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オズのアン王女

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第一幕その三

「君達の世界では」
「はい、そうです」
「焦げ茶ですね」
「限りなく黒に近い焦げ茶ですね」
「チョコレートの色は大体そうです」
「チョコレート色ともいいますね」
「そうだね、けれどオズの国では黒いチョコレートもあるけれど」
 それでもなのです。
「それぞれの国でね」
「こうしてですよね」
「それぞれの国のチョコがある」
「そうですね」
「ウィンキーですと黄色で」
「青や赤、紫、緑もありますね」
「そうだよ、それぞれの国でね」
 まさにというのです。
「こうしたチョコレートもあってね」
「何かお菓子を覆っている質でわかってきました」
 ジョージはそこからだと言いました。
「チョコレートだって」
「色でなくてだね」
「はい、その質で」
「そうだね、他の食材ともね」
「チョコレートはまた違っていて」
「そのチョコレート独特のものがだね」
「わかってきました」
 こうかかしにお話しました。
「オズの国で」
「色で何かを見分けることも大事だけれどね」
「色だけではですね」
「見分けることにもですね」
「限度があってね」
「色に頼らない」
「そうした見方もあるんだ」
 かかしはジョージ達に穏やかな声でお話しました。
「色は大事だけれど色ばかりに頼らない」
「ものごとを見極めるには」
「そうなるね」
「チョコレートもですね」
「そうだよ」
 こうしたお話もしてです、皆でティータイムを楽しみました。
 そのティータイムが終わってです、木樵は皆に尋ねました。
「これから何をして遊ぼうか」
「晩御飯までですね」
「何をするか」
「そのことですね」
「色々あるけれどね」
 遊ぶにしてもです。
「具体的に何がいいかだけれど」
「鬼ごっことかかくれんぼとか」
「だるまさんが転んだ」
「アスレッチも近くにありますし」
「お散歩もあって」
「そこは色々ですね」
「具体的にだよ」
 まさにと言う木樵でした、五人に。
「何がいいかだよ」
「それは難しいですね」
「僕も考えていませんでした」
「僕もです」
「一体どうしたらいいのか」
「何をして遊ぶか」
「今は」
「僕もだよ」
 木樵は腕を組んで皆と一緒に考えます、ですがどうしても答えは出ないでそのままでいるとです。そのテラスにです。
 一羽のオークが来ました、そのオークの首元にはです。
 手紙がありました、その手紙を見てかかしが言いました。
「オズマからだね」
「あっ、そうだね」
 木樵はかかしに応えました。
「僕達宛だよ」
「ジョージ達にもね」
「それじゃあね」
「この手紙を読もう」
「そうしよう」
 こう二人でお話してでした、そのうえで。 
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