| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二部第四章 選挙前日その二

「そしてそのうえで、です」
「政策が決まります」
「それが軍事にも影響します」
「その政権の政策として」
「そうですね、思えば」
 ここでだ、モンサルヴァートは軍人として彼が直面してきた様々なその時々の軍政についてだ。長老達に述べた。
「同じ政策でも」
「はい、政権によってですね」
「受け入れられたりそうでなかったりしましたね」
「そうでした」
 まさにその通りだったというのだ。
「ラフネール総統は我々の提案をよく受け入れて下さいましたが」
「そうでない政権もある」
「そういうことですね」
「その通りです」
 まさにと答えたモンサルヴァートだった。
「本当に政権によりますし」
「事前の政策もですね」
「軍政に関わりますね」
「軍事の縮小を言えば」
 その時の政権がだ。
「我々としてはです」
「従わなくてはならない」
「意見を述べることが出来ても」
「はい、やはり政権の政策によります」
 軍事についても、というのだ。
「これは連合ではより顕著でしたね」
「連合では軍人の地位も低いですし」
「そのこともあって」
 長老達も言う。
「連合では軍人を制服組と呼ぶことが多いですが」
「その制服組は意見は言えますが」
「しかしそれはスタッフでして」
「スタッフの言葉ではなく」
 それで、というのだ。
「彼等はエウロパ軍人以上にです」
「政治家の言葉に従うだけです」
「現役武官は閣僚にはなれません」
 エウロパでは総統が任命すればなれる、連合では日本以外の各国政府も文民でなければならないと法律で定められている。
「そこに大きな違いがあります」
「連合の軍人の地位は低いです」
「エウロパと比べものにならない位に」
「相当にです」
「それは聞いていますが」
 それでもと言うモンサルヴァートだった。
「しかし。軍人の地位が低くその意見が反映されにくいことにもつながっていることは」
「よくありませんね」
「国家政策にとって」
「敵国のことですがそう思います」
 実際に、というのだ。
「軍人は騎士ですし」
「そもそも連合にはない考えですね」
 軍人は騎士というその考えもだ。
「それも」
「はい、私も戦ってみて思いました」
「連合には騎士道精神はありませんね」
「そしてです」
 それに加えて、というのだ。
「士官も下士官も兵士も軍の階級の違いがありますが」
「それでもですね」
「そこに大きな違いがありません」
「ただの軍の階級の違いだけですね」
「誰でも階級があがればです」
「将校にもなって、ですね」
「軍人意識はあってもそれは職業意識です」
 それだけのことなのだ、連合では軍人といえども職業の一つとしてしか考えられていないのである。そこがエウロパと違うのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧