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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1630話

「へぇー……これが無重力って奴なのね」

 シャトルの中で浮きながら、凛が呟く。
 窓からは地球が見えるというこの光景は、凛や綾子にとっても色々と興味深いものだろう。
 特に凛の場合は、魔術師だけあって科学に対する拒否反応……とまではいかないが、それでも苦手な事に変わりはない。
 そうなると、当然シャトルやら何やらで宇宙に来るなんて事は有り得ず……いやまぁ、魔術に宇宙関連の何かがあれば、もしかしたら凛が宇宙に魔術で来た可能性は否定出来ないが。
 ともあれ、俺が聞いたところでは凛が宇宙に行った事はなかったらしく、今こうして初めての宇宙で無重力体験を楽しんでいる訳だ。

「それにしても、MSが全部で4機だったのは助かりましたね。このシャトルで搭載可能なのは5機まででしたから」

 こちらは無重力状態が初体験という訳でもないのか、笑みを浮かべながらシルビアが告げる。
 連合軍の中には10機近いMSを搭載可能な物もあったのだが、俺達が乗っているのはシルビアが言ってる通り、搭載可能MSが5機のタイプだ。
 その代わり速度という面では、かなりの性能を持っている。
 ……まぁ、普通に考えれば分かるんだが、シャドウミラーを直接倒す事が難しいOZとバートン財団にとって、シャトルで移動しているシャドウミラーというのはこれ以上ない程の獲物な訳で……そう考えれば、速度を重視したシャトルを選ぶのは当然だった。

「そうね。このシャトルは小型の分、手続きの方も簡単だったし」

 シルビアの言葉に、凛が笑みを浮かべて答える。
 いつもの猫を被った笑みだが、凛とシルビアの相性は決して悪いものではない。
 ……というか、純真な性格のシルビアは普通に凛を尊敬の眼差しで見ている。
 高校時代はミス・パーフェクトと言われていた凛にとって、この手の視線を向けられるのは初めてではない筈だが……それでも凛とシルビアのやり取りは、傍から見ているとどこかぎこちないものがあった。
 それでも特に問題らしい問題は発生していないのだから、そんなに悪い訳ではないだろうが。
 凛が本性を現した時、どうなるのか。それを見たいような、見たくないような……微妙な気持ちではある。

「連合宇宙軍から迎えの戦艦が来るんだったな?」
「はい。セプテム将軍からは、そのように聞いています」
「まさか、セプテム将軍もノベンタ元帥の孫娘が直接宇宙に来るとは思ってないでしょうね」
「あら、そうですか? 一応前もってその辺は伝えてありますよ?」
「……そうね。セプテム将軍の苦労が忍ばれるわ」

 連合軍のトップの孫娘が宇宙に来るのだから、色々と大変なのは間違いないだろう。
 シャトルで直接連合宇宙軍の本部……原作でセプテムの息子と父親がいたコロニー、D-120に向かえれば良かったんだが、今のこの状況をOZとバートン財団が見逃す筈もない。
 いや、シャドウミラーだけであれば、それこそ放っておいたかもしれないが……それどころか俺達を倒す為にOZやバートン財団を誘き出す餌として利用した可能性もあるが、シルビアがいる以上、そうもいかない。
 これでセプテムがシルビアを迷惑がっていれば話は別だったのだが、セプテムにとってもシルビアはお気に入りらしい。
 それどころか、出来れば孫のギンターの嫁に欲しがっているとか。
 将来の義理の娘候補……それが本当にそうなるのかどうかは分からないが、それでもセプテムとしては公私両方の事情でシルビアをここで殺される訳にはいかない訳だ。

『アクセル代表、所属不明MSの反応を感知しましたが……』

 シャトルのパイロット――実はMS輸送機のパイロットの弟らしい――からの通信に、一瞬緊張した雰囲気が周囲に漂う。

「襲ってきたのか?」
『いえ、距離を保ったまま動く様子がありません』
「……なるほど」
「襲って来ないのか? だとすれば、多分こっちの様子を見てるんだろうな」

 俺の言葉に、デュオが納得したように呟く。
 それは、シルビアを含めてこの場にいる者達全員の共通した意見だったのだろう。
 特に反対意見も出ない。
 向こうにとって、シャドウミラーは出来れば撃破したい。だが、無駄に戦力を使う事も出来ない以上隙が出来るのを待っている、といったところか。
 OZはバルジがなくなってしまい、バートン財団は元々そんなに戦力が多い訳ではない。
 この辺りはジレンマといったところか。

「気にする必要はない。向こうも今の状況で本格的にこっちに手を出してきたりはしないだろう。連合軍から迎えが来れば、すぐに撤退する筈だ。……ただ、一応念の為にもっとこっちに近付いてきたら、知らせてくれ」
『了解しました』

 俺の言葉に、シャトルのパイロットが短く返事をする。
 それを聞くと、取り合えず今はそっちを気にする必要はないとして、座っていた椅子に体重を掛ける。
 ……これがMS輸送機なら、豪華なソファとかがあったんだけどな。
 まさか、臨時で使っているこのシャトルを改造する訳にはいかない。
 そのまま20分程が経ち……

『アクセル代表、連合軍の軍艦がこちらに近付いてきます。同時に、こちらの様子を伺っていたMS達も離れていきました』
「だろうな。向こうにとって、今の状況でさえ俺達に手出し出来ないのに、連合軍までもが合流したとなれば、どうしようもない。そっちは気にしなくてもいい」
「けどよぉ、本当に何しに来たんだ? こっちの様子を窺って、そのまま帰るんなら、本当に来た意味ないだろ?」

 少し呆れた様子のデュオの口調。

「それこそ、もし何かあった時にはすぐに手出し出来るようにって思ってたんじゃない? 例えば、隕石にぶつかってこのシャトルが大きな被害を受けた時とか」
「……どんだけ神頼みなんだよ」

 心の底から呆れたように、デュオが呟く。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 隕石とかがぶつかってシャトルが多少なりとも被害を受ける可能性は、皆無という訳ではないが……それでも驚く程に低いのだから。
 向こうが何を企んでいても、神頼みというのは正直どうかと思う。もっとも……

「デュオがそれを言うと、少し皮肉だけどな」
「けっ、うるせえやい」

 自分の格好が神父服を模した物だというのを思い出したのだろう。デュオがどこか照れくさそうに言い、視線を逸らす。

「ふんっ、所詮奴等は自分が弱者だと認めたくはないのだろう。だからこそ、そのような真似をして俺達を倒そうとする」

 五飛のその言葉に、真っ先に反応したのは予想外な事にシルビアだった。

「そうですか? 自分達が弱者であると理解しているからこそ、このような手段に打って出たのでは?」
「取りあえず2人はその辺りにしておけ。……それよりシルビア、サリィ。お前達2人が連合軍とシャドウミラーの連絡役になるんだから、しっかりと頼むぞ」

 地球ではこれ以上ない程に大活躍をしているシャドウミラーだが、宇宙での実績はまだない。
 正確には俺がバルジを空間倉庫に収納したのだが、それは当然のように公に出来るものではない。
 勿論、宇宙にいるからといって俺達の地球での活躍は知らない訳でもない。
 だが……それでも、やはり地球と宇宙では色々と感じるのが違うのも事実だ。
 その辺りの事情を何も知らないまま、自分達の常識だけが真実であるとしてシャドウミラーに突っかかってくるような奴がいた場合、その相手がどうなるのか……それは、俺達と付き合いの長いサリィや、ノベンタから色々と話を聞いてるだろうシルビアには分かっているだろう。

「はい。その辺りは徹底させて貰います」

 サリィが頷き、シルビアもそれに同意するように頷く。

「そうか、分かったのならいい。ただ、一応……こっちに近付いている連合軍艦に、その旨をきちんと通達してきてくれるか? 万が一不慮の事故が起きる……なんて光景は見たくないだろ?」
「分かりました。そうさせて貰います。行きましょう」
「はい」

 サリィがシルビアを連れて、客室から出て行く。

「別に、あの2人に骨を折って貰う必要はないんじゃないか? アクセルらしくないな」
「あら、デュオは本当にそう思うの? アクセルは別に本気で連合宇宙軍の心配をしていた訳じゃないのよ?」
「は? どういう事だよ?」

 凛の言葉に、デュオは意味が分からないといった視線をこっちに向けてくる。

「まぁ、別にそこまで拘る必要はないんだけどな。一応今から言うのはシャドウミラーの……いや、お前達ガンダムのパイロットにとっては隠しておきたい事だろうからな」

 シャドウミラーではなく、ガンダムのパイロットと聞き、五飛とデュオの視線は鋭くなる。
 そんな視線を受けながらも、俺は特に気にした様子もなく口を開く。

「簡単に言えば、だ。お前達のガンダムを設計した技術者にコンタクトを取りたい。あれだけの機体を作れるんだから、当然OZにも狙われているだろうし……その保護という面もある」
「本音は?」

 単刀直入な五飛の言葉。

「当然、その技術力だ。出来ればシャドウミラーで運用しているMSの性能を上げて貰いたいな」
「……トールギスは改修してから、まだ殆ど経ってないだろうに」
「トールギスの方にはあまり不満はない。どちらかと言えば、綾子の機体だな」
「あたしか?」
「ああ。綾子の操縦技術は、日に日に上がってきている。それこそ、近い内に五飛やデュオを抜いてもおかしくないくらいにな。トーラスだと機体性能が操縦技術に追いつかなくなってきているのは、綾子も分かってるだろ?」

 その言葉に、五飛とデュオは若干面白くなさそうにする。
 だが、綾子の操縦技術の伸び具合については理解しているのだろう。それ以上は特に何も言わず、頷くだけに留める。
 五飛やデュオも、シャドウミラーとして行動するようになって、間違いなく技量は上がっている。
 だが、それでも所詮はただの人間だ。
 どうしても半サーヴァントの綾子と比べれば、身体能力で劣ってしまう。
 それを理解してるからこその、沈黙だろう。
 まぁ、科学者達を引き入れようとしているのは、綾子の機体以外にも目的はある。
 現在シャドウミラーにいるガンダムのパイロットは、シェンロンガンダムとデスサイズ。
 原作の中では、唯一明確な後継機を作られた2機だ。……正確には後継機じゃなくて改修機なんだが。
 まぁ、劇場版では全ての機体が強化型になっていたが……ともあれ、出来ればこの2機をデスサイズヘルとアルトロンガンダムにしておきたい。
 ……ただ、それが難しいというのも分かってはいる。
 デスサイズヘルとアルトロンガンダムは、5人の技術者が集まってようやく出来た代物だ。
 そう考えれば、その半分以下の2人の技術者に作れと言ったところで、すぐに作るのはまず無理だろう。
 だが……今からでも少しずつ準備を進めていくのであれば、いざ5人が揃ってデスサイズヘルとアルトロンガンダムを作る時、多少なりとも時間を短縮出来る可能性がある。
 まぁ、あくまでも可能であればの話であり、強行して五飛達がシャドウミラーから抜けてしまえば意味がないんだが。
 それ以外にも……上手くいけば、ウイングゼロの設計データを入手出来る可能性もある。
 そうなれば、H教授を引き入れる事も可能かもしれないだろう。
 やがて沈黙を破るように、五飛が口を開く。

「老師の安全が保証されるのであれば、話を通してもいい」
「ちょっ、おい、五飛!? いいのかよ!」

 デュオが驚きの声と共に叫ぶ。
 まさか、こうも簡単に五飛が俺の要望に頷くとは思ってなかったのだろう。
 それは俺も同様だった。
 恩人を危険に晒す事が出来るかと、そんな風に言われるのだとばかり思っていたんだが……これは嬉しい誤算だな。

「……ちっ、分かったよ。一応話だけはしてみる。けど、俺は何も約束出来ねえぞ」

 デュオの方も、不承不承といった感じではあったが、俺の要請を承諾する。

「そうか、じゃあ頼んだ。ああ、別に無理強いはしない。あくまでも向こうの自主性に任せるといった感じにしておいてくれ」
「……分かった」
「ふん」

 こうして、俺はガンダムの科学者達と接触出来るかもしれない機会を得た。
 まぁ、ガンダムを作った技術者達がシャドウミラーに……W世界にあるのではなく、ホワイトスターにある方のシャドウミラーに入るとは思えないので、そこまでの期待はしていないのだが。
 そして、シルビアから連合軍の軍艦と合流したという知らせが入るのは、これから数分後のことだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1120
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1326 
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