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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1639話

「ザイード・ウィナーです。何でも私にお話しがあるとか?」

 俺の正面に座った男が、生真面目そうな表情でそう告げる。
 これがカトルの父親なのか。……こうして見ると、あまり似てないな。
 ああ、でも生真面目というとカトルも生真面目か?
 ともあれ、折角連合軍のコロニーに戻る途中でL4宙域にあるこのコロニーに寄って貰ったんだから、用事はしっかりと済ませないとな。
 まぁ、俺達が乗ってきたのはX-18999コロニーに向かう時に乗った宇宙船ではなく、もっと小さい……シャドウミラーの面子だけが集まっている戦艦だが。
 正直なところ、俺達がX-18999コロニーから消えてしまえば、それこそバートン財団が再び戻ってきてコロニーを占拠するのではないかと思っていたんだが……セプテムも強硬派に見えて、宇宙軍のトップだけはある。
 コロニーの占領を終え、俺達が宇宙船に戻ってから数時間もしないうちに連合軍の援軍がやって来たのだから。
 で、コロニーの占領はそっちに任せて、シャドウミラーは小型の宇宙船に乗って移動してきた訳だ。
 そして俺達はこのコロニーでウィナー家当主のザイードと面会出来た訳だ。
 最初は当然シャドウミラー……傭兵が相手という事で面会を断られたのだが、セプテムの紹介状のおかげで、こうして会う事が出来た。
 以前なら連合軍の……それも実際にコロニーの住民に圧政を敷いていた宇宙軍のトップを務めるセプテムからの紹介状ともなれば、会う事は会うが、間違いなく嫌な顔をされていただろう。
 それが、今では多少顔を顰めはするものの、こうして普通に会ってくれる。
 この辺り、ノベンタのコロニーに対する宥和政策というのが影響しているのは間違いない。

「ああ。実は……ああ、いや。その前に……実はうちの傭兵団には貴方の息子さんの友人がいるんだが、その辺りは知ってるか?」

 息子の友人。そう口に出した瞬間、ザイードの表情が厳しく引き攣る。
 ちなみにその息子の友人のデュオは今頃コロニーの中で買い物でもして気分転換をしている筈だ。
 そもそも、この部屋にいるのはザイード以外には俺だけだ。
 凛と綾子も連れてこようかと思ったんだが、今回はシャドウミラーとしてきたのではなく、あくまでもアクセル・アルマー個人としてやってきた……というのを、周囲に印象づける為だ。

「息子、ですか」
「ああ。それが誰で、今どこで何をしているのか……ってのは言わなくても分かるよな?」
「……はい」

 言い逃れは出来ないと判断したのか、ザイードは渋々であるが認める。
 へぇ、もしかしたら何とか誤魔化すかとも思ってたんだが。
 まぁ、ここで下手に言い逃れをしても、後日連合軍に追及されるかもしれないと考えれば、それは当然か。

「そうか。ああ、安心するといい。別に俺はこの件を連合軍に話すつもりはない」
「……ほう? それは何故です? 貴方達シャドウミラーは、連合軍に雇われている身では?」
「そうだな、雇われているのであって、別に連合軍に所属している訳じゃない」

 俺の口から出た言葉に、ザイードは一瞬だけピクリと反応し、数秒黙る。
 そしてやがて……ゆっくりとだが、口を開く。

「それはつまり……どういう事ですかな?」
「俺が言わなければ、暫くの間はカトルの正体が露わになる事はないだろう。少なくても、うちのメンバーからその名前が出る事はない」
「……それはありがたいですな。ですが、それを無償でやってくれるというからには、そちらにも何か狙いがあるから……そう考えても?」

 無償で自分達の為に何かをしてくれるとは思っていないのだろう。そう尋ねてくるザイードの言葉に、頷きを返す。

「そうだ。……カトルの使用していたガンダム、ガンダム・サンドロックの開発者のH教授に会わせて貰いたい。他にも幾つか条件はあるが……それが最優先だな」

 サンドロックはガンダムの中で一番単体の能力は低いが、それでもガンダムだ。
 そして何より、H教授はウイングガンダムゼロ……ウイングゼロの設計図も持っている。
 そうである以上、こちらとしてはそれを見逃す必要は全くなかった。
 だが、俺の言葉にザイードは首を横に振る。

「残念ですが、H教授は既にこのコロニーにはいません。ウィナー家からは出て行っています」
「……へぇ?」

 その言葉が誤魔化しかどうか、見極めるようにザイードに視線を向ける。
 しかし、ザイードは視線を向けられても、全く動揺した様子はない。
 これは、本当にH教授はいないのか?
 そう言えば原作でもH教授が捕まった時にウィナー家に何らかのペナルティの類はなかった。
 それはつまり、H教授が捕まったのがウィナー家とは関係のない場所だったからじゃないか?
 勿論、それでも何らかの理由からウィナー家が怪しいというのは見て取る事が出来、それが理由でビーム砲の件でウィナー家が責められる事になった……というのは、十分に考えられる。
 だとすれば、ウィナー家にH教授がいないのは確定、か?

「なら……そうだな、サンドロックが開発された場所にあるコンピュータを調べさせて欲しい」

 原作を考えれば、ウイングゼロの設計図は確実に残っている筈。
 H教授をこちらに引き込む事は出来ないが、ウイングゼロの設計図を入手出来れば最低限の仕事は果たしたと言える。

「……残念だが、それも出来ない」
「何故だ?」

 言葉遣いすら変え、苦々しげな表情を浮かべるザイード。
 まさか、これも拒絶されるとは思わなかった為、俺は目の前にいる男の表情をマジマジと見つめてしまう。

「ウィナー家は争いを放棄している。そのウィナー家から、アクセル代表が欲しているようなMSの設計図が流れたとなれば、ウィナー家として纏め上げている他のコロニー市民に顔向けが出来ない」
「……それは、カトルの件よりも大事なのか?」
「どちらが大事なのだという話ではない。その、どちらもが大事なのだ。アクセル代表、君も1つの組織を率いているのであれば、その辺りは分かって貰えると思うが」

 ザイードの言葉は、正直なところ分からないではない。
 だが、だからといって俺が宇宙に上がった理由の中でもかなり大きなものを、そう簡単に諦める訳にもいかない。
 ……さて、どうしたものか。
 こうして俺の要請を却下されてしまったが、だからといって今回の件で俺がカトルの情報を周囲に流す訳でない。
 ザイードには脅しとしてそう臭わせたが、実際にそんな真似は出来ない。
 いや、やってやれない事もないだろうが、そんな真似をすれば自分から納得してシャドウミラーに所属している五飛はともかく、カトルと知り合ってしまっているデュオはほぼ間違いなくシャドウミラーを抜けるだろう。
 もしくはコロニーの事を思って抜けなくても、間違いなくこっちに対する信用や信頼は低下し、友好的な態度にはならないだろう。
 勿論デスサイズと戦って負けるとは思わないが、シャドウミラーの売りの1つがガンダムを有しているという事だ。
 もしデスサイズが抜けてもシェンロンガンダムがあるが、それでも抜けないのであれば抜けない方がいい。

「申し訳ないが、私が君達に協力出来る事はないようだ。この後も色々とやるべき事があって忙しくてね。この辺で失礼させて貰うよ」

 ザイードが実際には俺が口にしたようにカトルの件について情報を流す事が出来ないと知っていてこうした態度を取っているのかどうかは分からない。
 普通に考えれば、カトルの件が広まったらこのコロニーの立場は間違いなく悪くなる。
 にも関わらず、こんな態度を取るとは……悩むな。
 ただまぁ、これ以上ここで無理にザイードを押しても意味がないというのは事実だ。
 だとすると、こっちも次の手を考える必要がある、か。

「分かった。では、今日はこの辺りで失礼するとしよう。もし気が変わったら連絡してくれ。……後悔しないといいけどな」
「人生、後悔しない事などありませんよ」

 それが俺とザイードの別れの言葉だった。





「……で、俺がウィナー家の当主と交渉している間、お前達が休憩していたのは分かってるんだが、だからって女を連れ込むのはどうなんだ?」

 船に戻り……そこに見覚えがなく、それでいて原作知識で見覚えのある人物の姿を見て、溜息を吐く。

「あ、あはは。……いや、だってよ。OZに襲われてたんだから仕方ねえじゃん」

 デュオが照れたように……いや、何かを誤魔化すように笑いながら、そう告げてくる。
 そんなデュオの横では、前髪が特徴的なショートカットの女が、緊張した様子でこっちに視線を向けていた。

「ヒルデ・シュバイカーだったか。何でOZに追われるような真似をしたんだ?」

 そもそも、一応このコロニーは連合軍の管轄下にある筈なんだが……何だってOZの兵士がいたのやら。
 ヒルデ・シュバイカー。
 原作ではOZに所属していた人物で、何だかんだとデュオとくっついた女。
 曰く、呆れる程に一途な女。
 この歴史では原作と比べると大きく違っている為、OZに所属はしていなかったらしい。
 いや、それはいいんだが……何だかんだとデュオと遭遇してる辺り、この2人は運命の赤い糸で結ばれてるんじゃないだろうか。

「その、OZの兵士が資材を盗み出そうとしている話を偶然聞いてしまって……それで」
「追われていた、と」

 コクリ、と俺の言葉に頷く。
 まぁ、原作でもそうだったが、ウィナー家の力が強いこのコロニーは、資源という面では恵まれている。
 その為、OZにとっては資源を調達するには丁度いい場所なのは間違いない。
 それに巻き込まれる辺り、ヒルデの運のなさが見て取れるが。
 いや、その辺りの事情はやっぱりパートナーのデュオと同じく貧乏くじを引いているのか?
 ともあれ、まさかここでヒルデがデュオと接触するとは思わなかった。
 勿論デュオがいる以上、いつかどこかでヒルデと接触させようとは思っていたが……原作でデュオがヒルデと初めて会ったのは、このL4宙域のコロニーじゃなかったと思うんだがな。

「ヒルデだったな。お前はこのL4コロニーの出身か?」
「いいえ。違うわ。連合軍によってコロニー間の行き来が出来るようになったから、ちょっと旅行をしてたの」
「……なるほど」

 そう聞けば、納得出来ない訳でもない。
 元々ヒルデは1つの事に集中すれば他の事が疎かになったりする。
 その辺りは原作でもそれなりに描写されていたし、OZを妄信的に信じてしまっていたところを見ても明らかだろう。
 まぁ、こうしてこっちに合流してしまった以上、その辺りをああだこうだ言っても始まらない。
 俺が戻ってくるまで、デュオは散々凛にからかわれたみたいだしな。
 問題は、だ。

「で、デュオはヒルデをどうしたいんだ?」
「え? どうするって……取りあえずこのコロニーを脱出させてから、他のコロニーに下ろせばいいんじゃないかと、そう思ってたんだけど。駄目なのか?」
「駄目って訳でもないが……OZがヒルデの顔を知っている以上、他のコロニーにいても完全に安心は出来ないと思うけどな。……顔は見られたんだよな?」
「え? あ、うん。デュオと一緒に逃げる時に……」

 さて、正直なところ本当にヒルデをどうするかは迷う。
 原作では一応MSに乗ってたが、その才能は決して高いとは言えない。
 いや、OZに特別扱いされていたと思えば、一般人よりはMSの操縦が上手いのかもしれないが、所詮はその程度でしかない。
 シャドウミラーに所属するには、最低でも準ガンダムパイロット級の操縦技術は欲しい。
 最初はそこまでの技量がなかった綾子だが、サーヴァントとしての力を使い、能力をぐんぐんと伸ばしていった。
 そう考えれば、ヒルデがシャドウミラーの実働班としてやっていくのはまず無理だろう。
 となると、それ以外……ああ、でもデュオと一緒にジャンク屋として、曲がりなりにも事務所を構えてたんだよな。
 だとすると、書類仕事に対する適性は問題ない。
 幸いにも……もしくは不幸にも、シャドウミラーの書類仕事を行えるのは、現在は凛だけだ。
 その凛も、能力はともかく手はどうしても2本しかない。
 そうなると、処理出来る書類の数にはどうしても限界がくる。

「シャドウミラーに事務官として入るか? 今なら歓迎するけど」
「マジかよ!?」

 俺の言葉に最初に驚きの声を上げたのは、当然のようにデュオ。
 まぁ、自分が連れてきた相手が、いきなりシャドウミラーに入るかと誘われているのだから、その辺りは当然か。

「えっと……その……何でいきなり?」
「元々事務官は何人か入れようと思ってたんだ。今は凛が1人で書類を処理してるしな。……どうだ? 勿論無理にとは言わないが、デュオに何か思うところがあるのならお薦めだぞ?」

 その言葉に、ヒルデはしっかりと頷くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1327 
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