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『虚構』

作者:零那
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『裁決』



ねぇ君、其の痣は何?
其処の怪我は何処で?
誰にされたの?

ただ静かに俯く君。
ニッコリ微笑み言う。
なんでもないです。
良く転ぶんです。

何故隠すのか。
本当は憎いだろう。
そいつを殺したいだろう。
同じ目に、いや、もっと酷い目に遭わせたいだろう。

本心を隠す本当の理由は...。
悲しみは解るだろう。
けれど其れを処理しきれないんだろう。
まだまだ幼い君には...。

大丈夫じゃないのに大丈夫って言う君。
其れは僕にじゃなく自分に言い聞かす言葉。
知らぬ間の自己防衛。

大丈夫じゃないでしょ?
何の為に誰の為に無駄な嘘を付くの?
何も守れないって解ってるでしょ?

悲しいよね。
淋しいよね。
悔しいよね。
殺したいくらい憎いよね。

いっそ夢だと思って。
ほら、好きなように捌いてみて。
其れが最高の裁きだから、ね。


 
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