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星河の覇皇

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第六十二部第二章 苦戦の中でその三十四

「利益を得る為にな」
「全てはその為に」
「手を入れるのだ」
 それで、というのだ。
「そうする」
「それでは戦争も」
「サハラとは」
「連合とはやっても勝てません」
 サッダルタはそれは不可能だと述べた。
「とても」
「国力が違い過ぎるな」
「はい、例えまとまりが悪くとも」
「連合は国力が高い」
「ですから」
 その大国と戦うとならば、というのだ。
「全面戦争になれば」
「負けるな、マウリアが」
「はい、必ず」
 そうなるというのだ。
「相手が巨大過ぎます」
「連合が相当に愚かか混乱していない限りはな」
「戦おうとも」
「勝てる相手ではない」
「それが連合ですね」
「連合はやはり大きい」
「そして大きいことはですね」
 何になるかもだ、サッダルタは話した。
「力ですね」
「その通りだ、大きいことはそれだけで力でありだ」
「強さですね」
「連合はアナンタだ」 
 ヒンズー神話に出て来る千の頭を持つ巨大なナーガである。調和神ヴィシュヌに仕え彼を乗せて原始の大海を漂っている。
「まさにな」
「少しまとまりの悪いですね」
「それが連合だ」
 つまりその頭同士で争ってもいるアナンタだというのだ。
「アナンタにはな」
「そうおいそれとは戦えませんね」
「そして勝てない」
「だから連合とはですね」
「衝突しない」
 それが第一だというのだ。
「幸い彼等は外には殆ど目を向けないからな」
「このままで、ですね」
「友好関係でいく」
「このまま」
「それでいく、しかしだ」
「しかしですか」
「衝突しそうになればだ」
 その時はというと。
「かわす」
「これまで通りですね」
「連合の何処かの国であってもな」
 中央政府ではなく各国政府とそうなってもというのだ。
「今まで通りその矛先をかわしてだ」
「その怒りを宥め」
「そうして収める」
「そしてそれで終わらなければ」
「報復だ」
 この選択肢もある、マウリア外交はそうしたものだ。
「そうしていく」
「例え中央政府が相手でもですね」
「そうだ、しかし武力衝突にはだ」
「ならない様にしていくのですね」
「そうしたヘマはしないことだ」
 絶対に、というのだ。 
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