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オズのアン王女

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第四幕その九

「二人いますよ」
「乗ってますね」
「ええと、一人はチクタク?」
「そうね」
 ナターシャと恵梨香も気付きました。
「そしてもう一人は」
「アン王女みたいね」
「あら、ここで会うなんて」
 ドロシーも二人の姿を確認して言いました。
「思わなかったわ」
「そうだね、けれどね」
「会えてよかったわ」
「そうだね」
「あっ、ドロシー王女達よ」
 そのカバキリンの背中からです、アンも言いました。アンが前に乗っていてチクタクが後ろに乗っています。
「ここで会えたわね」
「よかったーーですね」
 チクタクも応えます。
「お会いーー出来て」
「ええ、本当にね」
 実際にと応えたアンでした。
「よかったわ」
「そうでーーすね」
「そしてね」
 ここでまた言うのアンでした。
「会ったからにはよ」
「合流ーーですね」
「そうするわ」
「よかったね」
 カバキリンもその大きな口でアン達に応えました。
「ここで会えて」
「ええ、ここまで乗せてくれて有り難う」
「お礼はいいよ」
 笑顔で返したカバキリンでした。
「別にね」
「そうなの」
「だって君達が気になってね」
「話しかけてくれてね」
「事情を聞いてね」
「それなら少しでも早く行こうって乗せてくれて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「ここまで来ただけだから」
「だからお礼はいいのね」
「別にね、じゃあね」
「ええ、ここで降りるから」
「またね」
 軽くこう挨拶を交えさせてでした、そのうえで。
 アンとチクタクは立ち止まったカバキリンの背中から降りました、そうしてカバキリンに二人で手を振って別れの挨拶をしてでした。
 カバキリンが道を引き返して帰るのを見届けてからです、ドロシー達に向きなおってそのうえで今度は彼女達に挨拶をしました。
「久し振りね」
「そうね」
 まずはこの挨拶からでした。
「貴女達を迎えに来たわ」
「私達もね」
「ウーガブーの国になのね」
「向かっているの」
「いや、会えてよかったわ」
 アンは笑顔でドロシーに言います。
「本当にね」
「私もよ、それじゃあ」
「一緒にウーガブーの国に向かいましょう」
「貴女は戻ることになるわね」
「そうね」
 アンはドロシーににこりと笑って応えました。
「またね」
「そうね、ただ」
「これからウーガブーの国で何が起こるか」
「このことはね」
 どうしてもなのでした。
「わからないのよ」
「そうよね」
「いいことか悪いことか」
「それはね」
「これから起こることは」
「これからわかるから」
「何が起こっても対する」
 本当にとです、二人でお話します。二人は今向かい合ってお話をしていますが背はアンの方が年上である為高いです。 
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