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星河の覇皇

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第六十二部第三章 投票直前その十一

「そうなっているがな」
「しかしですね」
「これはあくまで特例でこれからはだ」
「そうしたことがない様にですね」
「辺境を確立する」
「もうこれからは」
「国境の治安は維持されだ」
 そのうえでだというのだ。
「不法出国者もいない」
「国境の外は、ですね」
「カオスな場所でなくなる」
「それがこれからですね」
「国境の治安は中央政府が守る」
 そうもなるというのだ。
「宇宙海賊もテロリスト達も掃討してな」
「そうなりますね」
「そうしていこう、国境はこれからは中央軍が守る」
 これまでは各国がそれぞれ防衛を担っていた、しかし各国軍は中央政府及び当事国の承認がない限り他国に入ることが出来ない、それで海賊達にそのことを付け込まれていたのだ。
 それを防ぐ為にだ、これからはというのだ。
「そうして治安を維持していこう」
「ではこのことは」
「既に八条長官に話している」
 国防長官である彼にというのだ。
「だからだ」
「あの長官ならば」
「必ずことをよく収めてくれる」
 八条への絶対の信頼も見せるのだった。
「安心していい」
「そうですね、確かに」
「ではだ」
「はい、では」
「後で長官とも話す」
 八条、彼ともだ。
「これは連合にとって歴史的な政策だがな」
「中央軍設立と並ぶ」
「無事に果たしてだ」
「そうして連合の発展につなげますね」
「そうする、必ずな」
 キロモトは強い声でアッチャラーンに答えた。
「その様にな」
「ではすぐにでも長官を」
「いや、長官は今日は駄目だ」
 この日はというのだ。
「会談が目白押しだ」
「長官も多忙ですね」
「国防省が多忙というのもな」
「あまりよくないことかも知れませんね」
「国防省、つまり軍が暇だとな」
「それだけ平和という解釈も出来ますからね」
「そうなる、確かに連合は平和だが」
 これは事実だ、しかしそれでもだというのだ。
「平和の為の備えでな」
「今は多忙ですね」
「中々暇にはならないな」
「現実にはそうですね」
「何かと手を打たなくては平和も守れない」
 これが現実だ、むしろこれまで中央政府に国防省と軍が存在しないことが他の国と比べて連合の軍事政策のなおざりさと優先度の低さの象徴とさえ言われていた。
 しかしだ、今はなのだ。
「この様にな」
「手を打っていますね」
「一旦国防省を置くとやることが多いな」
「何かと」
「八条長官でよかった」 
 初代国防相が、というのだ。 
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