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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)

作者:鉄龍王
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第44話 鬼の一行、海鳴へ向かう

 
前書き
まず前回から半年以上もお待たせしてたいへん申し訳ありません!仕事とネタ切れでほとんど進まず、ここまで時間がかかってしまいました。

オマケに話は殆ど進みません。それでもよかったら読んでください。 

 
それは1週間前の事だった……






「失礼しま~す!小萌先生。いますか~?」

「上条ちゃ~ん!こっちですよ~」

数分前まで補習授業を終わらせ、帰りの途中に買い物に行こうとした上条に彼の担任教師である月詠(つくよみ)小萌(こもえ)に呼び出された為、職員室まで行き担任からの第一声が…




「上条ちゃん、突然ですが1週間後に海鳴市に行ってもらいまーす!」











・・・・・・・・・・・・・・・・ハァッ!?













何の前触れもなく突然の異動宣言に上条は素っ頓狂に叫んでしまった。











「ちょっ…!先生、それどういう事ですか!?行き成り“行け”なんて……っ!!」

「まぁ、分かりやすく言えば一時的な“出張”みたいな扱いですね」

「“出張”?」

「そうなのです。先日、先生のお友達からお電話があったんですよ。『上条当麻君と是非会ってお話ししたい』と連絡があったんですよ」

「先生………その“お友達”って……」

「“風鳴弦十郎”という先生の大学時代のお友達です。元々は公安を務めていたのですが、今は確かある特殊部隊の司令官を任されてると、お酒の席で喋っていたのです」

「そんな人が何で……つか、酒の席で何サラッとトンでもない事暴露してんですかその人?」

「何でも国家機密の案件だそうで是非上条ちゃんの力を借りたいそうなのです」

「小萌先生ーーッ!俺の話を無視しないでくださーい!!明らかに死亡フラグ満載のセリフで上条さんの心と命がメルトダウン寸前なんですけどおおおおおおおおッ!?」

上条の叫びを無視して小萌は自分の机の引き出しから色々な資料が入っている様なA4サイズの封筒を取りだし、上条に渡した。

「ハイ上条ちゃん。これは海鳴市に必要な手続きと政府……と言うより弦十郎から預かった書類(モノ)が入っているのでくれぐれも無くさないようにですよ~」

「それは確定ですか!?俺が一人で海鳴市に行くのは確定なんですか!?」

ここまで用意されてもはや涙が流れる寸前になってきた上条に小萌は言い放った

「上条ちゃん、海鳴に行くのは上条ちゃん一人じゃないですよ」

「え……?」














同時刻、土方の部屋








「……で、一体何の用だ土御門?テメェの補修はとっくに済んだハズだが?」

「ニャーそんな怖い顔カンベンして下さい土方先生。ちょっとお話があっただけだぜい」

「?なんだ?話って……」

等とふざけた態度で土方に食えない態度を崩さない金髪の学生…土御門は直ぐに真剣な目に変わり、懐から小さな封筒を取り出し、土方に見せた。

「土方先生、コイツは()()()から渡された書類と写真だ。確認のためのために俺も見せてもらったが一体誰なのかサッパリ。だが、土方さんなら分かるとあの男は言ってた」

「俺なら分かる?一体誰が……」


首を傾げながら受け取った写真を見た土方は眼を大きく見開き、土御門に視線を向けた。

「土御門……この男は今、海鳴って街に居るのは間違いないんだな?」

「あ、ああ……先に海鳴に潜伏している仲間からの確かな情報だ」

「そうか………」

「土方さん、この男は一体……」

「こいつは………」

土方は土御門に写真に写る者に対して伝えているが、その声は当人たちしか聞こえなかった……














「で、小萌先生。その海鳴って街に行くのは確定だとして、俺の他に一緒に行くのは決まってるんですか?」


ほぼ理不尽な形で海鳴行きが決定したため、少々不満気な上条は小萌に同行する人間の確認をすると小萌じゃアッサリと同行者の名を伝えた

「ああそれはですね、雪村ちゃんと保護者代わりとして土方先生なのですよ」

「え?土方先生が?なんでまた……」

「本当は刀夜さんにお願いしたかったんですが、タイミング悪いと言うべきかどうやら刀夜さんは出張中みたいなのです。それに土方先生も相手方から用があるみたいです」

「用って一体……」

「そこは政府の重要機密に関わる故に詳しいことは話せないと返されたのですが、何でも『ある事件の解決のために是非土方殿の力を借りたい』と言ってたのです」

「ある事件の解決って……」

「そこは弦十郎ちゃんに直接会って聞いてみない事には何とも言えないのですが、どうやらかなり厄介な事件みたいなのです」

「そ、そうなんですか?」

「そうなのです。なんせ弦十郎ちゃんは大学時代から『人類最強の男』なんてあだ名がついて、あの“フロンティア事変”に解決の為に貢献した程の人からの頼みですから」



「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」



担任からの何気ない一言に上条は言葉を失い、同時に察した。小萌先生は幼い見た目とは裏腹に自分のような生徒を決して見捨てない人だ。そしてこの先生の助言は事実を語り、誇張を含めない。





それはつまり……





今まで自分が体験してきた学園都市で起きた事件や魔術師、能力者たちとの戦いとは比べ物にならない事件に巻き込まれているという事と同義だった……









そして上条は小萌と別れた後、合流した土方と千鶴に海鳴での打ち合わせをし、海鳴に行くことを彼は自分の部屋の同居人である蒼に近い銀髪のシスター…インデックスに伝えた。本来なら彼は自分が海鳴に行ってる間は担任の小萌を預かってもらうつもりだった。








だが当の本人は………










「ヤダヤダヤダヤダヤダァッ!!私も とうま と一緒に行くっ!!」

「だああああっ!だから言ってるだろ!?前回と違って今回は遊びじゃなくて仕事だって!!」

上条は海の家での出来事(じけん)を思い出しながら説得しようとするのだが彼女(インデックス)の耳に入らないのかそのまま思いのままの言葉を続けた

「だって とうま が行く所には十中八九美人が居る上にソレをとうま が攻略する光景が目に浮かぶんだよ!!」

「何でそんな事態になる!俺は………っ!」











上条とインデックス(ふたり)の言い合いは1時間以上経ち、互いの肩が上下に動きながらも互いの意見を譲らなかった。

「だ、大体今回は只の挨拶だぞ!お前が心配する事じゃないだろうが!」

「だって とうま が行く所は絶対危ない事が起きるもん!私が一緒じゃないと危ないもん!!」

「だからって……っ!」


---~~~♪~~~♪~~~♪~~~---


上条が何とか説得しようとした所で彼の携帯から着信音が鳴り、誰かと思い表示された名前を見ると小萌先生からの電話だった。何事かと電話に出てみれば予想外の展開の言葉が彼の耳に響いた。

『上条ちゃん、言い忘れていましたがシスターちゃんも同行してもらいまーす!』

「・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」











それから1週間後……










---まもなく、海鳴…海鳴---


学園都市で準備を終えてやって来た土方達一行が海鳴の地に足を踏み入れた。



「それで土方先生、ここで合流する人って誰なんです?


「ああ、小萌先生の伝手でその弦十郎って人の部下が来るみたいだが……」


土方はそう呟きながらそれらしき人物を探し、首をキョロキョロし始めた。すると後ろから……


「お待たせしました。土方歳三先生」



「っ!?」

「ひゃっ!」

「うわっ!!」

「びっくりしたんだよ!?」

土方と千鶴、上条とインデックスは突然後ろから声をかけられ、驚いた表情で後ろを振り向くとそこに居たのは黒いスーツを着た茶髪の青年だった。見た目の歳は土方より若そうだが、見た目と不相応の実力者なのを土方は見抜いていた。千鶴たちは悲鳴を上げたが土方は別の意味で驚いていた。新選組の副長として刀を振るい、多くの死線を潜り抜けてきた彼だからこそ驚きを隠せなかった。何しろ声をかけられるまで()()()()()|《・》()()()()()()()()()()
そんな土方の心情を察していないのか、気付きながらもあえて言わないのか、ただ笑顔を浮かべながら指示を出した。

「お静かに。今この海鳴(まち)は貴方方が思う程安全ではありません」

「どういう事だ。テメェは一体何を……」

「そちらがお聞きしたい事やこちらがお話ししたい事は沢山ありますが此処では……


黒スーツの青年の言葉に土方は周囲の警戒を改めたが、不審なモノは見つからなかった。だが何処からか気味の悪い視線を感じた彼は青年の言葉に従う事にした。

「わかった。それじゃ何処で落ち合う?」

「今から10分後、この駅の西口から出て15分ほど歩いた先に公園があります。そこで……」

そう呟いた後、青年は駅の西口へと向かい、人込みの中へ消えた。それを見届けた後、土方たちは周囲を警戒しながら10分後行動を開始した。



























そして青年の指示通り西口から15分かけて歩いた先に公園があり、その先のベンチに先程の青年が座っていたがそこに隙が無い事は土方も気付いていた。さらに言うなら、今この公園には青年と土方達を除いて周辺には誰一人いない……つまり此処でようやく話すという事だ。

 
「ああ、自己紹介がまだでしたね。僕は緒川慎次。この度は我々のボスの呼び掛けに応えて頂き有難う御座います」

「土方歳三……つってもどうせ俺達の事はとっくに調べがついているんだろ?いい加減テメェらの目的を教えたら良いんじゃねぇのか?小川さんよ」

「そうですね……では、僕について来て下さい」

「おう」


そうして土方達はスーツの青年…小川の案内のもと、合流場所へと向かった


















































一方、土方達が小川と合流する数時間前…






















---バキィッ!---


「この役立たずがぁっ!!!」

「ぐっ!」

あるアジトで暴言を吐きながら暴れるのは牛柄の模様の(グレートデン)の男…法玄が赤髪の剣客…緋村抜刀斎を殴り飛ばしていたのだ。

その理由は先の戦いでユーノ達管理局の人間を誰1人仕留めることなく、失敗に終わった事により法玄は怒り心頭になり、抜刀斎にあたっていたのだ。
だがそれは当然の結末だ。あの敵味方が入り乱れすぎた状況では連携はおろか援護すら出来ない状態だったのだ。
それだけではなく、抜刀斎(かれ)にとって味方であるはずのリオンからのまさかの攻撃を受け、戦場は混乱状態だった。もしクマの介入が僅かでも遅れていたら全滅も十分あり得たのだ。しかし法玄にとってソレは言い訳に過ぎず、誰一人殺せなかった事実が不服なのだ

「チッ!幕末で最強だなんだといわれた人斬りがこの様かよ!飛んだビンボーくじじゃねぇか!!」

「………っ!」

「ほ…法玄殿、落ち着いて下さい。今回は想定外の事態が起きただけ。次回からは計画を立てて念入りに準備をしてからでも名誉挽回は遅くはないかと……」

「黙れボンクラがぁっ!!」

「がっ!」

「「「部隊長っ!!」」」

なんとか法玄の怒りを静めようと右目に十字の傷跡を持ち、幹部である(レトリバー)の男が声をかけるが、法玄は聞く耳を持たず、暴言を吐きながら殴り飛ばす。そんな彼に心配する部下たちに大丈夫だと安心させ、再び法玄に進言する。

「それより法玄殿、あと1時間で()()()()がこのアジトに訪れに来ます。急いで出迎えの準備をしなくては……」

「…ッ!」

()()()()に反応したのか法玄は軽く舌打ちし、周りの部下たちに指示を飛ばす

「チッ!分かってる!!急げ野郎どもぉっ!!」

「「「「「おおおおぉっ!!」」」」」

法玄が部下たちを引き連れて抜刀斎を放置し、部屋から出ていった。残っているのは抜刀斎のみだが、法玄と入れ代わるように頭から熊の毛皮を被る青年……クマが姿を現した。

「すまないな緋村殿。法玄殿は今少々気が立っていてな、今回の失態によって今までの鬱憤を貴殿にぶつけてなんとかその怒りを静めようとしているのだ。まぁ先程の(レトリバー)が言っていたが、今回は数多くの想定外に加えて兵隊(ひとで)が足りなかった。なに、私の部下たちに加えて、ある()()を結んでいる助っ人共にも協力してもらう。緋村殿も更なる活躍を期待させていただく。」

頭を下げながら謝罪するクマだがその瞳は謝罪ではなくどこまでも抜刀斎を見下す冷酷な眼だった。 そんなクマの眼に気付いている抜刀斎は鋭い眼光で睨み付ける。

「何をぬけぬけと……!貴様らにとっての敵対勢力の戦力を図る為に俺をぶつけた癖によくも………!」

抜刀斎の怒りの言葉を受けても熊の毛皮を被るクマの顔色は変わらず、抜刀斎の胸元を掴み上げ、淡々とある命令を下した。



「いいか?今回の失態は()()()()の温情によって水に流す事になったんだ。またくだらん駄々を繰り返すなら……」




そう言いながらクマは倒れている抜刀斎の耳元に近付き、こう呟いた





「貴様の“大切なモノ”だけではなく、貴様に所縁(ゆかり)のある者全てを殺す」

「………!」

「では、確かに伝えたぞ?」

そう言いながらクマはその姿を闇の中に隠し、その場に残っているのは抜刀斎のみとなった。
そして抜刀斎(かれ)は拳を強く握り、爪が皮膚に食い込んでいるのだろう。指の間から彼の血が垂れている。
そして彼は震える声で小さく呟いた。




「薫………!」
 
 

 
後書き
と、今回はここまで!次回は本当にいつになるのか本当に不明です。申し訳ありません。最近仕事とネタが思い付かず、更新速度は圧倒的に遅いです。次回更新は未定ですが、頑張ります!

出来れば感想と評価もお願いします

最後に1つ。Fate/apocrypha!戦姫絶唱シンフォギアAXZ!最高!! 
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