジャック、アンタは最高のデュエリストだ」

「カードを2枚伏せてターンエンドだ。次は貴様の番だ。見せてみろ、貴様の誇りとやらを!!」

ジャック LP4000 手札1枚

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK3000
セットカード2枚


「ああ、見せてやるぜ!!オレのターン、ドロー!!オレは【おろかな埋葬】を発動。デッキから【E・HERO ネオス】を墓地に送る。そして【O-オーバーソウル】を発動。墓地から『E・HERO』通常モンスターを選択して特殊召喚。来い、遠い別の宇宙から平和を守るためにやってきた正義のHERO!!【E・HERO ネオス】」

E・HERO ネオス ATK2500

「通常モンスターだと?」

「【ネオス】は仲間と協力することで真価を発揮するHEROだ。だが、仲間達はまだ成長しきっておらず時を待っている。装備魔法【ネオス・フォース】を【ネオス】に装備!!」

E・HERO ネオス ATK2500→3300

「バトルだ。【ネオス】で【スカーライト】を攻撃!!ネオス・フォース!!」

【ネオス】が右手に集中したエネルギーを【スカーライト】の顔面に叩きつけるが、【スカーライト】は破壊されずに【ネオス】の右腕を左手で掴んで投げ飛ばす。

「リバースカード【レッド・クリスタル】このターン、『レッド』モンスターは破壊されない!!」

「だが、ダメージは受けてもらう」

ジャック・アトラス LP4000→3700

「オレはカードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、【ネオス・フォース】はデッキに戻る」

榊遊矢 LP4000 手札1枚

E・HERO ネオス ATK2500
セットカード2枚

「オレのターン!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】の効果を発動!!自身の攻撃力より低い攻撃力を持つモンスターを破壊し、破壊したモンスター1体につき500のダメージを与える!!アブソリュート・パワー・フレイム!!」

やばい、アクションカードはあった。こいつなら発動させるのはこっちだ。

「リバースカードオープン【神秘の中華鍋】を発動する。【ネオス】をリリースして攻撃力分ライフを回復させる!!」

【スカーライト】の炎にあぶられる前に【ネオス】が急いで鍋に飛び込みライフというスープになって消える。

榊遊矢 LP4000→6500

「ならばバトルだ!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】でダイレクトアタック!!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!」

「うわああああああ!?」

ちょっ!?よりにもよってパンチかよ!?

榊遊矢 LP6500→3500

「アクションマジック、【ダメージドロー】2000以上のダメージを受けた時に発動できる。カードを2枚ドロー!!」

「ほぅ、それがアクションカードとやらか。何やら拾っていたが、そういうカードか」

「そうさ。手札に1枚しか持てないし、セットも出来ないけど、手札誘発みたいにいつでも手札から発動できるカード、それがアクションカードさ。ジャックもどんどん拾って使ってみてくれ」

そう言うと、ジャックはちょうど近くにあったアクションカードを拾い上げる。

「なるほど。こういうカードか。オレはカードを1枚伏せてターンエンドだ」

ジャック LP3700 手札2枚

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK3000
セットカード2枚


「オレのターン、ドロー!!【死者蘇生】を発動!!甦れ【ネオス】!!そして、フィールド魔法【摩天楼 -スカイスクレイパー-】を発動。バトルだ」

「【ネオス】の方が攻撃力が低いのに攻撃だと?」

「【摩天楼 -スカイスクレイパー-】の効果を発動!!『E・HERO』が攻撃する時、相手のモンスターの攻撃力が高かった場合、攻撃力を1000アップさせる。行け、スカイスクレイパー・オブ・ネオス!!」

「アクションマジック【不撓不屈】を発動!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】はこのターン、戦闘では破壊されない」

「ダメージは受けてもらう!!」

ジャック・アトラス LP3700→3200

「ええい、また破壊できなかったか。カードを伏せてこれでターンエンドだ」

榊遊矢 LP3500 手札1枚
場 摩天楼 -スカイスクレイパー-
E・HERO ネオス ATK2500
セットカード2枚

「オレのターン!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】の効果を発動!!アブソリュート・パワー・フレイム!!」

「くっ、【ネオス】!!」

榊遊矢 LP3500→3000

「バトルだ!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】でダイレクトアタック!!」

「永続トラップ【正統なる血統】を発動。墓地の通常モンスター1体を特殊召喚する。【ネオス】を守備表示で特殊召喚」

「攻撃は続行する。【ネオス】を攻撃、灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!」

「対象の【ネオス】が破壊されたことで【正統なる血統】も破壊される」

「榊遊矢!!貴様は何を考えてそんなデッキを作った!!腑抜けたデュエルをする位ならサレンダーしろ!!」

「最初に言ったはずだよ。これは序章だ。【ネオス】は本来の力を発揮できていない。だから何度も破壊される。だけど、【ネオス】はHEROだ。何度でも立ち上がり、平和を守るために戦う!!それがHEROだ!!」

「ならば、本来の力を見せてみよ!!カードを伏せてターンエンド」

ジャック LP3200 手札1枚

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK3000
セットカード3枚

「なら、【ネオス】の本来の姿を見せよう!!ドロー!!【カードガンナー】を召喚して【機械複製術】を発動。デッキから【カードガンナー】を2体特殊召喚。そして3体のカードガンナーの効果を発動。デッキからカードを9枚墓地に送る。そして攻撃力を1500アップ」

カードガンナー ATK400→1900

「そんなモンスターでどうする」

「これは下準備さ。もう一手間加えるけどね。リバースカードオープン【ハイレート・ドロー】自分の場の機械族モンスターをすべて破壊し、破壊したモンスターの分だけカードをドローする。そして【カードガンナー】は破壊された時にカードを1枚ドローできる。よって、6枚ドロー!!」

手札を見て、とりあえず動けることを確認する。

「お楽しみはこれからだ。序章は終わり第1章の始まりだ!!【コンバート・コンタクト】を発動。手札とデッキから『N』モンスターを墓地に送って2枚ドロー。【コクーン・パーティ】を発動。墓地に存在する『N』モンスターの種類の数だけデッキから『C』を特殊召喚する。【ネオス】の危機に成長しきっていない仲間が駆けつける。そして、その友情が奇跡を呼び起こす。永続魔法【コクーン・リボーン】を発動。フィールドの『C』モンスターを墓地に送り、対応する『N』モンスターを墓地から特殊召喚する。現れろ、ネオスペーシアン達【アクア・ドルフィン】【ブラック・パンサー】【エア・ハミングバード】【グラン・モール】【フレア・スカラベ】」

繭に包まれた動物たちがオレの場に現れ、そして一気に成長する。

N・アクア・ドルフィン ATK600
N・ブラック・パンサー ATK1000
N・エア・ハミングバード ATK800
N・グラン・モール ATK900
N・フレア・スカラベ ATK500

「そんなモンスターで何をする気だ」

「まあ、待ちなって。【エア・ハミングバード】の効果を発動。相手の手札1枚につきライフを500回復させる」

榊遊矢 LP3000→3500

 「【スペーシア・ギフト】を発動。『N』モンスター1種類につき1枚ドローする。5枚ドローして、通常魔法【ヒーロー・マスク】を発動。デッキから【ネオス】を墓地に送り【ブラック・パンサー】を【ネオス】として扱う。行くぞ、ジャック!!これが【ネオス】の力だ!!【ネオス】と【アクア・ドルフィン】と【エア・ハミングバード】をデッキに戻す」

「デッキに戻す?一体何をするつもりだ」

「3つの力が1つとなった時、はるか大宇宙の彼方から、最強の戦士を呼び覚ます!!トリプルコンタクト融合!!銀河の渦の中より現れよ!!【E・HERO ストーム・ネオス】そして効果を発動。全ての魔法・罠を破壊する!!」

E・HERO ストーム・ネオス ATK3000

「そうはさせん。リバースカード【デモンズ・チェーン】を発動。【ストーム・ネオス】の効果と攻撃を封じる!!」

「ならば、2枚目の【オーバーソウル】で【ネオス】を呼び戻し、【グラン・モール】と【フレア・スカラベ】と共にデッキに戻してトリプルコンタクト融合!!来い【E・HERO マグマ・ネオス】」

E・HERO マグマ・ネオス ATK3000

「さらに【ミラクル・コンタクト】を発動。墓地の3枚目の【ネオス】と【ブラック・パンサー】【N・グロー・モス】をデッキに戻し、トリプルコンタクト融合!!【E・HERO カオス・ネオス】効果を発動。コイントスを3回行い、表の数で効果が変わる」

リアルソリッドビジョンで3枚のコインが生み出され、それを掴んで空高く投げ上げる。結果は全て表。

「相手の場のモンスターを全て破壊する」

「くっ、リバースカード【リボーン・パズル】効果で破壊されたモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。甦れ【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】」

「フィールド魔法を【ネオスペース】に張り替える。コンタクト融合で現れたモンスターは通常の空間ではエネルギーの消耗が激しく、エンドフェイズにEXデッキに戻ってしまう。だが、【ネオスペース】は【ネオス】達の故郷の宇宙。エネルギーが尽きることはない。そして【ネオス】とその融合体の攻撃力が500アップする。カードを4枚セットしてバトルだ!!【マグマ・ネオス】はフィールドのカード1枚に付き攻撃力が400アップする。オレの場には3体の【ネオス】とカードが5枚に【ネオスペース】ジャックの場には【スカーライト】と【デモンズ・チェーン】とセットカードが1枚。そして【クロス・オーバー・アクセル】の全部で12枚。よって4800アップ」

E・HERO マグマ・ネオス ATK3000→3500→8300

「スーパーヒートメテオ!!」

【マグマ・ネオス】が殴りかかりに行く。アクションカードは明らかにDホイールで取りに行けない頭上。だけど、この攻撃で決まらない。オレのデュエリストとしての勘がそう訴えている。そして、そのとおりになる。ジャックのDホイールが壁を駆け上がってジャンプし、【スカーライト】が足場となって、更にジャンプしてアクションカードを手にする。

「アクションマジック【奇跡】これによって【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】は破壊を免れ、ダメージも半分となる」

ジャック・アトラス LP3200→550

「【カオス・ネオス】で攻撃!!」

「永続トラップ【キング・スカーレット】を発動。これにより【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】の破壊を無効にし、さらに【キング・スカーレット】をチューナーモンスターとして特殊召喚」

ジャック・アトラス LP550→50
キング・スカーレット DEF0

「オレはこれでターンエンドだ。見たか、ジャック。これが【ネオス】とその仲間達、HEROの強さだ!!」

榊遊矢 LP3500 手札1枚
場 ネオスペース
E・HERO ストーム・ネオス ATK3500
E・HERO マグマ・ネオス ATK8300
E・HERO カオス・ネオス ATK3500
永続魔法 コクーン・リボーン
セットカード4枚

「確かに見せてもらったぞ、榊遊矢。【ネオス】と貴様のHEROに掛けるプライドを!!ならばこそ、オレも見せよう!!我が魂の輝きを!!オレのターン!!【ミラー・リゾネーター】を召喚。オレの道はオレが作る!!聞け、オレの魂の鼓動を!!感じるか?オレの命の高ぶりを!!見るが良い!!これがオレのデュエル!!飽くなき挑戦を続ける王者の叫び!!」

ジャックのDホイールがどんどん加速していく。それと同時にどんどんとジャックの力が【スカーライト】に伝わっていく。来るか、ダブルチューニング!!

「オレはレベル8の【レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト】にレベル1【キング・スカーレット】と【ミラー・リゾネーター】をダブルチューニング!!王者と悪魔、今ここに交わる。赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄叫びをあげよ!!シンクロ召喚【レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント】」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント ATK3500

ダブルチューニングで現れたシンクロモンスターに会場中が熱気に包まれる。オレの持っているダブルチューニングモンスターとはどう効果が違う。

「【レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント】の効果を発動。このカード以外のすべてのカードを破壊する。アブソリュート・パワー・インフェルノ!!」

「正統進化の効果か!!リバースカード【コンタクト・アウト】場の【マグマ・ネオス】をEXデッキに戻し、デッキから素材を特殊召喚する」

同時にアクションカードを探して拾い上げようとして、届かない。だが、【グラン・モール】が地下から現れてアクションカードを弾き飛ばしてくれたのをキャッチする。

「よし、場のカードが全て破壊された後、アクションマジック【ニトロ・ターボ】を発動。手札から魔法を発動させる。【リバース・オブ・ネオス】は、【ネオス】の融合体が破壊された時、デッキから【ネオス】を特殊召喚する。その後、【ネオス】の攻撃力を1000アップさせる。戦いはまだまだ終わらせない!!」

E・HERO ネオス ATK2500→3500

「着いてこれるか、榊遊矢!!バトルだ、【レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント】で【ネオス】を攻撃」

「攻撃力は同じ、ということはアクションカードが勝敗を分ける。良いぞ、勝負だ、ジャック!!」

アクセルを全開にしてジャックのDホイールの真後ろを走り、スリップストリームで距離を詰めていく。そして、アクションカードを取る一瞬の隙を付き、前に出る。

「アクションマジック【飛翔】攻撃力を600上昇させる!!」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント ATK3500→4100

腕をつかみ合っていた【タイラント】が翼を広げて飛翔して上空から【ネオス】を押しつぶそうとする。その前にアクションカードを拾い、墓地から罠を発動させる。

「墓地の【スキル・サクセサー】を除外して効果を発動。攻撃力を800アップさせる」

「甘い!!【レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント】の効果を発動。1ターンに1度、バトルフェイズ中に発動した魔法・罠を無効にして破壊し、攻撃力を500アップさせる」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント ATK4100→4600

「織り込み済みさ。アクションマジック【ジャンプコース】攻撃力を1000アップさせ、もう一枚、よし、【飛翔】で更に600アップ」

E・HERO ネオス ATK3500→4500→5100

3枚のカードで【ネオス】が【タイラント】よりも高く飛び上がり、ラス・オブ・ネオスの構えで降ってくる。だけど、2枚目を拾って体勢が崩れた所をジャックが追い抜きアクションカードを取られる。

「アクションマジック【スリップ】相手のモンスターの攻撃力を600下げる」

E・HERO ネオス ATK5100→4500

ええっ!?その名前ならアクショントラップじゃないのかよ。ええい、アクションカードはこの先に2枚。同時に取るのは不可能。時間的にはそれが最後のアクションカードだ。ジャックが右のカードを拾い、オレが左のカードを拾う。ジャックが使わない。なら先にオレが。

「アクションマジック【立体交差】お互いのモンスターの攻撃力を入れ替える!!」

E・HERO ネオス ATK4500→4600
レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント ATK4600→4500

「ふっ、普段のオレなら使わないのだろうが貴様となら悪くはない。アクションマジック【クラッシュ!】全ての表側のカードの効果を無効にし、バトル中のお互いのモンスターを破壊、その後攻撃力の合計分のダメージをお互いのプレイヤーに与える!!この効果に対してチェーンすることは出来ず、ダメージを無効にすることも出来ない!!」

「げえ!?【決戦融合-ファイナル・フュージョン】の上位互換!?」

本来使うはずだったデッキの切り札の上位互換に驚く。【ネオス】と【タイラント】の攻撃がお互いを捉えて大爆発を起こす。その爆風に煽られて、アクションマジック名の通り、オレとジャックのDホイールがクラッシュする。

榊遊矢 LP3500→0
ジャック・アトラス LP50→0

危なかった。超一流のデュエリストじゃなかったら死んでいたところだよ。クラッシュしたDホイールからデュエルディスクの部分を強引に外しとって起き上がる。オレのDホイールが下に来るように動かしたからジャックの方のDホイールは無事みたいだけど、オレの借り物は完全にぶっ壊れている。

「ジャック、無事?」

「無論だ。この程度、昔からよくあることだ。良いデュエルだった。今度は最初から本気のデュエルを楽しみにしているぞ」

そう言って右手を差し出してくるジャックと握手をして、心配している観客達に笑顔で手を振る。その瞬間会場が今日一番の盛り上がりを見せる。当初の予定とは大きく異なってしまったけど、会場が盛り上がって行政評議会の依頼通りジャックには勝たずに済んだ。最後は結構本気でやっちゃったから今になって冷や汗が出るよ。











すげえ、あいつすげえよ。最後の2ターンまではオレもジャックと同じでムカついてた。せっかくのデュエルだってのに、明らかに手を抜いていた。それが一気に変わった。連続ドロー、連続召喚、なにより柚子がやっていた融合召喚を更に難しくしたようなトリプルコンタクト融合、初めてのはずなのにジャックに引けを取らないライディングテクニック。どれをとっても最高のデュエリストだ。あいつのチーム、ランサーズだっけ?そいつらも凄いデュエリストの集団なんだよな。そんな奴らとデュエルが出来るなんて楽しみだぜ。柚子はたしかに凄いけど、柚子自身の力じゃない気がする時がある。何処か、デッキが答えてくれていない。そう感じる時がある。それが原因でランサーズに入れなかったのか?





遊矢がこの世界に来ている。私を追いかけてきてくれた。遊矢に似たユーゴは『征竜』で何度もボコったおかげである程度従順にはなってきたけど、勝手に動く癖だけはどうしようもなかった。勝手にフレンドシップカップに登録されたけど、これなら遊矢に見てもらえる。私も遊矢の隣に、傍にいれるって証明できる。お父さんも瑠璃もフレンドシップカップに出場している。二人にも分からせる。この力で。遊矢、もう少しだから待っていてね。





この衣装に袖を通すことは二度と無いと思っていた。だけど、オレ自身の決着を付けなかったせいで柚子は力に飲まれている。引退した時にデッキを手放していればよかったんだ。過去に完全に決着を付ける。『帝王』の最後の大会だ。遊勝さん、今回だけはオレはエンタメを忘れます。絶対に柚子を取り戻してみせます。



 
 

 
後書き
最初はリアルで所持しているデッキにモンスターがネオス3枚だけのデッキでジャックとデュエルをしようと考えていたのですが、序盤みたいな展開が蘇生札が切れるまで延々と続くことになっておもしろくないと感じたために大量ドローからの連続コンタクト融合に変更。そうすると今度はジャックが一気にピンチになってしまったために最後のアクションカード合戦+引き分けならこれしかないだろうと【決戦融合-ファイナル・フュージョン】の上位互換のようなアクションカードも用意したりとやりたい放題してしまいました。
 
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