| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのアン王女

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三幕その五

「どうかしら」
「あっ、それじゃあね」
 アンはオズマの提案に笑顔で応えました。
「そうしてくれるかしら」
「いいのね」
「こちらもお互いの場所がわかってるとね」
「合流しやすいでしょ」
「それだけでね」
「じゃあいいわね」
「ええ、名案ね」
 電話の向こうのオズマに笑顔で応えました。
「宜しくね」
「そういうことでね」
「そうしたやり方があるわね」
「そう、携帯の科学と鏡の魔法を使ってね」 
 そのうえでとういうのです。
「進めていくわ」
「いいやり方ね」
「科学と魔法の両方を使うと」
 オズの国にはその両方が存在します、そしてその両方を使えばというのです。
「こうしたことも出来るわ」
「それじゃあ」
「ドロシー達と合流してね」
「是非ね」
「また何かあれば電話するし」
「知らせてもくれるわね」
「そうさせてもらうわ」
 是非にとです、オズマはアンにお話しました。そのうえでまたチクタクと一緒にドロシー達の方に一直線に向かいます。
 ですがここで、です。お昼前に通りがかった村を見てです。
 アンは首を傾げさせてです、こう言いました。
「あれっ、何か」
「草がーー伸びていますーーね」
「村全体がね」
「草刈りをーーすべきでは」
「そう思ったわね、チクタクも」
「はい」
 アンの言葉にこくりと頷きました。
「これーーは」
「そうよね」
「どうもーー見ていますと」
「これはよくないわ」
 アンは眉を曇らせて言いました。
「何とかしないとね」
「そうーーですね」
「草は出来る限り刈った方がいいのよ」
「見栄えがーーいいーーですし」
「それにね」
 さらにというのです。
「そこに蛇や虫がいつかないから」
「だからーーですね」
「いいのだけれど」
「これは」
「ちょっと村の人達に聞いてみるわね」
 村の黄色い家や柵、それに草木を見て言うのでした。ウィンキーの国なので全てが黄色なのです。
「そうしてみましょう」
「それでは」
「今からね」
 こうしてです、アンはたまたま近くにいた村の人に村の草のことを尋ねました、するとその村の人はすぐに困ったお顔で答えました。
「実はこの前刈ったばかりなんです」
「この前?」
「はい、二週間前に」
「二週間前に刈った割には」
 その草の伸び方を見ますと三ヶ月放っておいた感じです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧