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大筒木異世界物語

作者:ポタロー
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第1章 大筒木リュウグウ降臨
  第2話 星黎殿

 
前書き
ゼツを封印した後空間に穴を開けて姿を消したリュウグウが向かった先は紅世の徒とフレイムヘイズのいる世界であった 

 
地球という惑星は青く丸くとても美しい惑星である。だが中を覗けば争いばかり。この世界には紅世の徒と呼ばれる存在の力を食らい、生き長らえる存在とそれに立ち向かうフレイムヘイズという存在が古代から戦い続けている。この世界の人間はその存在を知らず生活をしている。存在の力を食われた人間はこの世から存在ごと消えることになり、その人がいたという痕跡や記憶、あらゆるものが消える。紅世の存在やフレイムヘイズと関わりのあるものは忘れることはない。それは会話をしたとかそんな話ではない。何かの媒体を持ったり、宝具と呼ばれる特殊なアイテムを持っていたりという意味である。そんな世界に本来いてはならない存在が現れる。大筒木リュウグウ。遠いどこかの世界からやってきた人外の敵である彼は同じ一族の大筒木カグヤ打倒のためこの世界にある力を求めに来た。

「ついたか。ここが存在の力があふれる次元。さて、さっそくこの世界の記憶を同調させるとしよう。さぁ、私に見せておくれ、世界同調発動」

世界同調、リュウグウの使える13のうちの1つの技である。リュウグウが立つ世界の記憶や状況といったたくさんの情報を一瞬にして把握することができる。見ることのできる記憶は過去から現在までの歴史の全てである。そのため現在どのような事態になっているかも把握できるので新たな世界や情報を更新したいときなど便利な技である。またこの技を使える副作用としてどんな見えない敵や気配を消したとしてもリュウグウから半径5キロ圏内において不意討ち等も無駄であり、どんなものでもその存在を知られることになる。世界同調を発動するとリュウグウの回りを光の玉が囲み、その内消えていく。こうしてリュウグウはこの世界について理解したのである。

「さて、ゼツを封印している間に力を得なければな。まずは仮装舞踏会に挨拶でもいくか」

仮装舞踏会(バルマスケ)とは盟主祭礼の蛇の大命のために紅世の徒が作った最大規模の組織である。その中の三柱臣を中心として万を越える徒を従える組織である。リュウグウは2の力である次元転移を発動する。これはこの世界に来た技でもあり、次元に穴をあけてどの世界にも繋げることができる。しかし、それにはその世界についての情報を持ってないと使うことができない能力である。この世界に来ることができたのはリュウグウがこの世界の情報を少し持っていたことに関係するがそれは後回し。次元転移はなにも異世界同士を繋げるだけではない。同じ世界の中でも移動することは可能である。それによりリュウグウは仮装舞踏会の潜伏する星黎殿に直接転移できるのだが

「む?転移したのはいいが星黎殿の外だと?やはり秘匿の聖室が邪魔か。世界同調で存在が分かったことで転移できると思ったんだがな。まぁいいさ、転移したことであちらが気づいてくれたかも知れん。ここで待っていよう。」


星黎殿内部

「ん?この気配はいったい」

三柱臣が一人逆理の裁者ペルペオルは星黎殿外部にとてつもなく大きな存在の力を感じ取っていた。それは他の三柱臣も同様に

「フェコルー、至急教授に繋いでおくれ」

「はい、かしこまりました」

ペルペオルとフェコルーの目の前に巨大なモニターが現れる。その先には教授と呼ばれる人物、紅世の王である探耽求究ダンタリオンとその燐子であるドミノが映っていた。

「ドォォォォォミノォォォォー、早くその実験データをインストールしてくださぁぁぁい。この私の次なぁぁぁぁる実験でぇぇぇぇ」

「きょ、教授」

「手をとめるなドォォォォォミノォォォォ、」

「ですから教授、ペルペオル様が・・・」

ペルペオルとフェコルーはいつも見慣れているためとくに何も感じてはいないがいまはそれどころではないためすこし強めに発言する。

「教授、忙しいのは知っているが今は先に調べてほしいことがあるんだけど」

やっと探耽求究はモニターの存在に気付く。その顔は反省しているようには全然見えないが

「おぉー、これはこれはペルペオルではないですかー、今は相当忙しいのはあなたなら分かってくれるでしょう」

探耽求究は手を止めずにペルペオルと会話する。ペルペオルの表情は変わらずいつも通りである

「今この星黎殿の外に徒ではない何者かがいるんだけど調べてくれないかい?」

「そぉぉぉぉんなことぉぉはもう調査終了済みなぁぁぁんですよぉぉぉ、ドォォォォォミノォォォォ、あれを」

「はいであります教授」

するとモニターに星黎殿の外にいる存在の姿と内包している存在の力の量など詳しいデータが映っていた。探耽求究の恐ろしいことはその膨大な知識に加え、いろんな技術を確立するその才能ともいえるものである。たとえ未知の存在であってもデータはとれるのだ。探耽求究によるとこの存在は今敵意はなくこちらから接触するのを待っているという。内包している存在の力はそこが知れないが味方にできればかなり大命にも近づける。そのことからもペルペオルは話を聞くことを決めた。

「教授、秘匿の聖室の一部解除を」

「ドォォォォォミノォォォォ」

「秘匿の聖室スイッチオーフ」

その瞬間リュウグウの目の前の一部分だけ穴が空き、道が出現した。

星黎殿外部

リュウグウは道ができたことで重たい腰をあげてゆっくりと浮きながら移動する。

「ようやくか、空かなかったら無理矢理あけるとこだった」

リュウグウは星黎殿内部に入り、ペルペオルのいる部屋に到着する。

「初めまして。逆理の裁者ペルペオル、嵐蹄フェコルー」

ペルペオル達の前に現れた存在は髪が白く長く長身で、男にも女にも見える。目は紫色の波紋が広がったもので、額にはペルペオルと同じで今は閉じている目がある。この時点で人間でもフレイムヘイズでもないのだが気配は徒でもない。完全に未知の存在である。服装は白い着物のようなものを着ており、腰には刀がぶら下げてある。

「どうやって星黎殿の場所が分かったかはあえて聞かないが私達を知っているのは光栄だね。ということは私たちの組織やその目的もご存じなんだろう?」

ペルペオルはうすら笑みを浮かべて聞く。何故なら目的を知った上で接触するなどこの存在の今の目的が見えているからだ。

「あぁ。まずは名乗っておこう。私の名前は大筒木リュウグウ。人間でもフレイムヘイズでも徒でもない。先に言っておこう。私はお前たちに協力してやる」

「大命に協力してくれるのはありがたいんだけどその目的を聞いても?」

ペルペオルの言い分はもっともである。どこに無条件に協力してくれるやからがいるか。しかもリュウグウとなのるこの存在は何が最終的な目的かさらに何を考えているのかが読めない。分かったのは最初の接触の目的だけである。

「カグヤを倒すことだ。簡単にいえば私のライバルといったところ。倒すには力をつけなければならない。だから存在の力がもっとほしいのだ」

「カグヤというのがどういうやつかは知らないがそれなら構わないよ。ようこそ、仮装舞踏会へ。歓迎するよ、大筒木リュウグウ」

こうしてリュウグウは仮装舞踏会の協力者となった。リュウグウの真の目的にも気付かずに。いや、リュウグウのもつペンダントに封印されたゼツだけは知っている。このペンダントの中はリュウグウの精神世界の1つであり、この中にいるものはリュウグウの考えが分かるのである。なお、このペンダントが壊れるかリュウグウ自身の力がゼツよりも下回らなければ封印が解けることはない。それによりゼツだけは知っている。リュウグウの真の目的を知り、それは絶対に達成させてはならないと。 
 

 
後書き
第2話でした。大筒木一族って危ない思想を抱いているイメージしかないですね。カグヤの息子の大筒木達子孫ではなくカグヤと同じ一族という意味です。 
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